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伊勢土産で弁当作ってみた 〜家に帰っても、ワーケーションは続くよ、どこまでも〜

毎朝、子供の弁当を作る。2年前、長男が小学校に入学して以降、それが朝のルーティンになっている。決して料理が得意というわけではない。しかし、少なからず育児に関わってきた自分としては、子供が小学校という新たなフェーズに足を踏み入れると同時に、自分も何か新しいことをやってみようと始めた試みだ。出張など、物理的に不在の場合を除いて、ほぼ毎日弁当を作っている。その中で気付いたことは、パパはパパなりに、ママとは違う角度から“食育”に関われるということ。例えばママがお弁当を作るとき、きっと栄養バランスを考えつつ、いかに美味しく、早く、安く作るかに焦点を置くことが多いはずだ。しかしパパは違う。平気で高い肉を買ってきたり、一回使ったら一生使わないんじゃないかと思われるスパイスを買ってきたり、無邪気な子供のリクエストに本気で応えたりする。そう、パパたちは、何かそこにストーリーを作りたがるのだ。


そんなわけで今回の伊勢市クリエイターズ・ワーケーションで、これまでの弁当作り生活で初めて1週間も間が空いた。しかし、ただサボるというのも気が引ける。そこで、伊勢市で買ったお土産で1週間お弁当を作ってみようと思い立った。さらに滞在中に食した伊勢のソールフードを自分なりに再現してみたりもした。伊勢市での滞在記ならぬ、その後も続いた我が家の伊勢市ストーリーを、僭越ながら、紹介したいと思う。


まるよしの松阪牛しぐれ煮弁当

伊勢のお土産の大定番といえば、お隣の松阪市を発祥とする超有名ブランド牛肉、松阪牛だろう。おかげ横丁にも名だたる三重の名店が軒を連ねているが、中でも『まるよし』は、商品バリエーションも豊富な上に、その良質なクオリティで高い人気を博している。今回、『まるよし』ではたくさんお土産を買った。まずはその中で、お弁当のおかずにはもちろん、大人の酒のつまみにも最適な『松阪牛しぐれ煮』を紹介する。

しぐれ煮は生姜を効かせつつ、醤油や砂糖などで甘辛く煮込んだ牛肉。なんと言ってもごはんとの相性が抜群。個人的には『唐辛子入り』が絶対好みなのだが、主役はあくまで子供の弁当用、辛味の入っていない通常版を購入。真空パックで開封後そのまま食べられるが、湯煎するとより美味しい。

そして、この日のデザートは、帰宅後の翌日にしかできない『赤福』の2個入りといちごのセット。いちご大福が大好物の長男にとっては、夢のようなコンボだったはずだ。

<まるよしの松阪牛しぐれ煮弁当>

・まるよしの松阪牛しぐれ煮

・ごはん

・鶏肉つくね

・だし巻き卵

・ピーマンと昆布の和物

・プチトマト

 

 

伊勢せきやのあわびごはん弁当

こちらもおかげ横丁で購入した『せきやのあわびごはんの素(3合用)』を使った炊き込みご飯の弁当。薄切りにしたあわびやその他具材と自慢のたれ&出汁がセットになった商品だ。前日のうちに洗った白米に浸し、朝7時に炊き上がるようにセット。ちなみに我が家では、炊き込みご飯は3合炊いてしまうと、だいぶ余ってしまうので、いつも2合にしている。パッケージ裏に2合の場合の調理方法も記載されていたので一安心。

しかし残念ながら小学2年生には、まだあわびの美味しさは理解できず。「鶏五目の方が良かった」と言われてしまったが、まあこの味のうまさをわかるにはもう少々時間がかかるだろう。そういうものだ。

<伊勢せきやのあわびごはん弁当>

・伊勢せきやのあわびごはん(炊き込みごはん)

・鶏の塩焼き

・卵焼き

・ほうれん草のおひたし

・ミニトマト

・昆布


まるよしの松阪牛ビーフシチュー弁当

昨年の冬、自分と長男の中でブームになったのが“あったかい汁物弁当”である。最近の保温容器は大したものだ。使用直前に熱湯で温めておけば、その保温性はより高まり、朝作ったものが昼ごろまで“あったかさ”を維持できる。豚汁にクリームシチュー、さらにはトックやクラムチャウダーなども挑戦した。そして今回は松阪牛ビーフシチュー。こちらも名店まるよしのレトルトパックを購入。

使用している容器は『サーモス』の断熱スープジャー。容器の形状もあり、見た目はあまり華やかではないが、その機能性は十分。自分が子供の頃にこのクオリティのものがあれば、もっと弁当が好きになっただろうな、と思う。

ちなみに合わせはバターライス。さすがにガーリックライスだと香ばしすぎるだろうということで、さっとバターで炒めたごはんをセットに。

<まるよしの松阪牛ビーフシチュー弁当>

・まるよしの松阪牛ビーフシチュー

・バターライス

・マカロニサラダ(市販)

・スクランブルエッグ

・ミニトマト



お伊勢屋本舗のあおさのり佃煮弁当

なぜ子供はあんなに海苔が好きなのか。ごはんはもちろん、焼肉屋の韓国海苔、そして我が家では『海苔トースト』も人気だ。そして今回、長男だけでなく海苔好きの次男に大好評だったのが、伊勢フーズの伊勢湾産あおさのり佃煮だ。あおさだけあって、色は黒というよりも深い緑。しかし味はしっかり甘く、子供には食べやすいようで、おかわりし放題だった。

ちなみにこちらの商品、メーカーは『伊勢フーズ』だが、販売しているのはおかげ横丁の『お伊勢屋本舗』だけのようだ。1瓶しか買わなかったので、我が家では瞬殺だったが、また次回伊勢に行った時は買おうと思う。

<お伊勢屋本舗のあおさのり佃煮弁当>

・お伊勢屋本舗のあおさのり佃煮

・ごはん

・照り焼きミートボール

・鶏ささみ揚げ(市販/昨晩の残り)

・ほうれん草のサラダ

・ミニトマト


まるよしの松阪牛ハンバーグ弁当

今回、3度目の登場、『まるよし』。人気商品のひとつでもある松阪牛100%のハンバーグ(冷凍)を使ったこれまた贅沢な弁当。ひとつひとつ手作りで、肉の食感にこだわったハンバーグは、なによりも柔らかくて食べやすい。そして1個のサイズが結構大きい。弁当のことしか考えてなかったので、買ったのは1パックのみ(しかもパッケージを撮影し忘れた)。よって、少食の長男には2/3を弁当に入れ、残りは自分の腹の中にしまうことにした。上記のハンバーグの形状が変なのは、そのため。  

<まるよしの松阪牛ハンバーグ弁当>

・まるよしの松阪牛ハンバーグ(冷凍・たれ付き)

・ごはん

・にんじんとコーンとほうれん草のバターソテー


岩戸屋の伊勢焼うどん弁当

伊勢の名物といえば『伊勢うどん』。太く柔らかい麺に醤油ベースの少なめな汁でいただくうどん。これまでに弁当で“うどん”はやったことがあったが、太麺となると、結構ぱさついてしまうのではないかと思っていたところに、“焼”の文字。こちらもおかげ横丁にある老舗、『岩戸屋』のオリジナル商品。伊勢うどんならではのもちもち極太麺と香ばしい醤油の香りがたまらない。

二人前=二食分が麺もタレも別々になっているので使い勝手が良い。フライパンひとつで作れるのだが、極太麺は切れやすいので、麺だけは事前に鍋で2〜3分茹でておくのがおすすめ。具材は豚肉とにんじんと鰹節とシンプルに。 

<岩戸屋の伊勢焼うどん弁当>

・岩戸屋の伊勢焼うどん(1食分)

・具材:豚肉、にんじん、最後に鰹節


モリスパインスパイヤード弁当

ここからは伊勢滞在中に堪能した伊勢のソウルフードにインスパイアされた弁当を紹介する。まずは1970年創業の『喫茶モリ』の特性スパゲッティ、通称『モリスパ』。ケチャップベースの甘いソースがクセになる一品。鉄板で提供されるので最後まで熱々だが、さすがに弁当でそれを再現するのは難しく、溶き卵の再現はできなかったが、甘めに作っただし巻き卵のスクランブルエッグ風を下にしいた。あとは赤ウインナーがあれば良かったが、見つからず普通のウインナーで対応。

<モリスパインスパイヤード弁当>

・ココナッツオイルをベースにケチャップとオイスターソース、味噌ソース、はちみつで味付けしたナポリタン

・具材:豚肉、ソーセージ、グリーンピース

・下にだし巻き卵の薄焼

・最後にパルメザンチーズを振りかける


まんぷく食堂のからあげ丼インスパイヤード弁当

1975年の創業時から学生たちの腹を満たし続けてきた『まんぷく食堂』の看板メニュー、からあげ丼。秘伝のタレに漬け込んだからあげと甘辛いタレが半熟卵と一緒に白米の上で踊る、ヤミツキ必須のソールフードだ。しかし弁当での再現なので、こちらも半熟卵は難しく、別途スクランブルエッグで対応。からあげは前の晩におろし生姜と酒と溜まり醤油で漬け込み、一旦揚げた後、別途照り焼きソースを作り、そこに絡ませた。アクセントの白胡椒を少々。

<まんぷく食堂からあげ丼インスパイヤード弁当>

・鶏肉はおろし生姜、おろしニンニク、溜まり醤油、酒で漬け込む

・漬け込んだ鶏肉に片栗粉をまぶして揚げる

・揚げた後に醤油、みりん、酒、黒砂糖で作った照り焼きソースに絡める

・白だしを入れたスクランブルエッグ

・白胡椒(少々)

キッチンクックのドライカツカレーインスパイヤード弁当

伊勢の地元メシとして名高いキッチンクックのドライカレーにインスピレーションをもらった弁当。キッチンクックのドライカレーはドライカレーの上にカレーをかけるというやんちゃスタイル。さすがに弁当でカレー別盛りはハードルが高く、今回はドライカレーに薄めのカツをのせてみた。ドライカレーが想像以上にスパイシーで、あまりすすまなかったそうだが、カツとたまごはたいらげてくれた。

<キッチンクックのドライカツカレーインスパイヤード弁当>

・ドライカレー具材:鶏肉、たまねぎ、ごはんにカレースパイス

・豚肉の薄切りロースカツ

・スクランブルエッグ


食は旅の醍醐味のひとつ。その余韻を(半ば無理やり)子供と共有する。そんな楽しみ方も悪くない。何よりも、学校から帰宅した長男と、「これはね〜」とその食べ物のストーリーを語る時間が愛おしいのだ(長男にとってはいい迷惑かもしれないが)。

引地 海(Hikiji Kai) 編集者/メディアクリエイター

https://kaihikiji.com/

【滞在期間】2023年2月26日〜3月5日

※この記事は、「伊勢市クリエイターズ・ワーケーション」にご参加いただいたクリエイターご自身による伊勢滞在記です。
伊勢での滞在を終え、滞在記をお寄せいただき次第、順次https://note.com/ise_cw2020に記事として掲載していきます。(事務局)