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「サ」は音の誕生、そして音の王様を意味する、ということ - - インドの音階サレガマについて

音名というのは、国によって本当に様々。

やっぱり、イタリア式の「ドレミファソラシド」が一番知られているのだろうか。

それとも、英米式の「C D E F G A B C 」の方が世界基準だろうか。

日本式の「ハニホヘトイロハ」は、「C D E F G A B C」を日本語のいろは順に当てはめた感じだろう。

そう考えると、インド式の「サレガマパダニサ」は、コンセプト的には「ドレミファソラシド」の方の仲間と言えるのだろう。


ドレミファソラシド」は、グレゴリア聖歌の「聖ヨハネ賛歌」の歌詞から、頭文字をとっていることはよく知られている。ヨーロッパではすべての中心はキリスト教にあった。

Ut queant laxis あなたの僕(しもべ)が
Resonare fibris 声をあげて
Mira gestorum あなたの行いの奇跡を
Famuli tuorum 響かせることができるように
Solve polluti 私たちのけがれた唇から
Labii reatum 罪を拭い去ってください
Sancte Joannes 聖ヨハネ様


そして、本題。
サレガマパダニサ」が、単語の頭文字をとっているというのも、インドではまあまあ知られている。

Sadja (षड्ज サドシャ)6つの音の誕生
Risabha(ऋषभ リシャーヴァ)力強さ
Gandhar(गान्धार ガンダールヴァ)甘い香り、悲しみ
Madhyama(मध्यम マディヤマ)真ん中
Panchama(पञ्चम パンチャマ)5つ目
Dhaivata(धैवत ダイヴァダ)敏感な心
Nisada(निषाद ニシャダ)平穏

「Ma」「Pa」のネーミングは、仲間はずれのような気がするが。
私が教えてもらったのはこのような意味。
サンスクリット語の単語からきているため、インド人の中でもいろいろな解釈があるようで、これが正解とも限らない部分もあるが、感情(ラサ)が当てはめられているというのがインドらしくて面白い。 
インドでも中心は神、宇宙だが、ラサとも結びついている。

また、「Sa」はSwar-raja(スワラジャ):「音の王」という説明もきいた。

基本となる「Sa」音の母音があ行なので、発声するときにしっかり口を開けて呼気に意識を集中できるというのも、好きなところ。
ドーーー よりも、 サーーー のほうが、絶対にいい。私的には。

いつも、この「Sa」が、どこまでもどこまでもまっすぐに伸びて行くようなイメージで発声練習をすることによって、心身が整ってくるのである。
 




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