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【Interview】バーチャルマーケット2023Winter出展者インタビュー:居酒屋「和み」 ~nagomi~

 現在絶賛開催中のバーチャルマーケット2023Winter。
今回の記事では出展団体の一つである、VR飲み初心者専用居酒屋 居酒屋「和み」についてのインタビュー内容やワールド訪問についてを記載する。


小洒落た小上がりの様なブース

 VR飲み初心者専用居酒屋 居酒屋「和み」は今回「酒場街バーレムホルン ドーン」へと出展中の団体である。
彼らのブースは暖簾の掛かった畳敷きの小上がりの様な場所であり、正面にはめんたいこメイド系VTuberの「天鳥ふれいや」氏の宣伝イラストも掲載されている。
なお脇から行ける2階部分は薄暗く狭いワンフロアに布団が敷いてあるという、非常に後ろ暗いものを感じさせるフロアとなっている。


 ブース内にはピックアップ可能なジョッキとTシャツが置いてあり、デジタルデータとしてダウンロードする事が出来る。
Tシャツについては2023年12月17日に行われる「バーチャルマーケット2023リアルinシブハラ」の2日目にて着られるグッズとして出品予定との事だ。

 そんな同ブースで主催者のサウス氏含めた面々から話を伺って見えてきたのが、彼らのイベントに対する考え方である。

VRChatにおけるイベント系コンテンツの在り方

 VRSNSであるVRChatでは、日夜様々なイベントが開催され多くのユーザーで賑わっている。
非常に広いテーマのゆるりとしたイベントからその道の有識者が集まるプロ向けのものまで、その種類は千差万別といっていい。
その規模も大小様々であり、数人で集うごく少数のイベントもあれば数十名程が参加する大人数のものまで、こちらも幅広い。
VRChatを始めたてのユーザーから数年単位の熟練者まで、多くの人々が常日頃から交流の場を求めている。

 そんなイベントを開催するにあたって必然的に発生するのが、イベントへほとんど参加したことがないビギナーと、恒常的にイベントに参加する常連ユーザーという二極化である。
これは現実世界においてのイベントでもよく発生する事であるが、イベントの空気や趣旨を「わかっている」ユーザーとそうではないユーザーが分かれてしまうケースが往々にして発生する。
もちろんイベンター側としてはより多くのユーザーにイベントを体験してもらいたい所ではある、さりとて常連客をないがしろにする訳にもいかない。

 そこで独自の運営方針を採っているのが、VR飲み初心者専用居酒屋 居酒屋「和み」である。

「ここではみんなが常連さん」

 居酒屋「和み」の運営スタイルは独特で、週に一回は21時から開催されるがどの曜日に開催されるのかは具体的に設定されていない。
その上でどういったユーザーでも歓迎するが、常連となるまでに入り浸る前に「卒業」が待っている。

 では定期的に来たいというユーザー向けにどうするかと言えば、毎月第二・第四土曜日限定で「だれでもようこそ! 居酒屋『和み』」を開催している。
こちらは何度来ても大丈夫という常連向けのイベントであり、初心者でなくとも参加が可能となっている。

 これらの二種のイベントを定期的に開催する事で、初心者であっても常連であっても恒常的に参加出来るイベントが用意出来るというのである。
ともすれば通常のイベントでは固定化しがちな常連ユーザーを、別レイヤーのイベントとして区切って管理をしているのは早々見られる運営スタイルではない珍しいものだ。
それが同団体の掲げる「ここではみんなが常連さん」というスタンスに繋がっている。

主催のサウス氏
公式VTuberのふれいや氏

 そしてこの方針は本当に始めたばかりの初心者に対しても優位に機能する。
来るユーザーはだいたいがVR飲み初心者、かつ開催時間が21時からとこの手のイベントにしては早い時間帯だ。
その為「ここで楽しく一杯引っ掛けてから、お作法を掴んで他のイベントに繰り出していく」というVR飲み初心者ユーザーも多いのだという。
スタッフとして参加している方に伺った所、最初にこのイベントに出会えたからこそこれを起点に楽しくVR飲みの文化に触れる事が出来たのだと語る。

スタッフとして参加されているミナミ025氏
スタッフとして参加されているZenmai-05氏

 このイベントを語る際に外せない要素はもう一つあり、それが「公式VTuberを設定している」事である。
一般的にイベントではVTuberとして配信を行っているユーザーがゲストやユーザーとして参加する、もしくは主催者がそういった活動をしているという話はよく聞かれるものである。
しかし主催者とは別に、イベントに対する公式VTuberが設定されているというのは恐らくこの団体以外には見受けられない。
主催者であるサウス氏が、ふれいや氏に熱烈なアプローチを行いイベントへ協力する約束を取り付けたという事からも、このイベントの独自性が際立っている。

個室も完備

 実際に会場となる居酒屋「和み」にも案内をして貰い、そこでも色々と話を伺う事が出来た。
そこで拝聴した上述の内容なども含めて、この団体は他のイベント同様かそれ以上に「初心者を大事にしている」という点は大いに評価出来るものだ。
イベントに到達する難易度がほんの少々高く、ある種偶然の出会いの様な状況から生まれる交流の場であり、そこに参加する人々の層はそこまでVRChatに慣れていないであろうユーザーが中心である。
のんべんだらりとVRChatを過ごしたいユーザーには堪らないものではないだろうか。

 なお、豆知識として店舗内にあるメニューの「ずるずる」という50円の品物は、麺類をすする時に出る音だという。
それで50円も取るのが信じられない話ではあるが、ここはバーチャルの世界であるのでこういうのもまた有りなのであろう。
念のため補足しておけば、現状決済サービスが一切設けられていないのでご安心頂いて大丈夫である。

 今後も定期開催されていくVR飲み初心者専用居酒屋 居酒屋「和み」。より多くのユーザーがここに集う交差点として機能して欲しいものである。


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