のび太が教えてくれたこと

ALL YOURS（オールユアーズ）

直訳すると「全部お前のもの」である。
お前のものは俺のものでお馴染みのジャイアンもびっくりだろう。

「何だよのび太、そんなこと言うなよ！お前のものはお前のものだろ？そう言ってくれよ！そうじゃなきゃ、お前から奪えないじゃないか！」

「もういいんだよ、ジャイアン。僕のものはジャイアンのものなのだから。というか、実はジャイアンの活き活きとした表情が見たかったから、ジャイアンが欲しそうなものを持つようになったんだ。そうすればジャイアン、待ってましたと言わんばかりに奪いにくるだろ？僕はそれが嬉しいんだ。だからドラえもんには頼らず、自分自身で考えて作っているんだ。ジャイアンこんなもの欲しいんじゃないかって考えるのが楽しくて仕方がなくて。」

「のび太…」

「ごめんよジャイアン。だけどこれからもジャイアンがワクワクするようなものを考えて作るから、楽しみにしててよ。このことはドラえもんには内緒だよ。ドラえもん、すぐに便利な道具でジャイアンが好きそうなもの作っちゃいそうだから。もしドラえもんがそうしたとしても、ジャイアンが僕のものを欲しいと思ってもらえるように頑張るから。」

「のび…のび太ぁ………、待ってるからな！」

我々はジャイアンである。いつだって良さそうなものが欲しいのである。しかし本当に欲しかったものは、ドラえもんが便利な道具で作り出したようなものではなく、のび太が我々のことを考えて考えて考えて作り出してくれたものなのだ。

そう、のび太（ALL YOURS）が教えてくれた気がした。