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僕の街づくり②

クリエイティブマーケティング

ある人が、ある街に来ました。(来街者)どこからか、何かしら街の噂を聞いて来ました。そこで、ある店を発見しました。この街にピッタリの店(地縁店、どこにでもありがちなチェーン店ではありません)だと感じ、入ってみたくなりました。結果はやはり〇でした。その人は店を通じて、こんな店があるなんて、この街いいかも、と街の良さを期待しました。もっとその街を知りたいと期待しました。次に喫茶店(カフェとも言いますが)に入りました。店のお客さんは地元の人々らしく様々ですが(居住者)、その店は彼らの日々の暮らしの一部となっているようでした。その人は自身の暮らしの一部にも日々に使えるこんな店が我が街にあったならと、その街の人々を羨ましくも思えました。そして、街を更に歩くと新たに出来た店はもちろんの事、人が住む場(住宅)にも働く場(工房、工場)にも、街と共にある営みの美しさを見る事が出来ました。(既章参照)
その人は、自分が、その街を好ましく思い始めていると認識し始めました。これに近い経験は多くの人々がしている事でしょう。この街は、その人との間にマーケティングが出来ています。マーケティングが醸成されていく一例です。
街のマーケティングとは対象者と街との等価交換を成り立たせる仕掛けの総体だと解釈しています。総体故、マーケティング対象は街のPR、イメージ、ブランディング、街の事業、店、商品、環境、施設等の全てを指しますが、店を例に挙げると、対象者である人にとって、これらの店の表すポジション(様々な座標軸による位置付け等)が支持されるものでなければ市場成立は難しくなります。それがないと、イコール空き店舗予備軍、疲弊する街の象徴ともなります。振興策はかえって逆効果な政策ともなります。     地域の活性化、地方創生等には、マーケティングは必須ですが、中でもクリエイティブマーケティングがマストとなります。街への思いは、偏る程に強く、それが正しく疑いの無いことと信じる故、商売センスは?な自称地域貢献愛な一人よがりな人々、自らの商売への思いだけが強い人々、自称これからは地方ですよ、でも実は助成金狙いな人々や、顧客支持無き、事業計画や売上目標を行おうとする自称ナルシ系オレ一番な人々等に対し、結果として行政支援になってしまう街づくり活性化制度は、事業名は変われど昔からあります。そこで、彼らや制度のしくみの是非の云々を問題にするよりも、こうした人々はクリエイティブマーケティングな人々ではない場合が多い事に気付くべきでしょう。彼らは、街に無かった、或いは街が失いかけていた市場を作り且つ、その街の顔ともなる事業を規模の大小問わず新たに作り得る(顧客にミートし且つリードする意)クリエイティブマーケティングな人々ではないのです。(声が大きい人々ではありますが)          クリエイティブマーケティングな人々は、制度を使う前に、自らで行って
いる、行おうとしている場合が多いようです。街にとって、こうした人々(声が比較的小さい人々でもありますが)つまりクリエイティブマーケティングな人々を発掘し、ネットワークを広げる事が、初期に手を付けるべき活性化策としてマストとなります。街づくりの原動力も他同様、人だからです。


人づくり

クリエイティブマーケティングな人々とネットワークを作るには、街中を動き、これだと思える人々と会話を重ねるフットワークに加えて彼らが集まってきそうな、彼らが参加しそうなプロジェクトを、いくつも立上げることが効果的です。やろうとしているプロジェクトに、街のセンスや思想が感じられれば、それが集まる、のろしになり得ます。こうしたアクションの過程で話すことになる街の世界を表す美のストーリー、物語(理念)等から(既章参照)街感を互いに共有出来るようになります。(クリエイティブマーケティングな人々は街感のセンスも他の人々より高い傾向にある故です)彼らは、街をイメージし、街で起業、開業をしている、更にしようとしている、何かを起こそうとしている可能性の高い人々、言わば、地域の活性化、地方創生に向けたアソシエイツ型の共同体メンバーに成り得る人々です。(たまたま地縁で成り立つ共同体ではなく、目的が共有化され、街の活性化=自らの可能性の向上を意図した社中の様な共同体を指しています。共同体に関してはコミュニティ・RMマッキーヴァ―著等)諸本いろいろあります)こうした人々とネットワークを持ち、時々に繋がる共同体、コミュニティを街が持つことの意味は、言うまでもないことでしょう。

街づくりは、人づくりだと自身のこれ迄を振り返れば一層、思うようになりました。只、人づくりと言っても、学校や研修や勉強、討議、ワークショップと言った人材を育てることが目的なものではなく、山人、野人のコミュニティのように、フラットな平等な関係の中で(既章参照)街での現実のプロジェクトを興し、それを体験、共有し合うことの総体の結果のようだと捉えています。街づくり=人づくりは、クリエイティブマーケティングな人々が後に続き、新たに行動を興す、新たに街にやってくる、更に街から生まれると言った、人の循環と行動の連鎖(活性化事業)を作る、きっかけづくり、インフラづくりのように思えます。(クリエイティブマーケティングな人々とは、明確な属性を持ち定義付けられる人々ではありません。全章で述べている、ある部分を共有する定性的なものです。が、定性的と言っても何となく共通する属性や雰囲気、なりを持っている人々ですが。)
人づくりは街の持つ普遍的なソーシャルキャピタル(社会資本)に資するものだと考えます。一方、この場合、街に問われる(求められる)事は、等価を身に付けた人となり(全章参照)を持つ人の有無だと思います。


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