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【はぁ~、旅の道中で大きな絶望に直面した話】

アルバニアの次の目的地は未定だった。選択肢にあったのは、コソボ、北マケドニア、ギリシャ、セルビア。考えた末に決めたのはセルビア。
ここで一つ注意点。今は政治的な理由でコソボからセルビアには入国ができない。けどアルバニアからセルビア行きのバスがあったんだよね。北マケドニア経由で入るバスなんだな。なんの疑問もなかった。

夕方の16時にアルバニアを出発して、セルビア到着予定は明け方5時。13時間のバス移動だと覚悟を決めつつ、バスに乗車。

ちょっと話がそれるけど、アルバニア滞在中にバスの事故があったんだよね。

見事に川に橋を架けている。
新たなアルバニアの観光スポットになるんじゃないかな。

そして今回乗車するバス。
どこか心許ない。安全運転でお願いします🤣🙏

順調な移動が続いて、深夜の0時。少し眠りに落ちていたがアルバニアの出国審査で目を覚ます。緩い検問だった。バスの運転手がみんなのパスポートを回収して、検問でスタンプをもらってきてくれて、それで終わり。何事もなかったね。

少しバスを進めて、次の国への入国審査。ここもバスのドライバーが対応してくれる。国によってはこうはいかないよ!面倒くさいところは面倒くさい。
少し経ってドライバーに呼ばれる。
Policeが呼んでるって。何だろう🤔?

バスを降りて窓口へ。

「セルビアに行くの?」
「そうです。」
「コソボに入国したらセルビアに入れないよ」
「・・・・・・」

理解した。ここはコソボの国境だ。
色々疑問はあったよね。じゃあ俺が買ったバスチケットは何?とかさ。

Police含め、周りに英語を話す人はいなくて自分が置かれている状況もよく把握できない。
片言ながら説明をしてくれる。
セルビアに行くならここでバスを降りて、北マケドニアの国境付近の街へ行き、そこでセルビアに行くバスを探すのが良い、と。

とりあえず荷物を受け取りバスを降りる。
山の上の国境。深夜0時。着れる服全部着てるのに寒い。自分がどこにいるのかもよくわからん。携帯も繋がらない。

どうしよう。。。😂

Policeに相談したら、ここで朝まで国境を通過するバスが来るのを待つか、乗せてくれる車を探すか、タクシーを呼ぶか。少し待ったけど車なんて全然来ない。朝までここでバスを待つは無理。

タクシー呼んでもらった。
足元見られたよね。値段交渉したけど、着地は€100。スコピアまで連れてってくれるって。

しばらくタクシーに乗って、スコピアのバス停に到着。
深夜2時。人っ気のないバス停にはホームレスがちらほら。

とりあえずWi-Fiを繋いで情報を拾いたい。いくつかガソリンスタンドを歩いて回るが、どこにもWi-Fiがない。

タクシーで払った€100のせいで手持ちの現金€18。
現金少し持っておきたい。ATMを見つけてお金をおろす。けど、あれ?クレジットカードが使えない?

ちょっともう疲れたよね。バス停のベンチで横になろう。バス停の窓口は朝の7時に開くってさ。

これだけ寒い夜のアルミのベンチは至極冷えてて体温を奪う。
ホームレスの方々に混ざって朝を待つ。

今いる街ってマケドニアのどの辺りだろう?カードが使えないのは何だろう?
真っ暗で人っ気がない。
目を閉じるけど眠ることはなく、、こんな日の夜は長いね。。 結構絶望してきた。

日の出が近づくと、まずは鳩が活動をはじめる。
鳩の鳴き声に少し心が落ち着く。

朝の7時。やっと窓口が開いた。
セルビア行きのバスがある。€30だって。クレジットカードを渡すと、やっぱりカードが使えない。なんで?
旅の当初は2枚のクレジットカードを持っていた。けどね、スロベニアでATMにカードが詰まって、色々あった末にそのカードは手元に取り戻せなかった。
だからこのカードに何かあったら、もう終わりじゃない?手持ちの現金€18。

どうしよう。
色々考え始めると、かなり絶望を感じる。

近くのカフェでWi-Fi繋げるよって。
コーヒー一杯€1.5。致し方ない。さらに手持ちが減る。けど温かいコーヒーが体に染みる。
カード会社に問い合わせるが、時差の関係で恐らく回答は16時間後。
色々と不安になってくるよね。絶望感MAX!!

代案、、何か代案。

日本円を少し持っている。こんな所で日本円を換金できるかな?

銀行やExchange Officeをいくつか回るも、やはりできなくて。。
途方に暮れる中見かけたタクシードライバーに相談。交渉の末、€10で君の問題を全て解決してあげよう!と。彼の笑顔につられて、やっと自分も笑顔を取り戻せた。

そこから3時間、一緒にいくつのExchangeを回ってくれたか。
途中、歩いて街並みも案内してくれたのと、朝ごはん奢ってあげるよとカフェでブレクとミルクを食べさせてくれた。

本当に感謝。
知ってるよBenny、最初はもっとぼったくろうと思ってたこと🤣
途中からは「I‘m your uncle」って。本当に感謝してる。友達になれてよかった🥲

Bennyが交渉してくれて、やっと一つの換金所が日本円を換金してくれた。
思わずBennyとハイタッチ。もうこれしか言えない。マジでありがとう😭
クレジットカードの不安はあるけど、気持ちは持ち直せた。
Bennyと写真撮影。

バス停まで送ってくれて、バスのチケット買うのも手伝ってくれて、バスが来る場所も念を押して教えてくれて。仕事の邪魔して本当にごめんね。本当にありがとう。

セルビアのベオグラートまでバスで8時間半。
北マケドニア、来る予定なかったけど、Bennyありがとう。

22時半、ベオグラートに着くとカード会社から返信が。
アルバニアでのカードの使用が第三者による不審な使用と判断されてロックされてるって。そんなこともあるんだね。スーパーで買い物しただけなんだけど。

本人です。アルバニアを訪れていました。で、元に戻してくれた。

結果、30時間の移動でやっとセルビア!!何度か絶望を味わって、温かいシャワーを浴びた時にはどれだけ幸せを噛み締めたか。そういえば30時間、ほぼ寝てないし、Bennyがくれたブレクしか食べてない。安心したら秒で寝落ちした。
まだまだ自分は弱いね。けどまた人に助けられた。本当に感謝。

#おまけ
アルバニアを出発した後の21時ごろ、途中の停車駅で乗ってきたドレッドヘアーの男性。
通路を挟んだ反対側に座って、しばらくの間会話を交わす。彼は南フランスの出身で、同じように今は旅をして回ってるんだって。
旅の間に起きたこと。よかったこと、楽しかったことなんかを話す。
彼はイチゴのパックを袋から取り出して「一人じゃ多いから一緒に食べよう」と。いくつかイチゴを頂きながら、話題は絶えず30分ほど話していると、会話が盛り上がるに連れてだんだん彼の声のボリュームが大きくなる。周りの人の視線も感じ始めたので彼に提案。寝たい人も多いだろうから、僕らも少し静かにしようか。

目を閉じると30分ほど眠っていた。運転手さんの声で目を覚ます。運転手さんは彼を起こしていた。
目を開けてびっくり。彼の足元にはイチゴのヘタが散乱し、彼は上半身裸で眠っていた。運転手さんは激怒。彼はバスからつまみ出されてしまった。

僅かながらも一緒に時間を過ごした相手、そんな別れもどこか寂しい。

別れ際に声を掛ける。
「You take care. Have a nice and safety trip 🤣」
「Thank you Shuji. See you again😂」

旅には色々な出会いと別れがある。

おわり。

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