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科学とは誤りの歴史

「父が子に語る科学の話」

著者のヨセフ・アガシさんは「科学史とは我々人類が積み重ねてきた『最良の誤りの歴史』である」と述べています。

コロナ禍、多くの情報が錯綜し矛盾していました。噂の類のみならず、きちんとした研究者やオーソリティの意見でさえも、誤りがありました。

「だから政府が言うことは信じられない」「医療業界の策略だ」と反応する人もいました。

矛盾が生じた時、科学に携わる人は、「科学はそういうものだよね」と寛容です。

仮説を発表し、証明し、反駁され、再び証明し。これを繰り返していくのが科学だからです。絶え間なく情報が新陳代謝される細胞のようなものですね。

しかしながら、一般世間の方は、そうみてくれません。「科学情報は正しいもの」という信仰があるからです。

哲学的にきこえますが。
科学者は科学情報をさほど信用していないのです。
ノーベル賞を受賞した本庶佑先生は「ネイチャーやサイエンスにでているものの9割は嘘で、10年経って残るのは1割」と、かなり過激な発言をしていました。

情報をたやくす信じないかもしれませんが、科学者は「科学」については、一点も曇りなく信じています。
観察し、仮説をたて、実験し分析する。再現可能な形で共有され、批判的な思考と検証を歓迎します。

科学情報は、あらかじめ書き換え前提で、世に出されることを理解すれば、よりサイエンスを楽しむことができるはずです。

そして、世間一般は「科学者に科学的でない期待をしている」と知れば、フラストレーションは小さくなります。

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