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「連れ去り」とDVはリンクしていない。子どもは不満

子ども連れ去りの理由は、DVからの避難だと言う説は本当でしょうか?

【令和2年度法務省委託調査研究 協議離婚に関する実態調査結果の概要 P27】

https://www.moj.go.jp/content/001347779.pdf

・DVや子どもへの虐待等の問題があり話をする余裕がなかったから 4.1%
・話をすることが危険だったから 4.1%

という結果からは、90%以上の連れ去りに正当理由はなく、自分勝手な「誘拐」だと言わざるを得ません。

連れ去り・追い出しにDVはわずか4.1%。DVはないが危険を感じたのも4.1%のみ。その8.2%についても、本当にDV・児童虐待があったのか、あるいは危険があったのかの事実認定は、ほとんどなされておりません。

ただ、DV・児童虐待に関する様々な調査結果から考えると、4%程度は重篤な事例があると推測はできます。さらに言うと、一般で4%程度、連れ去りで4%程度ということは、連れ去りを行った者とそうでない一般の者の間に、DV被害の差はないことが予測できます

*なお、この調査は1000名で男女500名ずつ。同居親500名、別居親500名の内訳です。同居親に女性は9割、別居親に男性は9割が一般なので、この調査だと、同居父と別居母の割合が世間一般より多いことになります。ただ、この両者の調査結果は真逆になるのでバランスが取れ、調査結果自体は信頼性が高いものと言えます。


また、この法務省調査のP24からは、離婚のうち「連れ去り」がどのくらいの割合なのかも見えてきます。

1000名のうち234名で、23.4%です。
 内訳は、
全く話し合わず別居 145人
話し合ったが子どもとの同居者の合意はできず別居 52名
子どもとの同居者について話をせず別居 37名

23.4%ということは、離婚のうち4人に1人は連れ去りがあるわけです。
(別居だと、430人のうち234名が連れ去りなので、54.4%。別居のうち連れ去りが半数以上というのは驚きの多さです)
連れ去りは、子どもの心身に極めて悪影響であり、悪化していた夫婦感情をさらに悪いものにして、子どもにとって迷惑な親権争いを劇化させます。

では、連れ去られた子どもは結果的に満足しているのでしょうか?そんなことはありません。

この法務省調査では、連れ去り対象者に特化したものではありませんが、父母が子どもの同居者を合意したケースも含めて、全体のデータを見ます。


法務省 未成年時に親の別居・離婚を経験した子に対する調査 P13

https://www.moj.go.jp/content/001345682.pdf

同居親と住みたかったのは50%、別居親と住みたかったのは32.5%、どちらとも言えないのが17.5%

同居が決まった後の調査であり、同居親が有利に出るデータでも、子どもの支持は50%止まりなのです。子どもは本音を言うとは限りませんから、真実が不明とはいえ、世の中の同居親は子どもに信頼されていると自信を持ちすぎではないでしょうか。特に、連れ去りをするような親には自惚れがあると言えます。

そして、このデータから言えることは、両親の二者択一、すなわち単独親権制度は無理があるということです。両親のどちらが親としてふさわしいかという判断も無理なら、そもそも最良の親は片親ではなく「両親」なのです。


なお、日本人による子ども連れ去りは世界中から非難が殺到しています。

・EU27か国からの非難決議

https://www.moj.go.jp/content/001347789.pdf

・日本における国際的な子の連れ去り(Wikipedia)


日本の法律でも、理論的には連れ去りは違法行為です。政府見解でもあります。ただし、不思議なことに、実務ではほとんど違法性は問われません。

刑法(未成年者略取及び誘拐)
第224条未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

なお、民法においても、「主たる監護者(主に育児をしていた)」なら連れ去りをしていいと言うことは、どこにも書かれていません。ただ、主たる監護者なら何の理由もなく連れ去っても、親権争いで不利にならない実務が慣行になってしまっています。

やはり、法律通りに、司法当局は「連れ去りを原則禁止」の運用にすべきです。


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