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Billboard Top40を振り返る。    1980 86th SuperTramp 'Take the Long Way Home'

ロックの名盤いろいろあれど、と言うのは簡単ですが、名盤なんて毎年出てきますし、そのために昔のバンドの作品はどんどん忘れ去られる運命にあるのでしょう。だけど、ところてんのように押し出されるようなことになっても、消えてほしくないアルバムってあるんですよね。

このSupertrampのBreakfast in Americaは間違いなく名盤でして、いつまでも皆さんに楽しんでほしいなあ、って思う作品です。曲の良さと、チャートの順位が釣り合った、ロックの世界ではまれな存在だと思います。

彼らも元々はイギリスのバンドで、大西洋を渡ってきた人たちですね。70年代の半ばからアメリカのチャートに出てくるようになってきたのですが、ポップでありながらも捻くれた、でも親近感を感じる軽妙なメロディの曲が多くて、聴いてて楽しいんです。このアルバムは1979年発表で、この曲は第4弾のシングルとしてリリースされました。他にも名曲ぞろいのアルバムなのですが、この曲だっていいメロディです。そうか、このアルバム1979年だから、1970年代のチャートも振り返らないと、このアルバムを取り扱えないんですね。これは1970年代もやらねばなるまい。

なんといっても、ジャケットがいいんですよ。このジャケを見ただけで各曲のメロディが頭に浮かんできます。マンハッタンと自由の女神像を皮肉っぽく模しているのですが、強烈な印象がありますよね。また楽しくなる話があって、このおばさん、リピーおばさんという名前なのですが、バンドとは全く別に、プロモーションだけで来日したことがあるようですよ。Breakfast in Americaのプロモビデオにも出ていたと思うのですが、それ以外にも活躍していたんですね。おおらかな時代ですよね。

曲自体も素晴らしいのですが、とにかく家に帰りたいという内容の歌詞も意味深ですね。’The long way home’なんで、特定された帰り道のこと言ってますよね。アメリカへ渡ってヒットを何曲も飛ばしているのに、家に帰りたいという歌なんて、やはり皮肉が詰まっているように感じます。特にAnd then your wife seems to think You're the furnitureの部分って、どういう解釈すればいいんだろう。家に帰りたいけれど、家具の一部としか見なされなんいんだぜ。

Roger Hodgsonの作品ですけれど、Voice of Supertrampともいえる彼自身、もっと評価が高くてもいいよな。もっと多くの人に聴いてほしいと思うミュージシャンです。

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