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鎌倉殿と光る君

2022年5月16日
 ブログより転載
 2024年の大河ドラマの知らせを受けて、こんなことを言っていました、という記事です。


 今年(2022年)の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。
 いろいろと面白いなあと思う現象もありますが、今年最も目につくのは
「中世日本のカオスにドン引きする人々」
 ですね😅

 いちおうは律令国家の建前とはいえ、実際には藤原氏だったり院政だったり平家だったりの「独裁」体制。現代のわたしどもが考えるような「法治」概念にはほど遠い。
 いわば、権力者のご意向次第で「なんでもあり」。

 なんっつーいい加減な。なんという乱暴な。
 と、開いた口がふさがらないという様子を、Twitterではよくお見かけします。

 なに中世どころか、近世(江戸時代)ですら、わたしどもからみれば「ひでエ……」と思うわけでして、まして平安時代(末)なんてものはね(笑)

 武士独自の行動を規制する法律自体がないし、そりゃ(結果的に)デタラメにもなりますわ。

 とはいえ。

 興味深く思うのは、そういう感想が今回はとにかく多いということ。

 鎌倉時代、鎌倉幕府開闢の時代が大河ドラマ等に取り上げられるのは決して今回が初めてということではありません。
 がしかし、ここまで視聴者の皆様が「ひでエ……」と思わず漏らしているのは初めてみる気がします。

 ということは今回の「鎌倉殿の13人」、ドラマだからと甘えることなく、「当時のリアリティ」を現代人に、ちゃんと「そのまま」伝えている、と言えるのかもしれませんね。
 当時の「空気感」が伝わる、というのかな。

 井沢元彦さんが「日本史上初の “アイドル” 」と評した九郎義経が、なぜ満足に兵を集められなかったかについても、彼をアイドル視しているだけではわからない視点がさりげなく、でも冷酷に入り込んできましたしね。
 兵たちから見れば彼は「恐怖のブラック上司(指揮官)」であり、あんな奴が上にいたら命なんていくつあっても足りない、と、恐れられ、嫌われてもいたという指摘、「もっともなことだなあ」と思いました。

 主君と家臣という関係は希薄だし、ましてそこに忠義なんていうものはない。
 中世の「混沌」がここにも顔を出す。

 それがこのドラマに深い陰影を与え、つまりは「立体感」になり、視聴者を惹きつけ——そしてドン引きさせる(笑)

 脚本も含めて、いいチームワークで動いているドラマなのだろうと思います。
 このドラマもそろそろ折り返し。
 大泉=頼朝さんを拝見できるのもあと少しかな〜。
(彼亡き後は過酷さはさらに増していく。覚悟しよう)

        ●

 なんて言っていたら再来年の大河ドラマ、なーんと! 中世も中世、源氏物語が執筆された時代を舞台にすると聞いてびっくり。

・《大河ドラマ第63作》制作決定!
主演・吉高由里子 作・大石 静 大河ドラマ「光る君へ」


 派手な合戦もなんもない時代で、大丈夫ですか?! と、さすがにわたしも心配になりました。

 なんせ大河ドラマのファン(?)には変な人たちがいて。
 主人公が女性だと聞いただけで「怒る」んですよ。井伊直虎のときはそれで悪口を言うのに夢中になりすぎて、余計なことを言いすぎて、小和田哲男先生にみっっっっちり叱られていましたけど。

 またあーゆー変なマッチョ野郎がTLに湧いて出るんだろうなと思っただけで既にウンザリだったりして😅

 ともあれ、「平安時代だからって、華々しい(戦闘)場面がないと思ってはいけない!」と言うお話がございました(笑)

・次回の大河ドラマが『平安時代』と聞いて「戦闘シーンが無いんじゃないか」とお嘆きの諸兄にオススメの本」があるらしい→「血湧き肉躍る大河間違いなし」『殴り合う貴族たち』
2022/05/13 togetter まとめ

 実際がどうなるかはもちろん全然わかりませんが、ともあれ、面白そうなので私も早速「殴り合う貴族たち」キンドル版をDLして読書中です。
 
 冒頭で申し上げましたように中世は「混沌」ですから——何が出てくるかわからない、とは言える気がします。
 
 

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