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インド音楽の演奏をしたり、日本画を描いたりしています。 インドリズムサークル「taal…

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インド音楽の演奏をしたり、日本画を描いたりしています。 インドリズムサークル「taalmandali」 アート&デザイン「Studio Siwun」 ishidashiori.com

記事一覧

ホーリーに、春の色を塗りたくる。(インド修行の思い出)

春(または夏)を祝う「ハッピーホーリー!!!」 「ホーリー ハイ! ホーリー ハイ!!」 外からハイテンションなあいさつや掛け声やどこからともなく聞こえてきます…

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2年前
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サラスワティ・プジャに、音楽の贈り物を。(インド修行の思い出)

サラスワティプジャについてサラスワティは芸術と学問の神様で、 そして美しい女性神なので、とても人気があります。 日本でも、弁財天のルーツということで有名ですね。 …

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2年前
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日本にもチャイ屋があればいいのに。 - - インド・コルカタのチャイ屋事情と、チャイの作り方(ざっくり)。

ここらでお茶を一服。「チャイ」でもいかが? 「チャイっていうのは、アレですよね、ミルクティーで、生姜やスパイスが入っていたりする・・・」ってな具合に、日本では浸…

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4年前
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ベンガルの偉人たち、その2 -- コルカタ・メトロの旅は、駅名に注目!

以前、"ネタジ" チャンドラ・ボースと、"中村屋のボース" ラシュビハリ・ボースのことを書いた。 しかし、実はコルカタに通い始めるまでは、そういったベンガルの偉人をよ…

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4年前
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ベンガルの偉人・まとめ! - - 日本とも関わりの深い「ボースさん」

6月某日のヌーベルミューズのラジオでは、ベンガル人によくある苗字でもある「ゴーシュ」さんや「ボース」さんの話題になった。 そこで、ベンガルの偉人のうち、日本と関…

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4年前
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頭で理解するか?体で理解するか? - - インド音楽のキメ、「ティハイ」について

3度のメシより、Tihai ! Tihai ! Tihai ! インド音楽の演奏家は、「ティハイ」を考えはじめたら朝であれ夜であれとまらない。 「ティハイ」は、インド音楽のリズムテクニ…

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4年前
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終わりは、はじまり。 ループするリズム。- - ティハイについて

「じゃあ、ソロの終わりにティハイやるから、サムから入ってね!」なんてうっかりクセで言ってしまうのだが、インド音楽家でないにもかかわらず応じてくれる奏者がいるのは…

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4年前
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「タブラの楽譜ってあるんですか?」という問い。 - - リズム記譜について

先日、『インド音楽に楽譜はあるんですか?という問い』に応える記事を書いた。記譜法も浸透はしているけど、長年口承で伝えられてきたニュアンスのようなものは、やはり口…

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4年前
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半音の切なさは、日本人の心か、インドの夜明けか - - 音階について

(写真は、インド古典音楽の祭典「ドーバーレーン・コンサート」の帰り道。2019年1月コルカタの夜明け。コンサートは夜8時くらいから朝6時くらいまで開催され、コンサート…

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4年前
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「サ」は音の誕生、そして音の王様を意味する、ということ - - インドの音階サレガマについて

音名というのは、国によって本当に様々。 やっぱり、イタリア式の「ドレミファソラシド」が一番知られているのだろうか。 それとも、英米式の「C D E F G A B C 」の方が…

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4年前
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「インド音楽に楽譜ってあるんですか?」という問い。 -- 記譜について

5月某日のインスタライブ「ヌーベルミューズ・トーク」では、楽譜の話になった。 確かに、「インド音楽に楽譜ってあるんですか?」と聞かれることは多い。多くの方々にと…

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4年前
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ヌーベルミューズトーク、ことはじめ。ことのことを少し知る。 - - 箏について

二十五弦箏とシタールとタブラのバンド「ヌーベルミューズ」で、トーク番組をやることになった。流行りのライブ配信である。前々からバンドとしての動画配信を視野にいれて…

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4年前
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ホーリーに、春の色を塗りたくる。(インド修行の思い出)

ホーリーに、春の色を塗りたくる。(インド修行の思い出)

春(または夏)を祝う「ハッピーホーリー!!!」
「ホーリー ハイ! ホーリー ハイ!!」

外からハイテンションなあいさつや掛け声やどこからともなく聞こえてきます。
ホーリーの日は、朝から賑やかです。

ホーリー Holi は、別名ヴァサント・ウットサヴ(直訳で「春まつり」)とも呼ばれるように、「春の訪れを祝う、カラーフェスティバル」として知られています。
が、私的には、いやいや、これって「夏の訪

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サラスワティ・プジャに、音楽の贈り物を。(インド修行の思い出)

サラスワティ・プジャに、音楽の贈り物を。(インド修行の思い出)

サラスワティプジャについてサラスワティは芸術と学問の神様で、
そして美しい女性神なので、とても人気があります。
日本でも、弁財天のルーツということで有名ですね。

ヒンドゥー教は多神教で、地域や家庭、職業によってそれぞれ一番に崇拝する神様が違っていたりします。
Puja(「プージャ」、ベンガルだとほぼ伸ばさず「プジャ」。祭祀、神事、祈り)の日も神様ごとに設定されていますが、音楽家の家はなんといって

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日本にもチャイ屋があればいいのに。 - - インド・コルカタのチャイ屋事情と、チャイの作り方(ざっくり)。

日本にもチャイ屋があればいいのに。 - - インド・コルカタのチャイ屋事情と、チャイの作り方(ざっくり)。

ここらでお茶を一服。「チャイ」でもいかが?

「チャイっていうのは、アレですよね、ミルクティーで、生姜やスパイスが入っていたりする・・・」ってな具合に、日本では浸透しているのだろうか。
私、インドに通うようになってから「チャイ」が身近になりすぎて、一般的にどうなのかわからなくなってしまった。

・ミルクが入っているかどうか
・スパイスが入っているかどうか
・砂糖が入っているかどうか
・ミルクで茶葉

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ベンガルの偉人たち、その2 --
            コルカタ・メトロの旅は、駅名に注目!

ベンガルの偉人たち、その2 -- コルカタ・メトロの旅は、駅名に注目!

以前、"ネタジ" チャンドラ・ボースと、"中村屋のボース" ラシュビハリ・ボースのことを書いた。

しかし、実はコルカタに通い始めるまでは、そういったベンガルの偉人をよく知らなかったし、 チャンドラ・ボースとラシュビハリ・ボースの区別がつかなかった私だが、メトロの駅周辺をうろうろしているうちに、徐々に覚えていった。

・シャンバザールにあるのがチャンドラ・ボースの像。

・ネタジババンはチャンドラ

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ベンガルの偉人・まとめ! - - 日本とも関わりの深い「ボースさん」

ベンガルの偉人・まとめ! - - 日本とも関わりの深い「ボースさん」

6月某日のヌーベルミューズのラジオでは、ベンガル人によくある苗字でもある「ゴーシュ」さんや「ボース」さんの話題になった。

そこで、ベンガルの偉人のうち、日本と関わりの深い「ボースさん」について、NAVERまとめのように、補足しておくことにした。

※カタカナ表記は、ベンガル人の発音に近いものにした。
ベンガル語は、長音はほとんど伸ばさず、スの発音はシュに、母音のつかない「ア」は「オ」寄りに聞こえ

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頭で理解するか?体で理解するか? - - インド音楽のキメ、「ティハイ」について

頭で理解するか?体で理解するか? - - インド音楽のキメ、「ティハイ」について

3度のメシより、Tihai ! Tihai ! Tihai !
インド音楽の演奏家は、「ティハイ」を考えはじめたら朝であれ夜であれとまらない。

「ティハイ」は、インド音楽のリズムテクニックとして欠かせないものだ。

前回は、とりあえず感覚的に伝えたいと思い、「さくらさくら」の最後を「ティハイ化」してみた。
「サム」(1拍目)の重要性と「ティハイ」の目的や構造について、私なりに書いてみたので、先に

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終わりは、はじまり。 ループするリズム。- - ティハイについて

終わりは、はじまり。 ループするリズム。- - ティハイについて

「じゃあ、ソロの終わりにティハイやるから、サムから入ってね!」なんてうっかりクセで言ってしまうのだが、インド音楽家でないにもかかわらず応じてくれる奏者がいるのは、なかなかありがたいことだと思うと同時に、とても便利なシステムだとも思う。

インド音楽用語で「ティハイ」というのはあるひとまとまりの完結を提示するテクニックで、「サム」(ベンガル語ではちょっと訛って「ショム」)というのは1拍目のこと。

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「タブラの楽譜ってあるんですか?」という問い。 - - リズム記譜について

「タブラの楽譜ってあるんですか?」という問い。 - - リズム記譜について

先日、『インド音楽に楽譜はあるんですか?という問い』に応える記事を書いた。記譜法も浸透はしているけど、長年口承で伝えられてきたニュアンスのようなものは、やはり口承でないと受け継がれていかないよね、という内容で。

もちろん、タブラも同じである。

私の一番初めの師匠マッラー・ゴーシュ師は、「ノートに書いたものを見て練習しても、実際に演奏するときにノートがないと演奏できなくなってしまう。まずは覚えて

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半音の切なさは、日本人の心か、インドの夜明けか - - 音階について

半音の切なさは、日本人の心か、インドの夜明けか - - 音階について

(写真は、インド古典音楽の祭典「ドーバーレーン・コンサート」の帰り道。2019年1月コルカタの夜明け。コンサートは夜8時くらいから朝6時くらいまで開催され、コンサートの最後には夜明けのラーガ「バイラヴィ」が演奏されるのが鉄板。)

以前にも書いたが、ヌーベルミューズの曲に「SAKURA」というのがあり、これは日本古謡「さくらさくら」とインド古典音楽のラーガ「グンケリ」をベースにアレンジされたもので

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「サ」は音の誕生、そして音の王様を意味する、ということ - - インドの音階サレガマについて

「サ」は音の誕生、そして音の王様を意味する、ということ - - インドの音階サレガマについて

音名というのは、国によって本当に様々。

やっぱり、イタリア式の「ドレミファソラシド」が一番知られているのだろうか。

それとも、英米式の「C D E F G A B C 」の方が世界基準だろうか。

日本式の「ハニホヘトイロハ」は、「C D E F G A B C」を日本語のいろは順に当てはめた感じだろう。

そう考えると、インド式の「サレガマパダニサ」は、コンセプト的には「ドレミファソラシド」

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「インド音楽に楽譜ってあるんですか?」という問い。 -- 記譜について

「インド音楽に楽譜ってあるんですか?」という問い。 -- 記譜について

5月某日のインスタライブ「ヌーベルミューズ・トーク」では、楽譜の話になった。

確かに、「インド音楽に楽譜ってあるんですか?」と聞かれることは多い。多くの方々にとってインド音楽は、まだまだ未知の世界なのだろう。そこで、ざっくりとではあるが、私なりに理解していることをまとめておきたいと思う。

まず、楽曲の楽譜というものは、ない。
北インド古典音楽についていえば、楽譜を再現する音楽ではなく、即興で演

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ヌーベルミューズトーク、ことはじめ。ことのことを少し知る。 - - 箏について

ヌーベルミューズトーク、ことはじめ。ことのことを少し知る。 - - 箏について

二十五弦箏とシタールとタブラのバンド「ヌーベルミューズ」で、トーク番組をやることになった。流行りのライブ配信である。前々からバンドとしての動画配信を視野にいれていこうという話は出つつも後回しになっていたところだが、とりあえず何でもいいからスタートしてしまおうと背中を押されたのは、コロナ禍があったからかもしれない。緊急事態宣言発令からちょうど1ヶ月、5月8日のことである。

さて、今やライブ配信アプ

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