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アクセシビリティUTをアメリカで初体験

デザイナーのおーじです。今回は、アメリカのサインディエゴに行き、人生初のアクセシビリティのユーザーテスト(UT)してきました。今回UTを実施して一番感じたのは、スマホが全盲の方にとても役立っているということです。UberやLyftを使って自由に外出し、Seeing AIを使ってできることがとても広がっているのを肌で感じました。スマホアプリの進化によって生活障壁がなくなってきているのを目の当たりにし、自分たちの製品によって、障がいの有無に関わらずチームの一員として快適に業務に携われる世界を少しでもはやく実現したいと強く感じました。

何をしたか

サイボウズの製品であるkintone、そしてその製品サイトのアクセシビリティを検証するため今回は全盲の方から軽度の弱視の方まで幅広く来ていただき、使用してもらいました。
製品サイトから申し込んで、実際にkintoneを使用するというオンボーディングの部分を中心にタスクを使用してもらい、問題点を探しました。


今回はサンディエゴを拠点とするリサーチ会社のUXPRESSさんに協力を得てUTをしました。

今回のテーマ
ー参加者のアテンド
ー普段のUTとの違い
ーこれからどうしていくか

参加者のアテンド

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交通手段
僕自身、アクセシビリティのUTは今までやったことがなく、どのような準備をしていくか未知数でした。まず交通手段。一人で来るか、同伴する方と一緒に来るのか。テストルームまでの案内をどうするかなどこちらで心配することがいくつかありました。
しかし、実際に来てくださった全盲の方はUberを使って来ました。そして、Seeing AIというスマホのアプリを使用し、家族の方に遠隔からガイドをしてもらいスムーズにテストルームまで来てくれました。

コミュニケーション
PCの操作を数人の人に観察されるというのは慣れていないでしょうし、出来るだけ心地よく参加して欲しいという気持ちがこちらにはありました。到着してすぐに空間把握のためレイアウトの説明をしました。どれくらいの広さでどこに何があって、誰がどこにいるのかを知ってもらいました。そして複数人いるので誰が話しているのかをわかってもらうため、必ず名前を名乗ってから質問をするよう心がけました。


普段のUTとの違い

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参加者の私物デバイス
自分のデバイスを使ってもらう
というのが普通のUTと大きく異なるところでした。視覚に障害のある方はスクリーンリーダーや、カラー反転、拡大機能など個人に合った支援技術を使っています。日頃使って慣れているデバイスを操作してもらうのが一番だと思い、今回は参加者の私物デバイスを使ってもらうことにしました。

観察者がその場にいる
参加者の操作感やしぐさなど細かな動きを普段よりも感度を上げて観察するため観察者が同じ環境にいることにしました。

インターフェイスの違い
全盲の方は基本的に画面を見ることがないので人によっては画面を真っ暗にして使用している方もいます。それに加えて、スクリーンリーダーを使用している人は普通の人には聞き取れないくらい再生スピードが速いのでこちらの観察が追いつくか心配でした。
しかし、今回の方の画面は真っ暗ではなかったので僕たちも画面を見ることができました。スクリーンリーダーに関しては、想定していた通り再生スピードが速かったのですが、参加者の感じていることを話しながら進めてもらったので問題なく観察することができました。


これから

今後のポイント
・参加者のリクルーティング
・環境設定
・普段の生活へ同行

参加者のリクルーティング
今後、UTに参加してもらうには信頼が大切になってくると思います。非常に近い距離で観察をしますし、慣れない環境に1時間以上拘束することになります。参加者の方と信頼関係を築き、友人やコミュニティを紹介してもらいさらにアクセシビリティUTの幅を広げていきたいと考えています。

環境設定
テスト後に、参加者の話を聞くと、自分のデバイスでなくても自分の好みのスクリーンリーダーやOSであれば良いということでした。観察のしやすさなどを考えると、事前にスクリーンリーダーがインストールされたデバイスをいくつか用意しておくというのも次に向けて良いアイデアだと思います。

普段の生活へ同行
今回のUTで感じたのはもっと参加者の普段の生活を見たいということでした。家ではどのように過ごしているのか、AlexaやSiri、Google HomeなどボイスUIなどはどのように使用しているのか、サイボウズの作る製品が生活のどこのタイミングで役に立ちそうかを、実際に生活している場所をみて検証したいと感じました。

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