【創作大賞感想】《愛玩の君》を読んで。
まずは一話。読んでください。そうしたら私の感想を読んで頂ければ、有難き幸せ。
セロファンって知ってます?セロファンテープとは違いますよ。ほら、あの参考書何かで赤い字を隠す赤透明のシートってあったじゃないですか。アレの透明バージョンを想像して頭の片隅に置いといてください。
私ね、妖怪が好きなんですよ。そこでですね、妖怪とか怪異とか形の無いモノの出現条件について私なりの考えがあります。ここでさっきのセロファンを取り出してください。
例えば河童の噂やらが人から人へ伝わりますよね。その度にセロファンに薄くて淡い河童の絵が描かれて重ねられます。一人の影響力ってしれてるでしょ。だから薄いし、淡いんですよ。
そして一人一人が思い描く姿ってちがいますよね、だから重ねられる毎に河童の形が段々と歪になります。それが重なって、重なって、無数に重なっていくと、歪で恐ろしい姿ができあがります。
閑話休題
さて、話を小説に戻しましょう。
小説もセロファンのイメージ。妖怪や怪異と違うのは、小説とは設計図であると言うコト。作者が書いた通りに登場人物、建物、食べ物、車や空なんかが配置されて、時には動き時には消えたりする。そして、最後に出来上がった一枚の絵は個人差はあるもののある程度同じ景色が出来上がっているでしょう。
ここでやっと私の小説仲間、静森あこさんが書いた《愛玩の君へ》が登場します。
まずは男と女をあなたの頭の中のセロファンに描き込んでください。そこからは、友人、夢、建物や呪いをあなたなりに描きこんでください。作者の静森さんによって設計された物語を味わえるでしょう。そこからあなたにとって好きなシーンが見つかるはずです。
最後にネタバレにならない範囲で、この小説の好きな設定を(それっぽく)発表します。
『人を呪わば穴二つ』と申しますが、呪っている所を見るだけでも呪われるらしいですよ。お気をつけください。
今、あなたのセロファンは何色で、誰が立ってい、話をしていますか?
ほら、もう2話が読みたくなったでしょ?
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