千駄木ダンス、100回によせて
千駄木ダンスがめでたく100回目を迎えました。千駄木ダンスを始めてから約3年、踊っている自分は毎回毎回、何の気負いもないので積み重なったら100回になった、というのが本音です。でも数字にするとその重みと浅いながらも時間の流れについて考えてしまいます。
なぜ、千駄木ダンスをやろうと思ったのか。答えはシンプルです。踊り続けたかったから。ドリフターズサマースクールというひと夏のワークショップで出会った私達。それはひと夏でダンス公演をつくるというワークショップでした。夏のひとときを一緒に過ごし、それが終わった後もそれでおしまいになるのがもったいない気がしていて、また一緒に踊りたいね、という話になりました。でも踊り続けたいけど、どうしたら良いかわからない。お金を払ってダンスのクラスに通うのか、はたまたもっと違う方法があるのか。でも全くの未経験から始めた僕にとってクラスに通うことは少し違うものでした。別にプロを目指しているわけではないし、職業としてダンサーになりたいわけではない。(そりゃ、身体がもっと自由に動いてなれるのであればなりたいけれども)
ただ、日常の中で踊る機会が欲しかった。もちろん、それは普通に考えればおかしなことなのだけれども。ワークショップを経験した後にあまりにいきなり普段と違うことをするものだから、いろんな人に「ダンサーになりたいの?」と言われ、その度にこの人たちはなんでこんな質問するのだろうと、疑問でした。踊りたいと思う気持ちはそんなに特殊なものなのか。楽器を演奏したり、歌を好きで歌っている人は山程いるのに。ダンスだけが特別じゃない。それは踊ってみて感じたことで、今でもそう思っています。
そんなこんなで、今の千駄木ダンスメンバーの山口が「千駄木にいい公園があるから、そこで踊ろうよ」と言ってくれ、それからスタートしたのが千駄木ダンスです。連絡を取るうちに千駄木の公園でダンスをすることをいつしか「千駄木ダンス」と呼ぶようになり、いつのまにか私達の活動の名前になっていました。そうして、毎週火曜日に踊るようになったのです。
活動していく中で、もちろん個人個人の状況は変わります。そのうち仕事が忙しくなって毎週出来なかったり、雨が続いて出来なかったり、そんなことはしょっちゅうです。でも、誰かにやれ、と言われてやっているわけではないので基本は踊りたい時、みんなが出来る時にやります。ゴールもありません。無理はしない。寝坊したらじゃあ、また来週!といった感じで好きな時に好きなようにするのが一番、それが長く続いている理由かもしれません。
これまでのことはここまでにして、今日は100回のことを。
100steps、100回のテーマを考えた時にわりとすぐに出てきた言葉でした。ダンスのステップと私達のこれまでの歩み。それを軽快な音楽で踊りたい。そんなことを近所の横断歩道で思いつきました。音楽は千駄木ダンスが松戸で参加した展示のワークショップで出会った角銅真実さんにお願いしました。その時も生演奏で参加していただいたのですがその楽器の「玉さばき」(楽器の名前は失念)が忘れられず、ぜひお願いしたいという気持ちでした。ロゴワークは絶対に美山有ちゃんで!こちらがいつもテーマを伝えると本当に素晴らしいグラフィックで返してくれます。今回も、まさに伝えたテーマを素晴らしいロゴでビジュアル化してくれました。足あとが月桂樹の冠のようにも見えて「100回おめでとう」ってお祝いしてもらってる気持ちになります。
100回目はやはりいつもの千駄木でやろう、という話になりました。千駄木・谷中をぐるっと回ってツアーをしているように。いい音楽と風景で、地味かもしれないけどいつもの千駄木ダンスを見せたい、と。いろいろ映像も試行錯誤しました。やっぱり大事なメモリアルだし凝ってみようとか、場所のテロップ入れようなどやってみました。結果、いつもみたいなシンプルさが一番でした。なので物凄くシンプルにしました。
踊った日の素材が十分面白いから他のものいらないと思って最後の最後ですべて外してシンプルに戻しました。音楽とロゴと、ダンスがあれば十分すばらしい100回になったと思っています。普段、自分が作った映像はそんなに見返さないのですが、これは何回も見てしまいます。これまで、参加してくださった方々、動画を見てくださった方々、イベントなどでお世話になった方々に感謝を込めて。そして、3人で続けられたことにも大きな意味があると思っています。これからも、たくさんのステップを踏んで足あとを残していけますように。
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