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現地SIMに挑戦 【ポルトガル旅行 準備編3】

今や旅先でパスポートの次に重要ではないかと思われるのがスマホ。

普段の生活ではSNSやYouTubeを主に使っているが、
旅先では写真や動画撮影、各種検索、地図、ナビ、翻訳など、
様々な使い方ができ、スマホはまさに命綱の役割を果たしてくれる。

しかしそれらの機能をフルに発揮するには、
インターネットにつながっていなければならない。
宿泊するホテルは大抵どこでもWi-Fiにつながっているので問題ない。
問題は、街歩きをしている時だ。
土地勘のない場所を自由自在に歩くためには、
データ通信でスマホの地図に頼りたい。

これまで(コロナ禍前まで)は、空港でモバイルWi-Fiを借りてきた。
しかしモバイルWi-Fiもなかなかに重装備。
Wi-Fi本体に充電器、ケーブル、
一日中歩き回るなら予備のバッテリーも欲しいところ。
加えて、私は旅の様子をスマホのカメラではなく、
普通のカメラで撮りたかった。そうなると、
カメラ本体およびその付属品が加わることになるので、
かばんの中は電子製品でパンパンになる。

以前、上記の重装備でベルギーを旅行したら、疲れも相まって
「もうこんな重い荷物を持って一日歩けない!」とギブアップ。
最終日近くにオランダへ日帰りしたのだが、
その日はついにカメラを置いて出掛けてしまった。
かばんの重さは、旅の快適性を左右するのだ。

ポルトガルはどこを見ても美しい装飾タイルだらけ

そんなこともあったので、今回はカメラを優先させ
現地でSIMカードを購入することにした。
これでWi-Fi関連の荷物を減らすことができる。
価格面でも有利だった。
Wi-Fiのレンタル料はヨーロッパ方面となるとかなりの値段になる。
現地のSIMの価格を調べてみると、レンタル料の半額程度で
済みそうだった。倹約家の私としては、現地SIMを使うしかない。

現地SIMの利用は、もちろん初挑戦だ。
通信会社によっては日本で使っている携帯を海外でもそのまま使うことができるのだが、残念ながら私が契約している会社には、そのような気の利いたサービスはない。
こうして、インターネットやユーチューブで現地SIMの設定方法を研究する日々が始まった。

どうやら現地SIMを使うには、
単にSIMの入れ替えだけでは済まなさそうだった。
特にアンドロイドユーザーの私はiPhoneに比べると
やや面倒なことが多そうだった。

自分の端末がSIMフリーかどうか(21年10月以降に販売されたスマホは基本SIMフリー)、
SIMの大きさはどれか(3種類ある)、
そもそも海外で使えるのか(時に使えない端末があるらしい)、
現地SIMを差した後アクセスポイントの設定(APN設定という)が必要らしいが自分で出来そうか、
eSIMという選択肢もあるが自分の端末は対応しているか、などなどネットの情報を頼りに、一つ一つチェックしていった。

街角で見かけた装飾タイル

現地SIM利用実現に向けて、まずやらなければいけないことは、
今使っているスマホをSIMフリーの状態にすることだった。
契約している通信会社のサイトを見ると、
端末のSIMロック解除はオンライン上で、無料でできるようだった。
もちろん販売店に持ち込めばやってくれるが、
一瞬で済む作業にかかる事務手数料が3000円と、
「ぼったくり」と言いたいくらいに高かったので、
もちろん自分で解除することに。

仮に自分のスマホをSIMフリーにして、「やっぱり海外行きませんでしたー」「やっぱりWi-Fi借りましたしました」という場合でも、なんらデメリットはないので、思い立ったら即行動。金曜の夜遅い時間帯に、通信会社のサービスアプリにアクセスし、ドキドキしつつSIMロック解除を申請した。

画面には「お申し込みを受付しました」の文字が出た。
これでホッとして読み落としそうなのだが、
注意事項として「お手続き後に届くSMSに記載の解除コードを入力してご利用ください」とある。他社のSIMに差し替え電源を入れた際に、解除コードの入力が求められるらしく、コードはSMSで送られてくるというのだ。

解除してしばらくたつと、順調にSMSが送られて・・・来なかった。

航空券を買った時すぐにEチケットが発券されなかったのと同様、
SIMフリーの申請に関しても、どのような状況が普通なのかを知らないので、この時はSMSが届かないことにはあまり疑問を感じなかった。
「もしかして解除を申請したのが金曜の深夜だったから、
土日を挟んで週明けにSMSが届くのかも」
とデジタルな時代にアナログ的な発想をしてみたが、
さらに時間は流れ、再び金曜日に。

1週間たってもSMSが届かない。
毎日何万人がSIM解除を申請するのかは分からないが、
現代のテクノロジーをもってして1週間はどう考えてもかかりすぎ。
やはりおかしい。

 ネットで「解除コードの確認方法」を検索すると、
同じような人がいるのか、解除コードを確認できる方法を見つけた。
書かれていた説明に従って再び通信会社のサービスアプリにアクセスすると「次のIMEI番号に対してSIMロック解除手続きを行います。」と、いかにも「手続き前」であるかのようなステータス表示がされている。

にわかに不安になり、
お客様サポートセンター的なところにチャット&電話で相談。
すると手続きは完了できていると言うではないか。
SMSで届くはずだった解除コードは、チャットで教えてもらった。

これで一件落着なのだが、やはり解除ができているにもかかわらず
なぜSMSが届かないのか、そしてなぜステータスは「手続き前」のままなのか、不安がよぎる。

何せSIM解除と現地SIMの利用は今回が生まれて初めて。
現地でネットが使えないと、ちょっと大げさだが、
旅の安全と安心をゆるがしかねない。

念には念をいれましょうと、サポートの電話を切ってすぐ、
家から一番近い営業所に予約を入れ、直接確認することにした。
解除コード一つでこの騒ぎ。
この時点で、精神的にかなりぐったりしてしまった。

結果として、鼻息荒く乗り込んだ営業所で、
「解除はできています」との言質を取ることができた。
結局SMSは届かなかったが、チャットで教えてもらった解除コードを窓口の担当者と照合し、さらに私の端末が海外で使えることも確認してもらい、やれることはやったと達成感一杯に営業所を後にした。

ポルトで見かけた装飾タイル。アイスクリーム片手に「映え」写真を撮る人も

ようやく名実ともに(?)SIMフリー端末を手に入れ、
現地SIM挿入後の設定方法もスクショを取ったり、
自分が分かる程度にまとめて紙に印刷し、端末と設定の準備は一応整った。
同時に、アマゾンなどから事前に現地SIMを調達することも考えたが
口コミなどを読んでいるうちに、面倒くささと不安さが募ってきたので、
事前調達の考えは捨て去った。

これだけやって現地SIMが使えなかったら、もうあきらめるしかない。
思えばこれまでの旅は地球の歩き方を片手に街を歩いていたし、
ホテルに戻ればWi-Fiはつながる。どうにかなるでしょ。腹をくくった。


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