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2020年1on1を使った組織のためのパターンを見つけていく

1on1について何かnoteに書いてみるかと思い始めたのは2019年12月の始めころ。自分のチームで1on1を始めて3年と少し。様々な形で実践し、学び、聞き、相談し、広め、伝えてきた。その中で感じているのは、1on1をやろうと決めてから色んなことが変わったなということ。これは何かの形にしたい。

でも今は1on1について様々な情報があふれている。もちろん会社でやっている勉強会や事例紹介など話をする機会はあった。あらためて自分が発信するとしたら何か。考えているとふと、昨年読んだ「読みたいものを、書けばいい。」(田中泰延著 ダイアモンド社 )を思い出した。自分が読みたいものは何だろう。

「信頼で結ばれた共同体**」
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チーム内の人間が互いに信頼しあうことが欠かせない。そうでなければ、何かをやりとげることは難しいだろう。
-  James O. Coplien (著), Neil B.Harrison (著),  和智右桂 (訳), 組織パターン, 翔泳社, 2013

何度も読みかえすたびに新しい発見があり、知識が再構築される本「組織パターン」の一文だ。この文章を改めて読んで、1on1でも信頼しあう関係、そして目的や思いを同じくする共同体であることが欠かせないよな、と改めて発見した。「そうか、これを書けばいいのか」。

今までいろんなひとに聞いたり自分で体験したり、周りの人が実践したことから、1on1がうまくいく事例をパターンとして集めてみよう。それは誰かが悩んでいたり、解決したものであるはずだ。だからこれから書く文章はまったくのオリジナルはない。むしろ、色んな人が体感してきたことが生々しく文章になっていればいい。そうして1on1が本当にどういうものなのかを知りたい人に、メンバをチームを組織を変える難しさと、だからこそそこに向き合う楽しさを知ってもらいたい。そして同時にわたし自身に向けて、1on1の意味を理解するために書かれるものにしたい。

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ところで、パターンとは何か。

パターン・ランゲージ(pattern language)はクリストファー・アレグザンダーが提唱した建築・都市計画にかかわる理論。単語が集まって文章となり、詩が生まれるように、パターンが集まってランゲージとなり、このパタン・ランゲージを用いて生き生きとした建物やコミュニティを形成することができる(Wikipediaより)

とされる。 「組織パターン」では、次のように説明している。

繰り返し発生する構造的な形で、あるコンテキストにおける問題を解決するもの。何らかの全体の全体性あるいはシステムに寄与し、美的あるいは文化的な価値を反映する。
-  James O. Coplien (著), Neil B.Harrison (著),  和智右桂 (訳), 組織パターン, 翔泳社, 2013

組織という全体に対して、それぞれのコンテキストが示す状況を解決するアイデアのリストだ。それ1つですべてを解決することはできないが、全体に対して影響を与えることができ、1つずつが疎結合になっていてひとつずつ試すことができる。あるいは今起きていることはこのパターンだ!と気づくことができる。例えば組織パターンのひとつ「(4.1.3)ぐずぐずするな」は、要件が全部集まり切る前に、確実だと思うところから開発を始める、というものだ。「すべての問題を理解する前に、ここだ!というところからまずやってみる」みたいなことは、このパターンに当たる。

昨年wowowで観た、ミュージカル「日本の歴史」(作・演出:三谷幸喜、企画・製作:シス・カンパニー)のなかで 「あなたが悩んでいることは/いつか誰かが悩んだ悩み」という曲が耳に残っている。私たちが悩んでいることは、すでに誰かが同じような悩みにぶつかっているはずだ。それに立ち向かった人がいて、その人なりのやり方で解決したかもしれない。だから自分で解決策を必死に考えるのではなく、先に悩んでいる人の行動の中にヒントが見つかるのではないか。(http://www.siscompany.com/mitani/gai.htm)

複雑性を扱うという面からもパターンは有効だ。Management3.0では、組織は複雑適応系(Complex Adaptive System)と捉えている。複雑な問題に単純な解決策を求めてもうまく対処できない。複雑性には複雑性のまま対処するべきだと。1on1も「やれば組織がうまくいく」という単純な解決策ではない。様々な施策と一緒にやっていくことが大切だ。現実の課題を複雑性でとらえ、解決策を単純な解に求めず、パターン同士の役割と関係の中で解決の道を探る。(https://management30.com/modules/complexity-thinking/)

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2020年は1年かけていろんな1on1の話を聞いてそれをアウトプットしていこう。自分の会社の中でも外でも。きっと他の人も多くのパターンを持っているはずだ。そして、パターンランゲージ自身も自分の表現の仕方として身につけていきたい。3日坊主体質の自分がどこまで続くか分からないが、習慣化がうまくいくパターンの1つは「周りの人に宣言する」だろう。なのでnoteに宣言を書いておく。
「2020年、noteに1on1についてパターンを書き続ける」
最初は「信頼で結ばれた共同体」というパターンだ。これは「組織パターン」(翔泳社)ですべてのパターンの基本となるパターンだった。1on1が組織に成果を求めるものならば、1on1でもこのパターンが基準となるだろう。

そしてもう1つの宣言は「誰かと一緒にやる」。1on1について理解を深めるためにこれまで関わりを持っていただいた方に、これから出会う方に話を聞きながら、パターンを発掘していきたい。1on1のパターンランゲージを作るワークショップとかやってみたい。ぜひ一緒にやりたいという方、ご連絡お待ちしております。

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