織田裕二のクリアファイル
株式会社石黒金属製作所の北山です。東大阪市で製缶、鈑金、溶接業をしています。
仕事をしていると、よくクリップやA4のクリアファイルを使います。
このクリップやA4のクリアファイルは、書類を預かったり渡したりすると、書類と一緒に相手のところへ渡ったり自分の手元にきたりすることが多いです。
クリップやA4ファイルは、借りたまま又は貸したまま、再利用されることが多い気がします。たまにマイクリアファイル持ってる人は、その場でクリアファイルを返却してくれる場合もあります。しかし、それは少数派な感じがします。
クリップもA4ファイルも使い捨てではないので、誰かから誰かの元へ渡り、気がつけば全然知らない人の手元に渡っていて、場合によっては県を越えたり、海を越えたりして、海外にも行ってるかもしれません。別に夢も浪漫も大してないですが、海を越えてるかもしれないと思うと壮大な話しです。
しかし、一方では、全然日の目を見ないクリアファイルも存在しています。
クリアファイルを収納している引き出しがあるのですが、クリアファイルなんて、どのクリアファイルを使おうかなどと深く考えず、基本的に引き出しを開けて上にあるものを取っていくはずです。
なので、後から入ってきたものが先に使われていくため、後入れ先出し方が採用されているはずです。
基本的には無地のクリアファイルが多いですが、引き出しの底の方には、柄があって使いにくいものなどが溜まっていきます。そんなファイルは日の目を見ることがないのです。
例えば、JTBのファイルです。女性の髪型から数年前の感じがします。こういう中身が見えないファイルは使いにくく、またプライベート感もあり使いにくいので、底の方に溜まっていくようです。
宗教画家の人のクリアファイルみたいです。どこからか紛れてきたもので、全然知らない人の作品でした。こういうのもなんか趣味が良いとは言えず、また若干信仰を感じさせるものでもあり、使いにくいです。
そして織田裕二です。生命保険系のクリアファイルは、俳優さんの鮮度みたいなものも大切な気がします。少し年季が入っていて、織田裕二も中年になる前といった感じで、若々しくて今となっては時代を感じます。
しかし、織田裕二はどこを見つめているんでしょうか。どういうシチュエーションなのかもいまいちわかりません。背景から察するに屋外ぽいですが、ひとりでうっすら笑っているのが不思議な感じです。「生きるチカラ」というには、そこまでの力強い表情でもありません。そして色黒です。
今このタイミングで年季の入った織田裕二のファイルを持ってうろうろしていると、相当な織田裕二ファンだと思われる可能性があり、それは困るので使いにくいです。
「織田裕二ファンですか?」と聞かれたら、「いいえ、織田裕二ファンではないですが、幼少期から織田裕二のドラマはちょこちょこ観ていた気がします。振りかえれば奴がいるとか、お金がないとかですかね、東京ラブストーリーは観ていません、踊る大捜査線は観ました、主題歌のCDも家にあった気がします」と、特に織田裕二のファンでもないのに、案外作品は観ていることに気がつきます。
逆に脚本家の坂本裕二さんは結構好きなのに、東京ラブストーリーを観ていないことに気がつきました。
こんなクリアファイル1枚ですが、じっと見ていると、織田裕二について考え、自分でも気づいていなかった、案外織田裕二ファンだったのかもしれないと気がつきます。
しかし、見れば見るほど色が黒い人だなと、こんなに黒い人周りになかなかいませんよね。こんなに黒いのに、なんとなく爽やかな写真になってるのも不思議です。
案外自分は織田裕二ファンだったのかもしれないですが、やっぱりこのクリアファイルは時代錯誤な感じもするし、織田裕二が黒すぎて使う気にはなれません。
そもそも織田裕二のクリアファイルの話しがしたかったわけではなく、クリアファイルやクリップというのは、いつの間にか色々なところを旅しているのではないかという話しがしたかったわけです。
と言う訳で、織田裕二のクリアファイルを時代錯誤でも使用し、誰かに書類を渡す時に一緒に渡してみようかしら。
ひょっとすると、その人から県を越え海を越え、どこかの異国の地で発見され、異国の誰かが「IKIRU CHIKARA」とか言ってるかもしれません。日本語読めるか知らんけども。
いややっぱり、時代錯誤で、県も国も越えずに、誰かの棚の奥底で眠って、その後何十年も「生きるチカラ」発揮してファイルの底で眠り続けるかもしれません。
あぁ、どうしても織田裕二のクリアファイルの話しになってしまうのでこの辺で終わります。
さようなら
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