見出し画像

紅花は乙女の色

普段行くことのない成城まで小旅行。
出勤するよりも早い時間に家を出て、アトリエシムラの染めと機織りワークショップに参加。

アトリエシムラは、人間国宝の志村ふくみさんの芸術精神を継承、発展させるために設立されたところで、3年前からワークショップをするようになったそう。

今回のワークショップでは、紅花で絹の紡糸を染めて機織りをするので、まず最初に紅花と志村ふくみさんについての話から始まった。

紅花という名前から、赤色色素が沢山含まれているのかと思いきや、わずか1%しか含まれていないそう。残りはカルタミンイエローという黄色色素。
ただ、このカルタミンイエローの黄色色素が、酵素で酸化されると赤色色素になるので、赤色色素は予備軍が沢山あるとも。

とはいっても、紅花で深紅に染めたものは、どれだけの紅花を使って、どれほど高価なものになるのだろうか。


紅花の話で面白いなと思ったのが、
"半夏の一度咲き"と言って、広い紅花畑の中で一つだけ先に咲く花がある。
それを合図に、翌日から他の紅花が次々に咲いていくのだそう。
何でそんな咲き方をするのか不思議。

一通り話が終わると、いよいよ染めの作業に。
あらかじめ用意されていた紅花の染液は、赤くて澄んだ色。
糸を入れると、あっという間に色素を吸い込んでいく。
染液の中で何度も糸を泳がせ、引き上げて、風に当てることを繰り返しながら丁寧に染めていった。

糸の乾燥中

乾いた糸は、はっと目を引く鮮やかなピンク色。
志村ふくみさん曰く、乙女の色。
その表現がぴったりな色に染め上がった。
草木染めといえば、優しくて落ち着いた色味のイメージが強いので、少し驚く色だった。

染めた糸以外にも沢山の糸が用意されていたので、思い思いに好きな糸を選んで織りの作業。
目の前の織り機と糸に集中して、瞑想しているような時間を過ごした。

約2ヶ月後に、自分が織った布が届いた。
これを何にしようか考え中。
ブックカバーにしても良いかもしれない。
紅花で染めた糸がとても鮮やかなので、ポイントに少しだけ入れても良かったな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?