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やってみなきゃわかんないこと(LoLを例に政治の話)

こんにちは。

みなさんは、LoLというゲームをご存知でしょうか?

League of Legendsという、アメリカのRiot games社が開発したゲームです。

このゲームは、2022年現在も、世界で一番プレイされているオンラインゲームのひとつとなっています。

ジャンル的には、MOBAと呼ばれるもので、青側と赤側が、互いに徐々に陣地を広げながら、最終に敵陣地の本陣を落とす事が目的です。

左下がブルーサイド、右上がレッドサイド。
左右対称のマップではあるけども、陣地によって戦略も変わる。

昨年行われた世界大会では、最大の同時視聴数4,018,728人と、観戦自体が巨大なコンテンツとなっています。

2021 World Championship [Worlds 2021]/ 統計情報https://escharts.com/ja/tournaments/lol/worlds-2021

この世界大会の賞金総額は、$2,225,000。日本円にして、284,655,375円。
今や、e-sports界は、世界のエンタメのひとつとなっています。

日本では、マスメディアが取り上げない事もあって、まだ盛り上がりが無いように思われるe-sportsですが、ネットをメディアの中心においた層では、このLoLだけではなく、フォトナやAPEXやVALORANTなどのFPS、ストリートファイターやバーチャファイターなどの格ゲーと、今や野球やサッカーとはまた別に、当たり前にそこにあるシーンとなっています。

わたしがゲーム仲間に進められて始めた2014年頃、MOBAというゲームにまったく触れたことがなかったので、LoLの面白味を理解するまで結構な時間がかかりました。

一見するととても地味なゲーム。

FPSの様に、派手なシーンが見当たらず、何が上手くて何が下手かすらわかりませんでした。

ですが、その時に進めてくれた仲間の解説を聞きながら、名試合を一緒に見るという機会に恵まれたおかげで、その盤面に繰り広げられる奥深いゲーム性や、プレイヤーの技術の繊細さが見えてくるようになりました。

名試合を見ていると、なんだか自分も出来るような気がしてきます。

みなさんも、映画を見た後になんだか自分が強くなったみたいな経験ありませんでしたか?
そんな感じです。

ですが…

まぁ、現実はとても冷酷で、操作すらおぼつかないし、あんな神がかった動きが出来るなんて、どう考えてもおかしい…とすら思えるようになります。

ある程度プレイをしていると、操作やキャラクターの特性、アイテムの選択の優劣、ゲームの基本の大切さなどがわかってきます。

学生時代、部活に入ってみると、まずは基礎を叩き込まれますが、後にそれが大切ってことがわかってきたりしますよね。

いわゆる、やってみて初めて分かるリアルってやつです。

バイトとかでもそうですよね。

コンビニのバイトなんてレジ打ちだけで楽やん?
とか思ってたけど、実際やってみたら、客さばきも大変だけど、やるべきことはそれだけじゃない。宅急便とかチケットの対応とか、たばこの銘柄を覚えたりとか、お金の細かい扱いとか、やってみないと見えてこない苦労ってのがあったりしますよね。

仕事も然りです。

就職するまでキラキラ輝いて見えていた仕事も、実際やってみたら、実は大量の地味な作業の氷山の一角だけがキラキラ見えていたとか、上司とのしがらみとか、やりたい部署につけなかったりとか、仕事というよりも、社会的な営みの方が大半を締めていて、理想とはかけ離れてた…みたいな。

まぁ例として適当じゃないけど、LoLだけじゃなくて、物事ってのはなんでも覗き込むと奥深い世界があるのに、表面だけ見てあーだこーだ言ってる人の浅はかさを垣間見ることがあります。

ちとLoLに話を戻します。

LoLには、ランクという制度があります。
ランク戦に勝てば勝つほどランクが上がり、いわゆる権威が上がっていきます。
高いランクほど強いプレイヤーと試合になるので、難易度も上がってきますが、このLoLは、5人vs5人のゲームなので、味方にも必然的に強いプレイヤーが並びます。

ですが、基本的に自分以外は知らない誰かを、ランクによって振り分けられるスタイルなので、どうしても下手な人や、ランクを詐称した人、試合途中でブチギレて回線抜いちゃう人など、負ける原因が自分以外になる可能性があります。

いわゆるギスギスってやつですね。

なので、自分の力だけではどうしようもないシチュもあったりして、それで辞めちゃう人もいます。キラキラ輝いて見える世界の裏には、そういう苦労や苦悩がたくさんあったりするのを知らしめられます。


そして、このLoLには、ミクロとマクロという概念があります。

ミクロとは、小さいという意味からわかるように、プレイヤーの個人技や理解度を含める知識を指します。

マクロは、逆で、チーム全体の連携や、ゲーム全体の戦略や、時と場合の戦術の知識を指します。

どちらが欠けても負けにつながる要因になるので、いかに反射神経が良くて、個人技に長けていても、チームの動きと上手く連携しなければなりません。

よくあるパターンで、お前らはゴミなんだから、俺に合わせやがれ!というプレイヤーが、盤面を引っ掻き回して負けるというのがあります。

確かにその人の個人技は上手いんだけど、ゲームの仕様上、1人で5人を相手には出来ません。瞬殺されます。
運良くその時はさばけたとしても、目標の敵のネクサスを破壊するまで何度もそれを続けられるというのは稀です。

つまり、自分だけの考えを押し通すことは、このゲームでは悪手でしかなく、そういうゲームがしたかったら、オンラインゲームじゃなくて、一人でやるゲームやってろや…と言われてしまいます。

仲良くやればいいというわけでもなく、どれだけ理解度が高いかによって、大きく勝率が変わってきます。

とはいえ、頭の中ではわかっていても、実際にプレイしてみると…冷静な判断や、とっさの行動、臨機応変な立ち回り…
なかなか出来ないわけです。

ゆえに、第一線で活躍するプロプレイヤーのすごさというのがどんどんわかってきて、プロの試合を観戦するのがさらに楽しくなってきます。

実際に、自分がやってみたからかわかってくるんですよね。

LoLに、自分を全部かけてるプロが、壮絶な苦労や苦悩を超えて、神プレイが出来ることを。


LoLの試合観戦には、数万人が普通に集まります。
本場はTwitchという配信サイトで、そこではユーザーのチャットをリアルタイムで書き込めるスタイルです。

そうなるとやっぱり、心無い書き込みをする人もいます。
んが、敵チームをバカにしたりする人は少なく、基本的に選手に対する敬意が感じられます。
リスナー同士で争ってることもありますが、まーみんな慣れてるのでブロックされるだけすね。
なので、比較的温和なチャットになっています。
スベってるのも多いけど。

もし野球観戦を、同じスタイルでやったらどうなるでしょうか?

偏見を大いに含みますが、なかなかの光景が見える気がします。
もちろん野球を球場で観戦をされている方々の礼儀正しさや、熱心さとは別の話で、ネットでの話として。

この違いには、実際に自分がプレイした事があるか?ってのに、大きな影響がある気がします。
野球ってリアルに18人集まって球場借りてやんないとだし。

少しでもやってたら口に出せないことまで、見てるだけの人は出てしまいがち。

現場を知っている人しかし知らない事を無視して、表面だけに見える薄っぺらい知識や浅はかさが、そのまま自分の恥を晒す真似に直結しているわけです。

逆に言えば、だからこそ、簡単にそんな軽はずみな事が言えるということでもあります。

「そんなもん、わいだったら楽勝だわ」

的な。


さて、ここからは政治の話になります。

日本では、学校教育で政治についてほとんど学ぶことはありません。
学ぶことと言えば、仕組みです。
三権分立とか、主義の種類とか、何歳になったら選挙権を得られるか?とか。

そもそも、政治とは?という事を深く考えることもありません。

むしろ、日本はダメな国だ!この新聞を読め!と、明らかに偏った思想を押し付けてくる教師まで実在する始末で、なかなかの香ばしさをただよわせています。

まぁ、これも当たり前で、変に賢くなられて、いらんことを言い出すやつを生み出すより、何も知らずに選挙にいかず、マジメに税を収め、法を守って静かに暮らす国民であった方が、得になる仕組みなので、あんまりいろいろ探られない方がいいわけです。

投票率が低ければ低いほど、強い地盤を持った人が当選できます。
とはいえ、これもなかなか合理的でもあって、代々受け継がれる地盤を支えている地域の有力者達にとっては、いきなり仕組みを変えられてしまうと、その地域のそれまでの「安定」が脅かされかねません。
特に地方では、地域それぞれ独特のやり方が続いているので、それに連なる仕事とかを受けている人たちに多大な影響を与え、ひいては地域全体のマイナスになりかねない。

ただ、その選択をするのもその地域の人達なわけで、民主主義に則った上での選挙で決まったことなので、結果どうであろうとも、その地域の人達の問題なわけです。

国政も同じで、2008年の民主党政権時にどうなったかがそのままです。

その負の遺産を解消するのに10年以上かかり、未だ引きずっていたりします。

その民主党政権を作り出したのも国民です。

マスコミ総出で政権与党たたきをして、道端でもお灸をすえなきゃな…って話が聞こえてくる。

なぜ民主党政権になったらヤバいとわからなかったのか?

それは、政治の表面だけ見て判断したからに他なりません。

あの時の最大の問題は、「埋蔵金」だったと思っています。

みんな、コロッと騙された。

みんな、使ってもいい「特別会計の余剰金」という聞いたこともない謎の言葉を信じた。

マスコミも煽り立てた。

マニフェストという言葉にも踊らされた。

マニフェストという聖書に載っているんだから必ず実現させるだろうと。

高速道路の無料化とか、どう考えても無理な事が、世間では可能であると信じられていました。

だって、埋蔵金あるから。

とはいえ、過去を嘆いていても仕方ないので話を進めますが、中途半端に政治をわかった「フリ」をして、あーだこーだと口をはさみたくなる気持ちはわかります。
自分もそうだった。

最近でいうとこれ。

岸田首相、ウクライナ資金協力を6億ドルに倍増…「ニーズに対応しなければ」

「国民がこんなに困ってるのに外国には金をポンポンあげちゃうのね…」

というツイートが飛び交いました。

これ、そもそも「あげる」とかどこにも書いていません。

あくまでも借款です。

借款とは、国際機関と国家間または、それぞれ異なる国家の政府や公的機関間における長期間にわたる資金の融資のこと。日本では、「クレジット」とも呼ばれている。英語における正しい表記は「ローン」である。また、政府と関係の深い民間の金融機関や企業が借款の貸し手・借り手となる場合もある。

借款 - Wikipedia

貸すだけですし、しかも返してもらう時には利息付きで返ってくるのでプラスにしかならない話です。

こういうツイートをしてくださる人もいます。

簡潔にわかりやすいですよね。

これを見て「あー…なんだ、勘違いだったか…」

と、安心できるありがたいツイートです。

んが、実際は「また岸田が金ばらまきやがった!」とミスリードに踊らされ、拡散し、収集がつかない状態です。

つか、ばら巻けるわけ無いでしょ…
財務省がそんなこと許すわけがない。
選挙前のあるあるミスリード記事ですよ。

でも、マスコミやSNSのタイトルだけが踊りだし、表面だけ見て政治を語る人たちの、キラーチューンになっています。

先に挙げたLoLもそうですが、やってみて初めて分かるレイヤーが存在します。
そもそも政治は政治家だけのものではありません。
政治家は、今よりもより良い政策を作り、それを議会で通すのが仕事です。
政治に関わるということは、選挙に行くこともそうだし、関心をもつことから始まります。

ですが、ミニオンのラストヒットを取ることも知らず、エルダーが簡単に取れるのにトップでファームしてたり、キレてスプリットプッシュしに行って死んだり、まぁ自分勝手に自分の感覚で、政治とは社会の構造と考えずに、自らを良くしてくれるサービス機関とすら思っているフシがある。

国民はお客様じゃないし。

まぁ、そこまで考えていなくて、きっとこれまでワイドショーを見ながら、テレビに向かって「このクソボケが!」と言っていた人たちが、ターゲットを芸能人から政治家に移して、それまでひとりでボヤいていたのが、SNSに降臨してきて、公衆の面前で罵倒するようになっただけの人も散見しますけどね。

まぁ、それなら趣味の範疇でいいと思うのですが、結果それが世論を揺り動かしかねない程になってるのもまた事実。

あの民主党政権と同じことが、起ころうとしています。

この記事をLoLプレイヤーの若い世代が見ている可能性はほぼないと思いますが、日本の政治って、こんなにお粗末でもなんとかなってるんですよ。


LCKやLPLがなぜ強いか。

それは、環境です。

シンプルにプレイヤーも多いし、関心度も理解度も高い。

人種的な違いはそこにはありません。

子供の頃からネットカフェで揉まれて、競争することが当たり前の韓国社会で、LoL強かったということに他なりません。

ノクサスやゾウンで育ったチャンピオンと、デマーシアやピルトーヴァーで育ったチャンピオンが違うように。

日本の政治の環境は、世界と比べても、超絶にゆるふわで、それでもなんとかなる、自由と公的福祉のバランスの取れた、理想的なものです。

んが、それもまた表面的な見え方。

それを支えている、というか、だからこその理由として、アメリカの実質の属国であるというのがあります。

まるで、美しく彩られた水槽におよぐ魚のように。

まぁ、これもまたうがった目線のひとつで、実際はもっとアメリカとバチバチしてたりします。いい意味で張り合ってます。

とはいえ、知れば知るほど、政治の奥深さや、その重要さ、知らなければならないという必要さ、そして、案外知ってみるとおもしろいという楽しさ。

どうせ一生付き合っていかなきゃなことなんだから、趣味の延長線上として、もうちょっと踏み込んで知ってみようかな?くらいから。

とにかく今は、国民の関心が足りない。

中途半端にハマってる人たちが、わかったフリしてトゲトゲした言説を振りまいてたりして、あんまり良くない流れもあったりします。

LoLで言えば、ブロンズの魔境にハマって、味方が悪い!自分は強い!と言ってる人たちの様です。

そうならないためにも、ラストヒットの取り方や、ミクロマクロ、ワードの置き方、プロの試合をプロの観戦付きで見る、とか、いろんなやりかたありますよね。

政治も同じ。

まずは基礎から。

わたしは、まずは、学問のすゝめを読むことをオススメしています。

よかったら是非。


それでは、また。


あ、動画版もあるよ。


ありがとうございます! 支援はすべて本に変わりまする。