独り言①

なんでも、は言い過ぎかも知れないけど、それでも出来る限りなんでも、私がやりたいと言えば、叶えてくれた。
私が欲しいといえば、ちゃんと考えて答えてくれた。
「色々やってみて、やりたいことを見つければいい」いつか、いつだったっけ、言われたこと。
そか、私は自由なのか。なんでも選べるんだ。
持てる力を全部使って、何かを求めていいんだ。
そう思った。私は幸せ者なのだと。

背中を追ったことがある。
私の持てる力とは、違う道を歩む人の。
追えない、追わないと決めた。
これは私が決めたことだ。

自分がやりたいことを見つけようと思った。
大学で色んな事を学んだ。
力にはなってないかも知れない。
頑張らなかったかも知れない。
それでも
これは、私が決めたことだ。

ずっと考えてる、この先、生きる意味があるのかどうか。やりたいことがない私が生きるに値するのか。

親が決めたこと、親の言う通りにして生きて、いじめられた人を見た。苦しそうな人を。
自分で「こんな道は嫌だ」と言って踏み外した、自分の意志を持って外れた人を。
私もそういう人生だったならば、少しは意志が持てたのだろうか。全てを悟って諦めるまでの時間が少しは稼げただろうか。

これは、ひどい。私はひどい人だ。
他人の不幸を見て、それを羨ましがるなんて。
自由を手にして、意思のないまま放たれて、結局「生きる意味とは?」って踏みとどまる。
それなのに、これまで苦しかった人が、意志を持って私の先を行く。
これじゃうさぎと亀だ。

私だって、怠けてたわけじゃない…。

と、思いたいけど、追い抜かされているのは、きっとそういうことなのだと、「誰か」が言う。
その誰かが、誰であろうとも、事実。紛れもない事実だ。

頑張る、頑張る理由が見当たらない。
糧がない。明日への、死への、恐怖を糧に出来るほど、この先の未来は安くはない。
意味が分からない。死にたくないから生きるなんて。二択しかないなんて。
みんながこの二択の中で、無意識のまま「生きる」を選択する。それが「当たり前」だから。

手っ取り早い方法が目の前にあると言うのに、躊躇う理由が「怖い」だけ?
そんなに目の前の包丁を刺すのが怖いのか。
想像を絶するほどの痛みが、…「それくらい」のことが、?

嘲笑ってみる、震えた声で、本当は怖くて仕方がなくて、「それくらい」で片付けられないほど泣いているのを、知っているのに。
僕は怖がりなんだ、小心者なんだ、…生きづらくてしようがない。

そんな僕を説得したいから、僕だけが僕を決心させ得るから、最大の難問を考えてしまう。
「生きる理由は?」もうくどいほど聞いた問いは、もう聞こえないフリをしたらいい。
そしたら、明日を生きる「みんな」に少しは混じれるから。そうやって気楽に生きたらいいんだ。本当は。

そんなことができたら、楽観視できたらどんなにいいか。
…ああ、またみんなを悪者にしてしまった。
違う、僕が悪いだけなんだ。本当はみんな、何かしら悩んでることくらい、わかってたのに…。
どうしたって自分中心になってしまう。

もう面倒だ、って投げた方がいいの?
じゃあ、私はどうすればいいの?


追記
ここで言う、「みんな」は皆さんのことではありません。私の身近な人でもありません。