アイスを売らないアイスクリーム屋さん
会社帰りの一服タイム
LOTTE免税店を持つデパートの一角で
小さなアイスクリーム店を見つけました.
20時をまわったころ、私は一人
アイスクリームの気分ではなかったのですか
店頭のお兄さんの手つき腕つきが
つい立ち止まり目を惹くほどに不自然で
スムージーを注文しました←
さて、ここでひとつお願い聞いてください.
いまから5秒間、お洒落なアイスクリーム屋さんの風景を想像してください、さあ目を閉じて~
ほらほら
色とりどりの個性的なアイスクリームが
ショーケースの中に並べられていて
やたら可愛くて長ったらしい名前で
味で選ぼうか...見た目で選ぼうか...と.
ついつい選んでしまうポッピングシャワーが
ホッピングシャワーなのか
はたまたポッピンシャワーなのかと
レジの前で分からなくなったこと、ありません?
この日のアイスクリーム屋さんは、今にも弾けそうなアイスクリームの風景など一切見えません.目の前の9つ前後ある銀色の蓋で塞がれた穴の中に、これからディッシャーで掬われようとアイスクリームが待ち構えています.
そこは無数の蓋がはまるシンクの作業台
蓋つきのシンプルなトッピングが
片隅に並んでいます.
うーん、見えぬ...
“アイスクリーム、どうして蓋するの?”
そう思ったのは一瞬のことで、
それがその店の魅力でした.
“アイス売りのお兄さんの手つき腕つきが
プロの動きをしていて...”
こんな店頭だったら、見た目かわいい~食べたーい!って、アイスの見た目につられてふらっと引き込まれていたとおもいます.
私を惹き付けたのは、お値段からも美味しさが期待できるアイスクリームではありませんでした.
アイス売りのお兄さんの腕の動かし方
深くかぶった帽子と清潔感のある佇まい
スピード感からはイメージしづらい
とびっきりの笑顔、声
アイスクリームを隠す銀の蓋を開け閉めする腕の動きが大胆なのに優しい.アイスクリームにキャラメルソースをかけるテンポが見ていて心地よい.流れるような作業になりそうで、そうは見せないメリとハリ.
“丁寧に作って下さっている”
前に並ぶ6人のお客さんに
アイスが手渡されるのを見ていて
自然とそう伝わってくるんです
不思議でした
“数百円の価値はアイス(だけ)に支払ったものではなかった”
ふと思い出される学生時代のアルバイト先、“ライブ感溢れるエンターテイメントビュッフェ” をコンセプトに、目の前でお作りするスイーツと出来立てのお料理、歌って笑わせてぶち上げるバースデーサプライズ.
お料理が美味いのは当たり前
アイスが甘くてひんやりして
後味さっぱりしているのは当たり前
アイスをお作りする姿勢を売るお兄さん
アイスを作る様子も買えちゃった私
決して安くないアイスクリームなのに
不思議と高いとは感じさせません.
歌を歌う、カチカチ鳴らす
そんな特別なことはしません
決して、急いでいるとは感じさせない
丁寧にお作りする無駄のない手際の良さ
じわりじわりと感動しました.
アイス売りのお兄さんのインタビュー記事があったら読みたいくらい、感動しました.
読み切りありがとうございました^ ^
#アイス売りのお兄さん
#感動体験
#アイスを売らないアイス売り
#アイスを買わない私
#ありがとうございました
#イロナ
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