日本酒に含まれる有機酸の性質

日本酒に含まれる有機酸として、乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、酢酸が主に挙げられます。有機酸とは酸性を示す有機化合物の総称で、食品中では酸味を示す化学物質の1つです。

一般的に「酸」という言葉を聞くと酸っぱい味を連想しがちですが、実際にクエン酸、リンゴ酸、酢酸はかなり酸っぱい味がします。
ちなみに、クエン酸はレモンなど柑橘類に含まれる有名な化学物質で、さらに白ワインにも含まれています。リンゴ酸はリンゴから発見された化学物質で、酢酸は調味料としておなじみのお酢に含まれる化学物質です。

ところが、乳酸やコハク酸は他の酸ほど酸っぱい味ではなく、特にコハク酸は高めの温度ではコクやうま味を出す化学物質です。燗酒にした時においしくなる場合は、このコハク酸の性質によるところが大きいと考えられています。

日本酒に含まれている酸の量を示した数値が酸度ですが、平均的な酸度は1.3程度です。
ちなみに、燗酒にする場合、酸度1.4以上を目安に数値が大きいものを選べばよいと言われています。

ただし、酸度の数値が大きくてもクエン酸やリンゴ酸が多く含まれるもの(大吟醸酒タイプに多い)は、燗酒にすると酸味が増して不味くなるため注意が必要です。

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