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単独親権とは「強すぎる親権」。親権停止制度は共同親権でないと機能しない

共同親権とは簡単な話でして、
親は常に「実の父母」です。結婚の有無は関係ありません

そもそも、結婚の有無で何で親子関係が単独親権に変わらないといけないのでしょうか?
結婚という男女関係と親子関係と混同しています。結婚は親子制度なのですか?(実は家制度だと、結婚は親子制度がメイン。男女関係はサブ)

いえ、「結婚は男女関係に過ぎない」というのが共同親権制度です。

児童虐待やDVには既に親権停止制度(民法834条の2)があります。重度の虐待であれば親権喪失(民法834条)の仕組みもあります。それで対応すればいいだけです。なぜ、離婚時に例外なく一律に「片親が親権喪失」せねばならないのでしょうか?全く合理性がありません。

共同親権とは、これだけのことです。共同親権は当たり前なのです。単独親権というものはありえません。

なお、共同親権に変えるには、単独親権を規定する民法819条を廃止します。つまり、共同親権とは新たに何かするというより、余計な単独親権規定を廃止するのです。単独親権制度を廃止すると、共同親権になるだけです。


さて、実際のところ、親権停止は難しいのではないか?という実務的課題は確かに存在します。現行の単独親権制度においては。

「強すぎる親権」問題があります。ひどい児童虐待をしているのに、裁判所がなかなか親権停止を認めない問題です。

しかし、民法834条の2(親権停止)の条文を見ても、

特に「親権が強すぎる」「親権停止はハードルが高い」とは読めません。普通の問題ない条文です。

問題は実務にあります。結婚していないと単独親権になってしまう日本では、「ひとり親家庭」が非常に多くなります。そこで、児童虐待が起きて、欧米のようにガンガン親権停止にしていたら、どうなるのでしょうか?

親権者1人の親権を停止すれば、親権者がいなくなり、児童相談所はパンクします。つまり、親権停止はよほどの重大事件を起こさない限り適用できなくなります。

そして、ひとり親家庭で親権停止のハードルが上がれば、結婚中のふたり親家庭も同じく高いハードルにせざるを得ません。ふたり親家庭では一回叩いたら親権停止、ひとり親家庭では処分なしというダブルスタンダードはできないのが行政です。

このようにして、単独親権の日本では、親権停止のハードルは凄まじく上がります。年間に100件も適用できません。これが欧米なら、間違いなく1万件は超えているでしょう。

日本の「強すぎる親権」の正体は「単独親権」です。

そもそも、単独親権とは家父長制の「単独家長の独裁権限」でした。強すぎるに決まっていますが。

一方、共同親権は片親の親権停止が容易です。離婚していても、もう1人の片親の家には子ども部屋があり、毎週、子どもが泊まっているわけですから。

このように、共同親権にすると、親権停止が容易になるので、公権力も介入しやすくなります。DVでも警察がすぐに来て、加害者を親権停止にします。だから、共同親権の欧米はDV対策が進んでいるのです

一方、単独親権制度の日本は、児童虐待対策もDV対策も手詰まりです。親権停止のハードルが高すぎる「強すぎる親権」なので。

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