2019年1月の記事一覧
「アイデンティティ」のゆくえ。(3/3)
「原因が未来にある」という転倒。
たとえば、ある人が別の人を殴って、たんこぶができたとする。
殴ったことが「原因」で、たんこぶが「結果」である。
殴ったのは「過去」であり、たんこぶは「現在」である。
先にたんこぶができて、そのあとで殴る、というようなことは起こらない。
「原因」はすべて、過去にある。
ゆえに、今この人を殴ったら、未来にこの人はたんこぶができるだろうな、と予測できる。だが、必ずそ
「アイデンティティ」のゆくえ。(2/3)
「この世の中で、何者かになりたい」
「自分は何者かになりうるだろうか?」
このような思いを抱く人は少なくない。
「まだ何者でもない」「自分が何者なのか分からない」といった悩みは、占いの場ではおなじみである。
これもまさに「アイデンティティ」の問題である。
「アイデンティティ」のゆくえ。(1/3)
「あなたは、誰ですか?」
前の稿は、この問いに怒りまくるところから始めた。
それで5回分けの長編になってしまったわけだが、この問いは考えれば考えるほど、意味深長である。
ポーランドの国民形成の時代に、子どもたちは、アイデンティティの問題に次のように答える訓練を受けていました。あなたは誰ですか? ポーランドの子どもです。あなた方のシンボルは何ですか? 白鷲です……という具合に。優れた現代文化の社