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石井理加再生への道③


寺越氏の企画に参加して、私は自分が忘れてしまっていた、大切なことを思い出した。

「心からやりたいと思っていることを、やる。」
誰かに望まれることではなく、もしかしたら誰も興味を持ってくれない、見たいと思ってもらえないかもしれないけど、
「やりたい」「やってみたい」
ということに挑戦する。

私の舞台活動は、見てくれる人や応援してくれる人が既にいる、という劇団にひょっこり入ってしまった所から始まっているので、常に「期待される姿」に自分を合わせていた。
それも一つのあり方だけど、「やりたい」「やらずにはいられない」が原動力として根底にないと、
密度の高いもの、純度の高いもの、情熱的な、人の心に届くものは作れないだろうなと思う。

「期待される姿」を追うことは、普段の生活でもある。
親の期待に応えようとすることもあったし、仕事でも「期待に応えよう」とすることはあるが、一歩間違ったり、行き過ぎてしまうと、
「言いなり」「自主性がなく言われたことしかできない」「自分の頭で考えられない」「自分の考えがない」
となってしまう。

今私が「心からやりたいと思っていること」は何だろう、と考える。
ない訳では、ない。が、「やらずにはいられないんだ〜!」と人に話したり、SNSで熱烈に発信するほどのエネルギーはない。
なぜか。
何故か?
私自身が今年たくさん傷ついて、エネルギーが枯れ気味なせいかもしれない。
そこに関しては、無理に奮い立たせるのも違うかなと思うので、エネルギーが貯まるのを待とうと思う。

お家で寝て自分を回復させる段階は過ぎたかな、と思うので、少しずつ外に出る、人に会うということを始めたのが昨今。
少しずつ、少しずつ、人とは比べない、自分だけの再生の道である。

■11月30日(木)
石谷力さんの公開クリエーションを見に行く。
石谷さんは前に一度会ったことがあり、惑星ピスタチオの「破壊ランナー」と、つかこうへいの「熱海殺人事件」がYouTubeで見れることを教えてくれた。
両方とも見て(熱海殺人事件はモンテカルロイリュージョンという阿部寛が主演のさらに狂ったバージョンを見た)、かなり衝撃があった。

「審判」という一人芝居の冒頭を路上でやる、寺越氏と相談しながら、やり方を模索、試していた。
寺越氏が色々な提案をする。
それは具体的であったり、身体的なものであったり、とても精神力や勇気を要するものであったりした。
押し付けるのではなく、その時その時の状態を見ての選択肢を広げる提案、話し合い、
硬い硬いチューインガムを少しずつ噛んで、柔らかくしていく、どんな味がするのかを教えてもらう(抽象的な表現だけどニュアンス伝わる?)みたいな時間で、見ていて面白かった。

完成したもの、よりもクリエーションの過程が面白いよね。
結果だけ出すより、生き様晒してく方が面白いんだろうなぁと思った。

「最大の味方はゆうちょ銀行だ」と言う寺越氏

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