見出し画像

明日から別人になれない

ちっぽけさに気が付けてよかったな
強がり放ちながら確実に
打ちひしがれて重くなる体
空っぽな日々を歩いた



何も知らなかったなりの
輝きもあったのかもしれない
外の無邪気に走る笑い声に
硬く耳を塞いでいました



誰かの歩き方で
影を抜け出せる訳がなかった



明日から別人になれない
片付けたはずの部屋は散らかった
ひとつも間に合っていないのに
容赦なく朝が来やがるの


明日から別人になれない
世界は何食わぬ顔で溢れてる
君の頬の跡は泣いた後か
余ったメモリでふと考えた





不平等だけが平等だよ
始まり方は何だっていいのに
止め処ない自責が首を絞める
くだらない悲劇の味は甘いかって



ありのままがどうとか
理想の姿がこうとか
弱虫であべこべな絶唱に
耳を傾けてはくれますか



偽物が本物に
最初から勝るはずなかった



明日から別人になれない
蔑ろの日々を数えている
ないものねだりに堕ちていって
知らぬ間に時が過ぎるの


明日から別人になれない
あれほど眩しかった画面が枯れた
君も苦しかったのだろうか
否定が生んだ役は憎いな






明日から別人になれない
今日も誰かの正義を辿っている
追い抜いていく自由な怪人を見かけても
またママゴトを続けてしまうの


明日も明後日もこの先も
僕はこの仮面を手に取るのだろうか
貶して笑ってどうか愛して
愚かな君と僕の治らない矛盾を

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?