[Director’s Note] いつも心に太陽を〈第3幕〉
人間のための人間の演劇
心に太陽を持て。嵐が吹こうと、吹雪がこようと、天には黒くも、地には争いが絶えなかろうと、いつも心に太陽を持て。
-フライシュレン、山本有三訳-
今の自分は本当の自分ではない、本当はもっと……、という感情は誰しもが一度は持ったことがあると思います。つかこうへいの「いつも心に太陽を」は、男と男の恋愛ドラマという形式を用いて、そんな満たされない現実とその現実から抜け出そうとモガク人間の姿を描いた戯曲です。戯曲の中で何度も繰り返し口にされる「モスクワ」と