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素晴らしい本!「日航機123便墜落 最後の証言」

素晴らしい本!「日航機123便墜落 最後の証言

日航機123便墜落 最後の証言
筆者:堀越豊裕
出版社:平凡社新書
平成30年7月13日初版発行
 
この本を読んで日航機123便が墜落した状況やその理由が明確に分かりました。理由は簡単に言うと過去の尻もち事故の修理ミスであり、修理ミスにより、垂直尾翼が吹き飛び、そのことで飛行機が操縦不能に陥ったというものです。尻もち事故の修理に関わったボーイング社の職員が御巣鷹山での墜落事故の際、来日していてその時の様子が以下のように示されています。
 
「修理に深く関与したメンバーが(来日した)ボーイングの一員にいた。ジャンボ機の機体構造に詳しい人物だった。修理ミスの事実が(会議室で)公表された際、彼は全員の前で嗚咽し始めた。赤ん坊のように泣いていた。仲間が犯したミスの重大性を認識し、いたたまれなかったのだろう」(79P)
 
筆者は、アメリカでボーイング社の航空安全マネジャーだった方、ボーイング社の元社長(※1)やアメリカ司法省の検事だった方(※2)にもインタビューをしたり、アメリカ連邦航空局職員やOBが入る「国際航空安全調査官協会」の準会員にもなり、パーティにも出かけたりして真実を知るために努めています。また、日本では自衛隊機による撃墜説を訴えている青山透子さんにも会って話を聞いています。(180P)
 
この本を読んで一つ発見がありました。それは、アメリカではミスがあってもそれが「単純な過失であって、隠蔽や故意、意図的な不注意や手を抜いたりということが無ければ訴追というのは、不適当である又は故意がないと刑事的な立件は目指さない」(152P、172P)と考えらえているということでした。確かに人間はミスをする生き物です。真摯に一生懸命に頑張ってもミスをします。それを日本では「業務上過失致死傷」という罪に問われますが、アメリカでは問わないという風土の違いがあるということです。ミスをしてしまうことをどう捉えれば良いのか、私自身、考えていきます。
 
※1 ボーイング社長フランク・シュロンツ
※2 米司法省刑事局検事リンダ・キャンドラー
 
この本は、日航機123便がどうしてどのようにして墜落したのかということが分かりやすく、また、いろいろな情報を元に書かれた素晴らしい本だと思いますので、日航機123便の墜落について興味のある方にはお薦めします。
この本を書かれた筆者に感謝申し上げます。ありがとうございました。
拙いブログをお読みいただきありがとうございました。
みなさん、厳しい暑さが続いていますのでどうかご自愛ください。

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