日記(10.09~10.13)
こんばんは。最近、ようやく新作の情報が解禁されたということで、本当はその宣伝記事を書きたいのですが、時間がうまく取れず、、、今回も恒例となってきた日記を吐き出す。次回は、新作映画『復讐は囁きにのせて』についての記事を書こうと思っている。
2023.10.09 21:17
新作の仕上げ作業が佳境を迎え、連日夜遅くの作業が続いたここ数日。そのせいで、なかなか日記を書く時間も取れず、4日ぶりに机に向かっている。
ようやく日常を取り戻しつつある今日。とはいえ、これで休日がないまま10連勤を迎える。休みがない。休みが欲しい。明後日には東京に出発し、少しはゆっくりできる時間もあるだろうが、やっぱり東京に行けば彼女と過ごすし、あっちの友人とも会う。そりゃ気は休まるけれども、体は休まらない。正直なところ、スマホを自宅に置きっぱなしで、誰にも何も言わずに3泊4日くらいの旅に出たい。
こういう話を、こないだ美術のハルさんとした。ハルさんはここ一年、登山(トレッキング)にハマり中で、つい先日2泊3日で熊野古道を歩いていたらしい。その話を聞いていると、本当に羨ましくなった。誰もいない自然の中で自由に過ごす、そういう体験をここ何年もやっていない。いきなりトレッキングは無理だろうが、涼しくなってきたし、時間ができたら小さな山でも登ってみようかな。ハイキング程度からやってみたいな。
なんて考えながら、「時間があれば」とかいう一生訪れない瞬間を考える。時間はずっとない。やりたいことをする時間は、常にやらなきゃいけない時間に侵食され続けている。だから、何かやりたくなったら、「時間ができたら」なんて言わずに、時間を作らなきゃいけない。そんな話を、ルームメイトの古川くんに話し、山登りは自分もやりたいと話してくれる。ならば、今月中にでも運動靴を揃えていこうじゃないか。
少しずつ日常を取り戻していく中で、最近気がかりなことがある。それは彼女となかなか連絡が取れていないこと。ついこないだまで、毎日のように「行ってきます」なり「帰ってきたよ」なんて連絡を送り合っていたのだが、最近は一日二日連絡を取らないことがある。個人的には、そういう控えめなコミュニケーションも気楽でいいのだが、自分の忙しさのせいで相手に気を遣わせているのでは、と心配になる。今度電話したときに、ゆっくり話そう。
ではでは、アディオス。
2023.10.10 23:59
今日は久しぶりに彼女と電話をした。お互いに最近は仕事の方が大忙しで、なかなか連絡を取れなかったが、相変わらずのんびり会話して、「また明日」と電話を切った。こうやって「また明日」と言えるのは、遠距離で交際している私にとって、すごく貴重な機会だ。明日会えるというのは、遠距離恋愛にとって、めちゃくちゃ幸せなことだ。きっと、近くのすぐに会いに行ける距離感のカップルや夫婦とは、感覚が違う。「また明日」これが言える日が、一番待ち遠しい。
とにかく明日、私は東京に立つ。それは新作の仕上げやら諸々のことで東京に行く、いわゆるついでに、彼女と会う。もちろん、そうだ。けれど心の中では、それが何よりの目的だったりもする。この日はここにいこう、この日はこの映画を見にいこう。これをやって、あれをやって、色々考える。でも結局、帰る頃にはもう帰る時間、と感じる。行く前からそうなることはわかっているから、彼女はいつも寂しそうだ。少ししかいられない今の時間を、少しでも大切にしよう。
明日から1週間、職場を休む。目下、心配事項は産学である。準備の真っ最中に抜けるというのは忍びないが、大学の同僚たちは、やはり映画制作には理解を示してくれる。普通の会社ならこうは行かないだろう。今日、同僚の一人に「がんばれ」と、送り出された。申し上げも残すところ後わずかだから、頑張ることなんてほとんど残っていないのだけれど、やっぱり作る側は、いつだってこの気持ちになる。どんな工程でも頑張るしかないのだ。スタッフと会うだけでも、俳優部と食事をするだけでも、例えば、映画の関係者に挨拶するだけでも、常に頑張るしかないのだ。気を抜いていい瞬間なんてない。全員敵、なんて世界じゃないけれど、全員戦っている世界なのだ。私と会って、私と話して、私に対して何か(オファー)を求める人もいれば、私と会いながら別の連絡を待つ人もいる。登場人物全員が戦う世界なのだ。だからやっぱり私も、「うん。頑張る」と返答した。
誰というわけでもない、何かというものもない。でもとにかく、戦うのだ。
2023.10.11 22:57
今日は新幹線で東京入り。ここから1週間の遠征になるので、荷造りを午前中に済ませる。
そして気付く。秋冬用の衣服がないことに。洗濯を前日にしてしまったことから、まだ生乾きの長袖たちを口惜しく見つめる。私に残された長袖は、残り2着。やはり、東京にいる間に買い足す必要がありそうだ。それに、ゆるゆるのパンツや、生地の薄くなった靴下、ヨレヨレの肌着、あぁ、買い足すべき衣服に目がついてしまった。普段から、おしゃれに頓着のない私だが、流石に自分でもそろそろ服を買わねば、と感じる。夏服はちょくちょく買い足したが、秋冬の服といえば、アウター以外に買い足した記憶がほとんどない。もう何年も。やばい。経済的に苦しい中、こんなことに気がついてしまうとは、、、
東京に入り、ちょうどポケモンGOのイベントがある時間帯だったので、小一時間ほど池袋の街を闊歩しながら、伝説のポケモンを求める。このポケモンGOの街を歩きながらポケモンを捕まえる、という一連の行動は、まさにマサラタウンのサトシがやっていたことと同じで、妙にワクワクする。子ども心をくすぐられるというか、ポケモンを毎週楽しみにしていた自分が、大人になって、現実でポケモンを追いかけ、捕まえられるというのは、なかなか気分がいい。もう少し、このゲームにハマる日々が続きそうだ。
彼女の家に帰宅すると、猫ちゃんがいないことに気づく。あれ?逃げた?とヒヤヒヤしながら、ベッドの下やトイレの隙間を探す、そして、「今日は連れてでてるって言うたやん」と彼女から着信。安堵。たしかにそうだ、そう言っていた。安堵と同時に、大の大人が少し涙目になりながら30分くらい猫を探すという、やや情けない自分を客観視してしまい、恥ずかしくなる。彼女の帰りが遅いということで、Abema TVを開き、Mリーグを観戦。私の推しチームはKADOKAWAサクラナイツ。渋川難波選手のYouTubeから麻雀を勉強させてもらっているので、もちろん推し選手も渋川難波選手、と言いたいところだが、正直、堀慎吾選手が最推しである。あの何とも言えないフォルム感と、攻撃的ながらいつも気だるそうに、そして常に手牌が悪い顔をしているのが、萌えポイントである。
と、こんなどうでもいいことを書いているうちに、彼女が帰宅。と言うことで、今日はこの辺りで。
2023.10.12 23:15
今日は東映ラボ・テックさんに伺い、作品の仕上げのチェックを行う。ラッシュぶりに久しぶりにキャメラマンと再会。相変わらず忙しそうで何よりだった。作業は問題なく順調に終了。残すは初号のみとなった。この企画が始動してはや半年。ようやく全てから解放される瞬間がもう間近に近づいている。
”解放される”なんて書くと、「なんだ、嫌だったのかよ」なんて言われそうだが、無論そういう話では無い。一つの区切りとして、そして次に向かう糧として、この解放というのは非常に重要なのである。映画監督の中には、複数の作品を掛け持ちしながら活動している人も多くいるだろう。みな、一様に、どこかのタイミングで自作から解放され、次なる仕事に向かうはずである。人によっては、それが撮影完了のタイミングだろうし、編集完了の時かもしれない。もっと、作品を公開した時かもしれないし、作品の上映が全て終了した時、という人もいるだろう。けれど、みな、どこかのタイミングで解放される瞬間が訪れるのだ。
私にとって、そして今回の作品にとって、開放のタイミングは、今日だった。きっと初号まで気を抜いちゃいけないのだろうが、ようやく今日、次に向けての新たな始まりを実感した。
思えば、前作『海底悲歌』からの解放はずいぶん遅かったように感じる。全ての上映が終わって、ディスクになってからも開放の瞬間は訪れなかった。ずっと心の中で、『海底悲歌』を持ち続けていた。それは単に、作品への愛ということでは無いように感じる。どちらかというと、作品への執着に近かった。
そこから、今回の作品になって、比べると随分早いタイミングだった。けれど、やっぱりもっと早いタイミングで作品から解放されないと、”職業”としての映画監督は難しいのだろう。それを改めて感じられただけ、経験だ。次の作品に向かう自分にエールを。そして、次の作品から解放される瞬間を少しでも早めよ、と忠告を。
とにかく数日後の初号まで、静かに余生を過ごす。明日は彼女と保護猫カフェに遊びに行く。その後、少し買い物がてら繁華街に繰り出す。多少、人混みで疲れそうな気もするが、久しぶりに彼女とデートだ。楽しもう。
2023.10.13 22:30
今日は一日まったりデートDayだった。
昼ごはんに、人生初のスープカレーに挑戦。スープカレーって、イメージだとカレー水みたいな感じで、味が薄いもんだと思っていた。普通に考え直せば、そんなわけはないのだが、食べてみると、思ったよりキチンとカレーのコクが感じられて、デリシャスだった。わたしたちと少し遅れて入ってきた板橋マダムが、瓶ビールをご馳走してくれた。スープカレー屋の常連らしく、こないだは電球を変えてもらったの、うちの息子は全然相手してくれないの、と息子の愚痴を吐きながら、さっきまでお風呂に入ってたのよ、だとか、私は兄弟の面倒をるために学校に通えなくてね、と、昔話をしてくれたり、なかなか下町情緒を感じられる昼食だった。
そこから、彼女の働く保護猫カフェ”上板にゃんこ亭”にお邪魔する。2階と3階に猫ちゃんたちがそこかしこでまったりしていて、眼福、至福。最高の時間を過ごした。家に帰れば猫はいるのに、それでも休日に猫カフェに行ってしまう我々のバカ具合といえば、、、、少し写真を載せる。
その後、池袋に立ち寄り、数着の衣服を購入。いつも小汚い私を気にして、彼女がプレゼントしてくれた、ありがたや、麗しき男になりまする。
そのまま家に戻ろうかという矢先、可愛い嘘のカワウソカフェを発見。二人揃って、このカワウソのイラストが大好きなもんで、気になるね、と立ち寄る。なかなかにデート空間という感じで、似合わぬカフェラテ謎を注文、おまけにパンケーキまで食べて、気分は乙女。
ということで、今日は1日を終える。と思いきや、我が家に届いた衣装ラックと作業用のデスクを組み立てる。18:00頃から始めた作業は夕食を挟んで、22:00頃まで及ぶ。疲れたのは疲れたが、「彼女の家」というイメージだった場所に、自分の空間ができたことで、「自分の家」という認識が強まった。縄張り意識というか、なんというのか、とにかく、ようやく我が家と思えるようになった空間で、初号までもう少し、過ごす。
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