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YouTuberになって選挙に出馬しよう

「若者に政治参加を」と訴えかけても、意味ないです

まずは、この調査を見てください。
18歳意識調査(2019年12月3日閲覧)

自身について

日本の若者は社会への関心が薄い、選挙に行かない云々は既に言われていることですが、今回の調査でも改めてその実態が浮き彫りになりました。

どうしてでしょうか?

様々な要因が考えられると思いますが、私は以下の2点が大きな割合を占めると考えています。

・政治参加を必要としていない

・周りに政治を語る人がいない

まず最初の理由ですが、若い人ほど、行政の恩恵を感じていません。(ありません、と言っているわけではないです)自分で生活することが容易であればあるほど、行政への関心が薄まります。逆にファミリー世帯や高齢者など、行政サービスを受けていると感じる機会が多ければ多いほど、その状況や変化に関心を持つようになります。

また、周りに政治を語る人がいない、居ても煙たがられるような環境にいると、自然と政治参加から足が遠のいていきます。そもそも知人や他人と政治について語る場が少ないなかで、謎にタブー視されている政治の話をするのは難しいです。それはひとえに政治と自分たちの生活に距離があるからです。

行政サービスという形では政治との接点を持たない若者が、それでも政治に興味を持つ理由とは何なのでしょうか。あまり注目されてはいないものの、有効な理由として、「知り合いが立候補した」が挙げられます。簡単に言えば、自分の友人や知り合いが立候補したら、多かれ少なかれ政治に興味を持ちます。

私も今回立候補してみて、いままで投票に行ったことがなかったけれど初めて行った、あるいは関心を持った、という声を多く聞きました。それくらいに「知り合いが立候補」は若者の政治参加に大きな意味があります。

普段、政治の話をすると煙たがれることが多いですが、あなたが政治をするとその意味合いはまるで違ってきます。今まで遠い存在だった政治が急にリアルに感じられ、本来は投票よりハードルの高い政治参加であるところの選挙活動手伝いも頼めるかもしれません。面識のない人間にモノを勧められても無視するだけですが、友人がこれいいよ!って言ってるとちょっと興味が湧くのと同じ構図です。

また、自分と同年代、あるいは近い年代の立候補者がいることは投票するときの選択肢として強い意味合いがあります(もっとも、そもそも若い人が出ていることを知らしめるのが割と難しいのですが・・・)

逆に、世間でよくされているような政治参加の訴えかけに、私はそこまで価値を見出していません。「興味を持とう!」「投票に行こう!」と言われて行くような層はそもそも訴えかけがなくてもある程度自分で調べて行きます。いわば政治参加予備軍みたいな層です。もちろんそういった層にアプローチすること自体大切なことですが、「若者に政治参加を」団体がしたいことはそこのアプローチではなく、無関心な人たちにいかに関心を持ってもらうか、という場合が多いです。

無関心な人たちに政治参加を促したいのであれば、言葉による説得よりも、政治参加しやすい環境をあなたが作るのが一番早いです。

「でも、出馬ってお金がかかるんじゃないんですか?」「地盤もないし、看板もないし・・・」

ここまで読んだ方はまず上のように思うはずです。私も出馬するまでそう思っていましたが、意外にそうでもないことをお伝えします。

選挙はお金をかけなくても出られる


選挙にたくさんのお金を用意するのは実は必要条件ではありません。最低限必要なのは供託金ですが、地方自治体の議員なら30万円です。しかも、選挙で一定以上投票を得ると帰ってきますので、見せ金として用意すればいいのです。ポスターや選挙カー、ビラなどは公費で出ますので実質0円で出馬は可能です。ぶっちゃけ若い人だったら、それだけで供託金が帰ってくるレベルまで得票が見込めます。

もちろん事務所借りたり人にアルバイトとしてお願いしたりするとお金がかかりますので、事務所は自宅か知り合いの飲食店などで、スタッフは全員ボランティアでやっていきます。

重要なのは出馬までにお金をなるべくかけずに認知を広げることです。そのためにYouTubeを使います。地元の紹介や飲食店レポートをYouTubeを使って行ったり、自分が感じている地元のいいところや問題点を撮影してアップロードしましょう。

地方選挙は駅立ちや後援会活動といった地上戦がメインで、メディアなどによる空中戦の比率は少ないと言われてきました。しかし前回の統一地方選挙を見る限り、以前よりも積極的にYouTubeで発信をしている立候補者が増えている印象です。もちろん多くは地上戦をメインとし、サブとして発信している方が大半ですが、なかには積極的な発信をメインとして当選された方もいらっしゃいます。

お金というコストをかけない分、時間と労力というコストを使っていきましょう。

編集よりも継続性


YouTubeを始めるときによくいわれるのが「編集は大変なんでしょう」「機材は何を使えばいいですか」みたいな話ですが、結論から申し上げますとスマホのみ、無編集で大丈夫です。選挙を想定した地元密着型のYouTubeではそもそもテーマがニッチなので、編集による視聴数増はあまり見込めません。それよりも数を出して単純接触効果を狙っていきつつ、地元に関する幅広い内容を扱っていくことの方が重要だと思われます。

これはYouTubeチャンネル全般に言えることですが、動画投稿を開始したのち、9割のチャンネルは収益化ラインのひとつである登録者1000人に到達する前にリタイアします。多くは撮影コスト、編集コストによって、途中で飽きたり挫折してしまいます。ということは、ただYouTube投稿を継続していくだけで周りと差がつけることが可能になるのです。継続するためにはまず動画制作コストを限りなく下げることが肝心です。そのためには編集なし、日頃の生活の延長線上に動画撮影を組み込むことが大事です。

あなたが既に地域で何らかの活動をしているのであれば、それを撮影してアップロードするだけで十分です。なにもしていないのであれば、行った飲食店の食レポをしましょう。大事なのは動画のためになにかをすることを極限まで減らすことです。

「何も知らんくせに軽い気持ちで出馬するな」→むしろしろ

自分が政治のことについてあまり知らないのに出馬することに対して「けしからん!ちゃんと勉強してから出馬しろ」「政治は遊びじゃないんだ」「税金の無駄遣いだ」みたいな意見が時々散見されます。私から言わせてもらえばそういった意見こそ言語道断です。一見真面目ぶった意見がかえって民主主義を後退させるのです。

もちろん当選してから政治家として活動しているのに何も勉強してないのであれば大問題ですし、税金で賄われている政治家がそのような立場では批判されるのも当然です。しかし、民主主義というのは本来国民全員に開かれているものです。国民のさまざまな意見・多様性を反映させる入り口としての選挙では、もっと多くの人に開かれているべきだと考えます。

出馬を決意し、実際に出馬してみて、その過程で本人と周りに政治参加の意識が芽生えることのほうがはるかに価値があると思いませんか?


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