今治市の業務量調査

7月に視察に行った愛媛県今治市について。

視察テーマは「今治市における業務プロセス見直しの取り組みについて」です。

この問題意識としては行政に対して、「公共事業の費用対効果がよく分からない」「非効率的な仕事をやっていないか」「もっと少ない人数でもできないのか」という見方に、分かりやすい指標を示してほしいというものです。

今治市が業務量調査に乗り出したのは、職員が減少していく中で「業務の効率化と質の向上、またワークライフバランスの実現」を目指そうとの考えからです。

新しい風としても、僕の個人的活動としても行政・議会の「仕事の見える化」は重要課題です。そこで今回は、今治市が「業務量調査」に取り組んでいて、どんな効果が上がっているのか、話しを聞いてきました。

2019年に調査を開始して一番の効果は、「ノンコア業務とコア業務を把握できたこと」だとのことです。行政が行うべき仕事なのか、外部(民間とかDX)に回せる仕事なのか、結果として全庁業務量の29%が単純作業のノンコア業務であることが分かったそうです。

この調査を行うにあたって、なにより職員の反発が強かったそうです。ご説明いただいた担当者自身も前配属先で業務量調査の指示をうけて批判的だったと言います。というのも、通常業務に加えて一時的に仕事が増えるからです。

僕としては、行政も民間も「仕事の見える化」は超重要だと思っています。民間は非上場であれば公開義務はないですけど、行政の株主は市民ですから、市民に対して財政状況を説明する責任があり、その1つは決算カードです。

でも決算カードだけでは、個別事業の費用対効果まで分からないので、それをどうやって見える化していくのか?という話が、今回の業務量調査です。

今治市のこれはすごい!と思ったことは、この業務量調査は民間企業に委託しているんですけど、そこに職員を出向させているところです。その職員は民間企業のコンサルタントとして、全国の地方自治体に業務量調査のコンサルタントを行う仕事をしています。

数年後、その職員が帰ってきたら、その時にはもうコンサルタントが不要になります。職員のスキルアップとして良い方法ではないですか?西尾市も地元金融機関に出向も良いと思いますけど、こういう実践的な経験を積む場所を考えても良いじゃないか、と思いました。


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