札幌記念2023考察
■ コース
札幌は坂がなく平坦コースとなっています。
2000mレースの場合、スタート地点は4コーナー奥のポケットからで、スタート~1コーナーまでの距離が380mと長くなっています。
そのため、逃げ・先行争いが激しくなりやすいという特徴があります。
■ ラップタイム(過去5年)
2018~2022の過去5年のラップタイムをまとめてみました。
なお、ラップタイムが11秒台の箇所は赤字としています。
1コーナーまでの距離が長い分、逃げ・先行馬がそろうと先行争いが激しくなりやすく、2021年・2018年は3F目まで11秒台を刻んでいます。
ラップタイムの中で特に着目していただきたいのが、4F~6Fの区間です。
2022年と2019年は5F目で11秒台を刻んでいることからもわかるように、ペースが緩んでいません。一方、2021年と2020年は上記の年に比べてこの区間で一度ペースが緩んでいます。
その結果、2022年・2019年・2018年(稍重開催)はラスト4Fでも12秒台のラップが続き一定のペースで走り続ける持久力戦となっているのに対し、途中で緩んだ2021年・2020年はラスト4Fで11秒台連発のロンスパ戦となっています。
過去5年のラップを見ると、このように大きく2つのレース傾向に分かれるのですが、当然のことながら、レース傾向が違えば好走馬も異なってきます。
■ 好走馬の傾向
上記のラップタイムを踏まえて、過去5年の好走馬を見ていきます。
▪ 2021年・2020年
この2年の好走馬の特徴として挙げられるのが、「マイルG1好走」です。
2021年の勝馬ソダシをはじめ、3着のペルシアンナイト、2020年は1~3着馬すべてがマイルG1での勝利経験があります。
ではなぜこの2年はマイラーが好走したのか?
これは、ラップタイムに理由があると考えています。2021年・2020年は4F~6Fの道中のラップが緩んだことで、ラスト4Fのロンスパ戦になりました。
この場合まず、ラスト4Fすべてで11秒台を刻んでいるように、①トップスピードの速さが要求されます。加えて、②11秒台のラップで走り続けるだけのスピードを持続させる力も必要です。また、6F→7F目でラップが0.5以上はやくなっており、③トップスピードまでもっていくだけの加速力も求められています。
道中緩んだことで、上記①~③の能力が要求されたわけですが、これらはマイルG1を好走するのに必要な能力と同じです。ラップタイムと併せてみることで、2021年・2020年にマイラーが好走したのは必然だと考えられます。
▪ 2022年・2019年・2018年
この3年の好走馬の共通項として挙げられるのが、「スタミナ」です。
2022年2着パンサラッサ、3着ウインマリリンはともに前走宝塚記念からの距離短縮、2019年勝馬ブラストワンピースは有馬記念、3着フィエールマンは長距離G1での勝利経験あり、また2018年2着マカヒキはダービー馬、3着モズカッチャンはエリ女勝利、オークス2着など、前走からの距離短縮or中長距離G1での好走歴があります。
2022年・2019年はともに道中レースが緩まず息が入らないままレースが進んだため、持久力・スタミナが要求されたと考えられます。
■ 今年の注目馬
今年は、アフリカゴールドやユニコーンライオン、ジャックドールなど逃げ馬がそろっています。ジャックドールは脚質に幅があるため必ずしも逃げる必要はなく、アフリカンゴールドかユニコーンライオンのどちらかが逃げる可能性が高いです。かなり豪華なメンバーが揃っているため、この2頭が逃げた場合スローに落ち着かせることはないと考えています。
そのため、今年のラップタイムも2022年や2019年のように道中緩まない可能性が高いとみています。そうすると求められる資質は、マイラー<スタミナとなります。
今年のメンバーの前走距離や実績を踏まえて、以下の6頭には要注目です。
レースラップを踏まえた考察は以上です。
この後は、調教や仕上がりなど各馬の状態面と枠順、当日の馬場などを考慮して最終的な予想を固めていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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