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billboard Top40を振り返る。 1980 90th Neil Diamond 'September Morn'

Top40のチャートにも歴史ありですが、かのFrank Sinatra直系のシンガーといえば、彼になるのでしょう。この曲もBroadwayのショーの雰囲気を漂わせる大げさ加減が良いですね。歌い方も重厚です。眉毛もかっこいいです。

名前のDiamondですが、さすがアメリカの自信に満ちたシンガーらしく名乗ってるのだな、と思っていたのですが、どうやら本名のようですね。びっくりしましたよ。自分の本名がダイヤモンドか。日本語だと黄金次郎とか、金剛石太郎と名乗るようなものですよ。それこそ昭和のプロレスラーみたいですよね。

さて、1980という時期にもこういった曲に居場所があったということが面白いんですよね。できれば1970年代も遡って聞き直したいのですが、ディスコブーム、ニューウェーブが荒れ狂った印象の強い1970年半ばから後半を経験した後にですよ、こういった50年代、60年代を想起させるような王道の曲がポンとチャートに入るんですよね。

この1980年というのは、大統領選挙があって、民主党のカーター大統領と共和党のレーガン氏が立候補して、レーガン氏が選ばれた年です。そう、保守側に回帰したんですよね。70年代のアメリカもベトナム戦争の終結(実質敗戦ですよね)や、ウォーターゲート事件、カーター大統領の時代のイラン革命と政治を揺るがす大事件が多かった時です。政局も決して安定していたとは言えず、フォード大統領の時代には大統領暗殺未遂事件も起きたようです。

アメリカの社会や歴史に詳しいということはありませんし、当時の社会風俗だって調べようもないかもしれないのですが、強い国家を信奉する国民性といわれる、アメリカ人ですからこうした混乱の後では、保守に回帰する傾向が強まったのかもしれません。

これはもちろん推測ですので、いい加減な意見でしかないのですが、例えばこうした当時の社会の雰囲気、世俗の考え方というのが、Top40というものにも反映されている可能性は高いと思うんですよ。アーティストだって、その時々の空気を読んで、作品を作るはずです。こうしたものを少しでも読み解いていくことができたら、それこそ面白いでしょうね。


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