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花山法皇ゆかりの地をゆく

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平安時代を生きた花山法皇ゆかりの地を実際に訪れる紀行文です。 花山法皇は平安時代中期の第65代天皇で、986年に藤原兼家(藤原道長の父)の陰謀で発生した寛和の変により、わずか2年…
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#ゴールデンウィーク

花山法皇ゆかりの地をゆく⑪〜大入集落跡、笠置山 前編〜

誰に頼まれているわけでもないのだが、一人で勝手に花山法皇にゆかりのある場所を旅していると、どうしても花山法皇の生涯がどのようなものであったのかについての興味が湧いてくる。 とはいえ、興味は湧いたものの、1000年以上も過去の人であるから客観的で公式とされるような記録は残っていないのに加えて、歴史上においても藤原道長や紫式部のようなその当時の主役のような人物ではなく、負け役のわき役のような人であったから、断片のような情報しか残っていない。 それでも、花山法皇のゆかりが残る地を

花山法皇ゆかりの地をゆく⑫〜大入集落跡、笠置山 後編〜

(前編からの続き) 設楽山荘2024年5月3日15時15分、本日の宿泊地である設楽山荘に到着した。 国道257号沿いに設楽山荘の看板はなかったが、国道の横を流れる名倉川の小さな橋を渡り、森の中を進むとすぐに設楽山荘は見つかった。 設楽山荘は山あいの静かな民宿と言いたいところだが、国道の方からはたまにバイクの排気音が聞こえる。私もバイクに乗っているから、文句は言えないのだが。 玄関を開けると女将さんと思われる女性の方が現れて、私が名前を名乗ると、向こうも私の訪問は把握済