マガジンのカバー画像

花山法皇ゆかりの地をゆく

14
平安時代を生きた花山法皇ゆかりの地を実際に訪れる紀行文です。 花山法皇は平安時代中期の第65代天皇で、986年に藤原兼家(藤原道長の父)の陰謀で発生した寛和の変により、わずか2年…
運営しているクリエイター

#南原寺

花山法皇ゆかりの地をゆく【番外編】~退位後の足取りを考える 前編~

「花山法皇ゆかりの地をゆく」という、花山法皇の伝承を残す地を旅して、それをnoteの記事にするという活動を昨年の11月から続けている。 花山法皇は若くして愛妻を亡くし、幼馴染でもある政敵に裏切られて出家をするという波乱万丈の人生を送り41歳で病死した。 その生涯において、朝廷での政治闘争には敗れても、処断されたり自害したりもせずにたくましく生き延びて日本の各地を歩き回り、主に西日本の広い範囲で花山法皇の伝承を残した。 これは、明治天皇より前の天皇在位経験者としては、流罪にな

花山法皇ゆかりの地をゆく②〜阿伏兎観音、山口県編〜

前から何となく訪れたいと思ってはいるけど、実際には行かずにそのままにしている場所というものを、皆さんはお持ちではないだろうか。 私の場合、広島県福山市と山口県美祢市がそれであった。 広島県福山市は、学生時代に知って気に入ったある楽曲の歌詞が福山市を舞台としたであろうと、後年になってその楽曲の作詞者のプライベートの報道記事や発表内容から、勝手に推測していた。しかし、実際の歌詞に具体的な地名が入っているわけでもなければ、公式で作詞者ご本人がこの楽曲についてより詳しい情報を発信し