東京オリンピック

東京オリンピック
1964年
市川崑監督

緻密な脚本を製作し964年の東京オリンピックを撮った映画作品。
関係者試写会で当時のオリンピック担当大臣と文部大臣が映画を否定した事により、日本人金メダリストとその当時のオリンピック建造物が盛り込まれた映像となっている。
可能であれば、政府の意図を介さずに作成された元の映画を鑑賞したいと感じる製作ストーリーがこの映画にあります。

この映画を通して改めて認識したのですが、当時のオリンピックはアマチュアが参加する大会であり、参加者の名前が呼び上げられる時にその職業が紹介されていました。
警察官・大工・自動車整備工など彼らがスポーツで競う様子からは平和の祭典というものをヒシヒシと観じました。
1984年のオリンピックからはプロの参加が認められたそうですね。
昨今のオリンピックにはこの要素は無くなってきている様に感じます。

映画冒頭で描かれている開会式のその様子はホラー映画さながらの違和感と参加者の心情を想いたくなるシーンでした。
大戦の「終戦」を経てアメリカ合衆国・ソビエト連邦・イギリス・ドイツ・イタリア・フランス・ポーランドが会場を行進、他にも当時の日本が国を滅茶苦茶に侵攻したアジア諸国の参加者が行進。
開会宣言は右手の手のひらを前方に向けてまっすぐ伸ばす「ナチスドイツ式」。
戦争を行った大日本帝国のトップである昭和天皇がその会場にいて、開会宣言をする。
この様子をドイツ・イタリアや連合国軍側の人たちや、戦争被害にあった国の人たち、侵攻された国地域のた人たちはどう感じたのだろうと想わずにはいられませんでした。

この映画を観るのは今をおいて他に無いと思い鑑賞しました。

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