<伊勢滞在記>田村 有紀(Tamura Yuuki)

「おかげさま」の精神がそこかしこに感じられる町、伊勢市。

わたしは伝統工芸の職人!
伝統工芸品 「尾張七宝・七宝焼」の窯元の娘でゴダイメ。
田村七宝工芸 田村有紀(たむらゆうき)です。

今回のワーケーションがとても有意義な時間を過ごさせていただいたので、Youtubeにログをまとめます。普通に観光することもしましたが、主に一人旅ならではの内省に時間を使いました。滞在後の制作活動に生きています。
伊勢に出会えて本当によかった。

■Youtube「ゴダイメちゃんねる」
まずは二見浦編。
ゆるゆるだし無知な観光客な雰囲気の田村ですが、ご容赦ください。

Youtubeだけでなく、伊勢関連の制作物も今後アウトプット予定です。

■伊勢観光、おかげ横丁の食べ歩きだけで終わるなかれ
わたしの実家は愛知県。三重県の伊勢市はわりと近い。でも、あまり行ったことがない。大人になってから旅行で一度あるが、あまり時間がなかったため内宮をばばばっと参拝させていただいただけで終了。

でも、きっと、「内宮みておかげ横丁でぷらぷらして・・・で終わり。」という方は多いのではないか?時間がないとそうなりがちな伊勢旅行。(もったいない)


Youtubeで伊勢で調べても、やはり横丁での食べ歩きばかり。
(もったいない)

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■歩くいて知りたい伊勢の暮らし
今回はクリエイターズワーケーションというすばらしい機会をいただき、7泊8日の滞在をさせていただいた。

この期間にわたしは、
・絵を描く(後日、展示会をします)
・写真を撮る
・動画を撮る(後日、Youtube「ゴダイメちゃんねる」に載せます)
・歩く

をメインに動こうと軸を立てた。なにより「歩く」に趣を置いていた。
歩くと、その町の観光以外のことが見えてくる。そこで暮らす、日々の生活を感じることができる。観光の側面だけでなく、そこでの暮らしや生活にフォーカスしたかった。その空気感を感じたかった。

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■旅館業という家業
まずは二見浦からのスタート。ここは海が近くて、浮世絵に出てきそうな構図。松、海、空、宿、お茶屋さん、どれもが趣がありグッとと来るものがある。DNAに組み込まれているのだろうか?

さて、ここでの暮らしは、やはり旅館が多いので旅館業。
旅館を運営する家族の雰囲気、あたたかさ、そこで成長するこどもが印象的だった。

「いってらっしゃーい」 
と、まだ言葉もおぼつかないこどもに声をかけられる。こうして自然と旅館で過ごしてその雰囲気を知っていくのは、わたしが伝統工芸に囲まれて職場で遊んで邪魔して手伝って育ったのと似ている。なんだか親近感を覚えた。暮らし、環境というのは人間が出来上がるにあたり大きな影響をあたえる。環境の大切さは良くも悪くも嫌というほど感じて生きてきた。ここでの暮らしは、接客で大変なことも多いかもしれないが、「今日はいい天気でよかったね〜」なんて宿泊者と話すような、あたたかいものであってほしい。

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■火鉢と鉄瓶
なんておいしい塩羊羹。海水のミネラルたっぷりの塩と、ナチュラルな原料だけで作っている羊羹だそうで、なによりその佇まいが素敵。店に入ると、 火鉢の上で鉄瓶で湯を沸かしている。そこで手を当ててあたたまる店主。
にこにことむかえてくれた。

塩羊羹を購入させてもらったのだが、おまけで陶器でできた「小さなカエル」を頂いた。「無事カエル」「お金がカエル」などの意味があるそう。この蛙モチーフは、二見浦の夫婦岩付近にもたくさんあり、参拝者の無事を願っている。終始にこにことしていた店主は、おかげさま精神フェイスそのままで、楽しんでいってなあ。と、送り出してくれた。いろんな旅行者の無事を祈っているのであろう。

■口に出す言葉の威力
話はそれるけど、わたしは言葉というものの力を信じている。言葉というのはとても力があって、魔法。言霊なんて言ったりもするが、口に出す、耳に入れる言葉に人や自分はとても影響される。「おかげさま」の精神によって紡ぎ出される言葉は、普段の会話の言葉尻にも感じる。この相手を思っている気持ちは、「おもっているよ!」と言っていなくても伝わる。

町をゆくひとたちと会話をしても、みなこの精神。すごい。そしてたぶん伊勢の人は気づいていない。普通だとおもっている。方言みたいな、そこにナチュラルにある「話し方」、「話し方における精神の置き方」なんだろうけど、これはきっと伊勢特有。好き。見習いたいなとおもった。この滞在中にうつらないかしら。

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■その街で生きる
おしゃれなカフェもあれば、古き良き旅館もあるし、快適でいきとどいたホテルもある。美味しいごはんもあれば、素敵な工芸まで。暮らしや豊かさを考えるのが好きで、本当に伊勢は色んな人が豊かさを考えていたり豊かさを知っている気がして、好きだ。

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たくさんのアーティストが今まで伊勢参りを作品に残している。
浮世絵でもあるし、七宝でも見たことがある。
こんなに愛される場所、なかなかないかとおもう。あたたかい。
わたしのようなものは観光客だし、毎日暮らす人はまた違う観点になるのかもしれないけれど、一週間住ませていただくことで少しだけ垣間見れた気がした。

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■朝熊山
朝熊山も登らせていただいた。浅間をかけねば片参りなんていわれちゃったら登るしかない。超インドアのわたし、ぜいはあ言いながら登らせていただきました。途中で出会った方と一緒に登ることが出来まして、それはもう良い出会いでした。ありがとうございました。

伊勢、一年ワーケーションしてても飽きない魅力がいっぱいある気がする。わたしの地元は本当になにもないので、うらやましい。なにより、住まう人が誇らしげなことがかっこい。なによりやはり人だとおもう。

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■伊勢の人
旅行記をここの日記で全ては書ききれないのでYoutubeで何かに分けてまとめることとしますが、なにより特筆すべきは「人・精神」かなと思う。

おかげさまの精神といえばざっくりだが、無宗教が多い日本人の・・無宗教とは言いつつ神々への信仰が根底にある事が多いのは自然との関わりの中で生活を営んできたからだし、その生活の中で生まれた心得、精神、哲学が、伊勢に住まうかたたちは他の地域のかたより体現されている気がして、その片鱗を垣間見れた気がした。

神々が宿るという考えはとても好きで、いろんなものを大事にしようと思うし、丁寧な気持ちになる。おかげさまという気持ちは、そこから来ているのかな。

また作品を制作展示したり、経過やログをYoutubeでアップしていきます。

何本か分けて投稿していくので、YoutubeやSNSをフォローいただけたらうれしいです。                        

■田村七宝工芸 ゴダイメ  
田村有紀 ( TAMURA YUUKI )
Web https://tamura-shippo.com
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田村 有紀(Tamura Yuuki) 伝統工芸品尾張七宝窯元5代目/歌手

http://tamura-shippo.com/yuuki.html

【滞在期間】2021年11月19日〜11月26日

※この記事は、「伊勢市クリエイターズ・ワーケーション」にご参加いただいたクリエイターご自身による伊勢滞在記です。
伊勢での滞在を終え、滞在記をお寄せいただき次第、順次https://note.com/ise_cw2020に記事として掲載していきます。(事務局)