刺される淫魔くん 読んだ

友達にオススメされて読んだ すごい作品だった。

主要な登場人物には大体歪んだ何かがあって、それが重なり合ってできた世界観が不気味で面白くて一気に読み切ってしまった。絵柄もかわいい。

今井マイン 魔人(淫魔)の主人公。
魔人としてエリートで、先生や同級生やパパ活にも手を出して、結果そのせいで加古との関係が生まれた。

加古勝彦 人間の主人公。
人間としてエリートで、歪んだ愛情を持って父親を殺す事でマインとの関係が生まれた。

公式的にはマインが主人公(登場人物欄に書いてあった)っぽいんだけど、個人的にはこの二人が二人とも主人公だと思った。
「刺される」淫魔くんが居るには当然、「刺す」人間くんが居る。この二人で広がる物語だなと思って読んでいた。

エリート魔人として成長して、マインは人間に近づいた。身体の成長、嘘の発言を経験した。
マインが無意識に望むことで、加古は魔人に近づいた。傷の再生を経験した。
お互いがお互いに近づいた。

この漫画は、友達が友達として進む物語だと感じた。本編序盤で「父親を寝取ったし、友達は無い」「刺し殺そうとして、友達は無い」とは言ってるけど。
お互いがお互いを思って、周りの人間を巻き込んで、ケンカもして、お互い歩み寄って前へ進む物語。

ユアーズの話す言葉一つ一つがなんか残る。心に。
特に50話、ラーメンと相談がすごくグッッサリ刺さった。
タカティンの話になるので詳しくは割愛するけど、たぶんここは定期的に読み返すと思う。それぐらい深く刺さった。

刺される淫魔くん 花束

番外編も読んだ。こっちも面白かった。
本編序盤で、お互いの負い目から「友達は無いよなぁ」となっていたところから、最後までお互いのことを友達のように接しているのが良かった。

ほかの友達たちのその後の話があるのも良かった。番外編はこうでなくちゃ。

ユアーズから聞いた話でマインが加古の身を案じたり、加古に魔人の話をしたり、ユアーズは二人の(友人としての)キューピッドだなぁと思った。
ユアーズは生まれ変わった。こうしてほかの魔人たちも生まれ変わって過去の人になっていくんだろうか。寂しいな…

人間の思考力を持った魔人と、魔人の生命力を持った人間
人間っぽくなった魔人と魔人っぽくなった人間
歳の差もほぼ無い二人が共依存(この言い方は正しくない気もする)でいつまで一緒にいてくれるかな。できれば一生一緒にいて欲しいな。

二人になってから、マインは魔界の仕事をしてるんだろうか。してないでほしいな。
この二人は行為をする段階に進むんだろうか。進まないでほしいな。勝手な思いだけど、ふたりはずっと仲のいい友達でいて欲しい。
マインの生まれ変わる期間が分からないし、加古はデカい怪我なら死んでもおかしくない。いつ終わってもおかしくない関係。
願わくば、二人がずっと幸せであることを祈る。


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