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タイBLドラマ「Lovely Writer」

主演:カオ・ノッパカーオ・デーチャーパッタナクン、アップ・プーンパット・イアン=サマン
2021年 全12話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★☆
(写真=サイトmadan.funより)

いやぁ、盛り上がりましたねぇ〜、このドラマ。
アジアBLドラマファンの各グループでは、毎週いち早くタイやフィリピンで視聴した人たちからのネタバラシ書き込みが殺到したため、管理人さん達が最新エピソード配信後24時間は投稿禁止令を出したり、投稿ブロックしたり、大騒ぎ。私も他のnoterさん達と毎エピソード観るごとにコメント交換させていただいたりしたが、Twitterやインスタはやっていないので、そちらでも凄かったんじゃないだろうか。ってまだ続いているだろう。

BL作家とBLドラマ俳優のラブストーリー

アップ演じる作家ジーンは、本当はホラーファンタジー作家になりたいのだが、たまたま書いたBL小説「Bad Engineer」が大ヒット。「Bad Engineer The Series」というタイトルでドラマ化されることになった。同時に出版社の編集長ブアからはもう一作BL小説を書くよう依頼(ほぼ命令)され、執筆している。
カオ演じるナブシブは経済学部の大学生だが、モデルや俳優もしていて、同級生のアーイ(ブルース・シリコーン・カナヌラック演)と一緒に「Bad Engineer The Series」の主役を務めることになった。

ナブシブの勉学と撮影を両立させるため、彼のマネージャーでもあり、ジーンの友人でもあるタム(ケン・パラニュ・スクサムラン演)は、ジーンにしばらくナブシブを彼の家に居候させてくれるよう頼む。いやいや引き受けるジーン、なんだか嬉しそうなナブシブ、同居するようになって少しずつ二人の距離が縮まっていくが、この先どうなる???

SibGeneのケミストリーにキュンキュン

ナブシブは最初っからもうジーンにベタ惚れの様子(これについてはドラマ中程で明らかになる)、しかしそっけないジーン。でもナブシブに近くに迫られると喉が「ゴクリ」となってしまったりして、なかなか可愛かった。最初の頃のエピソードは結構効果音などが入るが、途中からは少なくなった印象。ドラマのセリフやシーンの練習を二人でする場面など、前半はコミカルでもあり、キュンキュンさせてくれた。

しかし後半は少しシリアスな展開。ナブシブとアーイはドラマのプロモーションのため、あたかも本物のカップルであるかのように振る舞い、SNSにもそういった投稿をするように命じられる。そんな二人の様子にもやもやのジーン、でもアーイに色々と引っ搔き回されることになる。

そしてジーンとナブシブの家族も登場。ここで二人の元々の関係が明らかになる。

日本の伝統文化も登場

タイのドラマでタイの伝統なども出てくると興味深いが、このドラマではなんと日本の伝統文化が登場した!茶道と盆栽である。これはちょっとネタバレになってしまうが、ナブシブとジーンはそれぞれの両親に付き合っていることをカミングアウトして、親達と気まずい雰囲気になってしまうのだ。そこで日本文化が一役買っている!(会話のセリフは私が英語から記憶を頼りに日本語訳したテキトーなもの)

ジーンの母親と茶道
ジーンと父親の関係が気まずくなったとき、母親はジーンをある場所へ連れ出す。日本の茶室風に作られた部屋で、母親に抹茶を点ててもらうジーン。お茶を美味しくいただき、しみじみとするが(この辺作法については厳しく言わないであげて)、母が今度は自分でやってみなさいと言う。ぎこちない手つきで見様見真似でやって飲んでみるが、思わず苦くて吐きそうになる。なんでお母さんのは美味しくて、自分のは不味いのだ?!
「お母さんののほうが美味しい」というジーンに、
「自分で美味しくできるようになりなさい」とお母さん。

つまり、いつまでも人に頼らないで、問題は自分で解決しなければならないという例えなのであった。

ナブシブの父親と盆栽
盆栽が趣味らしいナブシブの父親。鉢の手入れをしながら妻としみじみと話している。
「手を掛けて手入れをしてきたけれど、そろそろ自由に成長させてやったほうがいいのかな」と父。
子供だと思ってあれこれ口出ししてきたが、大人になったナブシブに自分の好きな道を進ませてやろうと、決心した例えと言える。

スローな部分もコミカル要素でチャラ

なんだかいつも書いているが、どうも個人的にタイのドラマはテンポがスローすぎるようである。これも同時期に視聴中の中国および韓国の恋愛ドラマ(どれも普通に男女)がテンポが良く、会話のキャッチボールもスムーズで、どんどんストーリーが展開していくため、タイのはどうしてもじれったく感じてしまう。
しかし、本作は二人のケミストリーの他、コミカルな部分が多く、また女性編集長のブア(きのこ頭)やドラマの監督といった、吹っ飛んだキャラもあったし、最終話の劇中劇には大いに笑わせてもらった。「UWMA」へのオマージュも?

なので楽しいドラマだったが、欠点として挙げるとすれば、他の登場人物達のサイドストーリー。共演のアーイの背景、そしてマネージャーのタムとティフィーのストーリーも最終的にはめでたしって感じだったけれど、結構うやむやなままだった。私の記憶違いかもしれないが、このドラマ、放映&配信前は「14話」となっていた気がするのであるが、もしかしたらサイドストーリーの部分がなんらかの事情で削られたのかとも思ったり。
それにこの終わり方、前にも他のドラマであったような気がするんだけど、気のせいか?
いずれにせよ、これはこれで完結として、ぜひシーズン2は作らないでほしい。

こちらが予告編。


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