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ホラー鑑賞会(チラ裏感想文)20.09.06分

友人との定期ホラー鑑賞会、そのチラ裏感想文でございます。
今回のお品書き
『心霊 ~パンデミック~ フェイズ20』
『心霊曼邪羅26』
『ゴーストキラーズ 血塗られた少女の謎』
『ゾンビランド:ダブルタップ』
『封印された日本 猟奇事件暴露ファイル File.09 相模原障害者施設殺人事件』


『心霊 ~パンデミック~ フェイズ20』


https://www.amazon.co.jp /dp/B089N5YGCH
https://www.youtube.com/watch?v=hdiJeR05eFs

パンデミックもとうとう5周年、20作目で節目となるアニバーサリーに相応しいスタッフ総力戦。
少し前から少しづつスタイルを整えてきたが完全に「パンデミック」という形が成立してきたのではなかろうか。
MVと見紛う金井ちゃんの調査シーンや、夜道を行く徳丸&金井の映画感など映像作品としての魅力がふんだんに。
純粋な心霊ドキュメンタリーを求める人にとっては異論もあろうが、心霊玉手匣が好きだった自分としては怪異や恐怖といった本筋に加えてこちらへ訴えかける熱量の高さや要所のエモさが堪らなく良い。

前作から続くメインタイトル「あざわらう」では奔走するスタッフをまさに嘲笑うかのように終わることなく様々な事象が襲い続ける。
失踪から帰ってきた横山さん、ようやくカメラの前で主導していく小笠原さんと今までは裏方に徹してきた演出陣が中心となることで事態の深刻さに拍車をかける。
直近の作品でもスタッフに降り掛かる災難は命の危険が付きまとうものであったが、もしかして区切りとなる今作で終わってしまうのではないかと思わせるぐらいに不穏さが畳みかける。

アムモ作品の柱はノッファンだけではないのだと改めてアピールした彼らの戦いが今後どうなるのかをぜひ見守ってほしい。

併せてそろそろ投稿動画も溜まってきたので森澤監督の新しいチャレンジであるホラホラ 心霊動画実況Ch。
https://www.youtube.com/channel/UCqSRgwBVWDyGuY5GRlq0i6w
も観ていきたいところ。

惜しむらくは・・・今回はいつも以上に音声ボリュームが小さくて・・・他のモノの倍近い数値にしてもカメラから遠い佐々木監督の声とかはほぼほぼ聞き取れてなかったりが・・・


『心霊曼邪羅26』

https://lamiaproject.jp/lmds049/
https://www.youtube.com/watch?v=beNuZqka22w

どっしりと事件を追う盂蘭盆と違い、回を重ねるごとに「ディレクター:松本了」としての松本さんの人間性へと抱く視聴者の印象が下がり続ける曼邪羅シリーズ。
さとあずさんが度々酷い目に遭いながらもラミプロで活動するモチベはどこにあるのか心配になってしまう。
悪口?いえむしろ大好物なんです。

悪魔と祟りという一見違和感のあるタイトルだが調査がしっかり進むほどに逆にモヤモヤした気持ちになるメインパート以外はちょっとオーソドックスなラインナップか。投稿映像としては一本目が好き。


『ゴーストキラーズ 血塗られた少女の謎』


https://filmarks.com/movies/91221
https://www.youtube.com/watch?v=NUaXhVZx1a8

ブラジルでもYoutuberってこういう扱いなんだなと、最近は各国で酷い目に合う配信者を見るようになってきましたねw

ゴーストバスターズその他を色々パクったやらせだらけの除霊系Youtuberたちが繰り広げるお下劣ホラーコメディー。
と言ってしまうとB級感丸出しだが実際に内容は相当ひどい。
だがしかしホラーの演出や特殊造形が凄いしっかり作られているので、簡単な説明だけでは良さが伝わりにくい怪作。
下ネタとブラック満載な笑いは好き嫌いもあるだろうが、あのアホさ加減にノれさえすれば登場人物全員のキャラが幽霊を含めちゃんと立っていたりお約束と裏切りのメリハリが効いていたりで満足感が高い。
ちょっとマッタリしてしまう時間帯もあるが108分としては飽きずに見られた。

コメディー全開ながら最近見たホラーで一番ゴアって血しぶき舞ってたんじゃないかなw


『ゾンビランド:ダブルタップ』


https://filmarks.com/movies/80444
https://www.youtube.com/watch?v=qH-fvyvRVDg
『ゾンビランド』が10年の時を経てまさかの続編、しかもキャストそのままという奇跡。
記憶力に欠陥がある自分としては前作ってどんなだっけとなってしまう年月が流れているが、細かい所を覚えていなくても問題なく楽しめた。
生き残るためのルールは倍近くに増え、トゥインキーへの執着も薄れと作中での時間経過もかなりうかがえるが、それによってもたらされた人間関係の変化から物語は転がっていく。
冒頭の安全な「ホーム」での生活は見てる側にも少し退屈さがあるが、そこを脱してからは新キャラたちもまぁ濃ゆいメンツなのでゾンビランドらしいバカっぽさとダイナミックさが堪能できる。
全世界での今週のゾンビ殺しのオマケ要素はピサが大好きすぎる。
誰もまねのできないあのファンタスティックなキリングは今週どころか歴史に残るもの。

ただ「ゾンビもの」としての面白さが高いかというと今作は"続編"としての面白さに比重があったのかなという感じは残念。


『封印された日本 猟奇事件暴露ファイル 

File.09 相模原障害者施設殺人事件』

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B08GQL9GJQ/
https://tocana.jp/2020/09/post_163826_entry.html

『心霊マスターテープ』では最初に取材を行ったことでお馴染みの「TOCANA」製作、日本を震撼させた数々の残虐殺人事件や未解決事件を専門家が掘り起こし様々な映画監督が伝える『封印された日本 猟奇事件暴露ファイル』シリーズ。
以前から発表されていた寺内康太郎監督が担当するエピソードがようやく公開ということで早速視聴。

以前に「境界カメラ」チャンネル内で寺内監督が担当していた未解決事件やオカルト事件に切り込むコーナー「テラコーの妄想推理ドキュメント」とは違い、あくまでも事件に迫るのはその道の専門家であり監督がカメラの前に登場することはない。
現場のリポート以外はほぼパネルトークであり、正直自分の目では各監督の違いを読み取れるのかは自信がない・・・逆に言えば今回は監督先行で視聴したが他のエピソードも興味をもって見ることができるかもしれない。

今回は戦後最多の死者数となる「相模原障害者施設殺傷事件」がテーマということもあり、面白いといった表現は使えないが以前のエピソードの2~3倍の作品時間である52分という時間を感じさせないぐらいに聞き入ってしまうほど興味深い話を聞けた。
当時のマスコミからの情報は凶悪な連続殺人犯象というものを煽り強く押し付けるものであったが、実際に何度も接見し手紙のやり取りもした阿部先生が語る犯人像は、過度に貶めるでも弁護するでもなくかなりフラットに思える形で伝えられているように感じた。
心情的には決して理解できるとは言い難いが、非常に論理的に彼の置かれた状況を理解させられてしまう。
その解説に角さんは強く感情移入してしまうし、寺内監督は「あてはまる予備軍は多くいるはずだが、その上で何故その一歩手前の人たちが罪を犯さないのかを考え知るのにとても大事」と語る。
銃社会ではない日本でわずかな間に50人近い人を殺害するという事件は想像を絶するものがあるが、そこで想像を止めてしまうのではなくあえて深い闇に一歩踏み出し、自分自身のもつ物差しや秤が確たる尺度を示せているのかを考えることも必要なのかもしれない。

できれば映像だけでなく寺内監督へのインタビュー記事も併せて読むこともお勧めしたい。
その上で、あの鬼才寺内康太郎をして「犯罪者以上に阿部さんの方が猟奇的」と言わしめた阿部憲仁先生の熱量の籠った語り口を聞いていただきたい。


結局いつもテラコー作品の文字数が多くなりがち・・・まぁ今回は唯一ネタバレがどうとか気にせず書ける性質の作品であったからというのも大きいが。

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