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初めて漫画を描いたので次があった時のための備忘録を残そう

初めて漫画を描いたので次があった時のための備忘録を残します。
ついに本当の限界ではないnoteです。

まあ、まずはその経緯をまとめておこう。

なんで描いたん?

2020年12月、虹アニメに一旦の幕を閉じる13話が放送されました。これがまた極みofよさだったんだけど、詳しくは記事を読んでくれ。いや読まなくてもいいが。必要なら読むといい。れっきとした限界noteです。

そんなわけでね、ぼくはすっかり限界だったわけですが。ラ!界隈のかわいい漫画を描いてくれるのでフォローしていた、環月紙袋さん( @kanduki_lily )が合同誌の募集をかけていたんですね。

アニガサキ13話、スクールアイドルフェスティバル内にて、メインキャラ・モブキャラ問わず『こんなことをやっていた』『こんなことを考えていた』を、皆でそれぞれのピースを持ち寄ってもう一つのスクールアイドルフェスティバルを形作りたい。私たちにとっての『後夜祭』をやってみませんか。

うわ、コンセプトがよすぎる……。
詳細を見ると、媒体は漫画でも小説でも考察でもいいそうです。

考察。限界noteでやるようなことをきちんと掘り下げれば、一応考察と言い張れるような気はする。

小説。『オリジナルキャラを持ち寄っては異能バトルSSで読者の投票を募り勝敗を決する』という気の狂った遊戯に、(毎度死にかけるとはいえ)何度か参加している。

漫画。環境の変化の際引き継ぎに失敗してすっかり習慣から失せたものの、趣味で絵は描いていた。でも、ペラ1ならまだしもちゃんとした漫画を描いたことってなくないか……?小学生の頃の自由帳以来じゃない……?

ううむ。
今の熱量なら漫画を描いてみたい。
でも合同誌で『やっぱ無理でした』はアカンよな……。前述の気狂い遊戯で『決勝で執筆が間に合わず敗退』とかいうあってはならない前科を持っている。危なすぎるのでは……?
取り敢えずふぁぼって締切いっぱい考えよう……。


……とか思ってたら、(おそらくふぁぼから葛藤の気配を感じ取り)直接お声がけいただきました。
ヒョエ!ありがとうございます。
ついでに聞いてみよう、媒体って参加締切までに決めたらいいですか?
え?提出締切でいいの?
そんな柔軟なことある???


…………いざとなったら限界文章で代用できるのか……(コラ)


いやでもね、ここまでの人生で、自分は残念なことに『責任では特に生産力がバフされない人間』だということがわかってるんですよ(これで何度も人に迷惑をかけた)。だからセーフティーはまじで大事なんですね。

こんなに条件が整っていて、かつ自分にも熱が灯っている状態なんて後にも先にもそうはあるまい。

よし。

やってみよう。


(ちなみに、詳しくは触れないがやっぱりちょっと迷惑はかけました)
(その節はありがとうございました)


では備忘録だ

そういうことに決まって漫画を描いた。
結論から言えば形にはなったし、きちんと自分の熱は載せられたと思う(自分の熱を載せるのが得意)。

とはいえ、「あっ漫画を描くってそういうところも苦労すんのか……考えたこともなかったな…」という部分とか、「だめだ!今からでは時間が足りん!これは切り捨てよう!」という部分は山程生まれた。
ので、そのへん、一回出力してまとめておこう。いつかまた漫画を描こうと思う日のために。

それがこの記事。
限界noteではないけれど、限界になったことにより生まれたnoteです。

ぶっちゃけここからしばらくは本当の本当に自分のためのメモなので、途中でページを離れたくなったら一番下までスクロールしてね。合同誌の情報だけでも見ていってくれ。


まずはプロット編

プロットで困ったこと!

・雰囲気を伝えることしかできない台詞の掛け合いが無限に出てくる
ぶっちゃけこれに尽きる。
SSだとね、そういう台詞の掛け合いは長くても数百文字だから、無限にあっていいのね。基本的にはそのまま利用できる。
……漫画、数コマ使いません!?
しかも台詞だけじゃ完成せんのよ!!場所的リソースも労力的リソースも使いすぎる!!え!?
いや、無限の掛け合い自体は出てきていい。全部使わなくても、自分のイメージを固めるのに有用だから。でも、これをしている時間はSSほどコスパはよくない。最初は会話劇でプロット組んでたけど、途中で「いやこれ何ページ描く気なん???」って書いてやめた。

まあでも、プロットはそのくらい。やっぱ大筋はSSと変わんない。

ネーム編

本題はこっからよ。

・設定画はちゃんと描け
主人公は社会人女性になりました。一人だと寂しかったから横にもう一人。作中に映り込んだモブですらなく完全に捏造した。
すると当然キャラデザを詰めないといけないんですけど、ぼくは「だいたいこんな感じで……強く当たって後は流れで…」ってやってました。いや、キャラデザがっていうかおよそ手を付けるあらゆることがだいたいこう。
設定画はちゃんと描こうな!!特にアクセサリーや小物類は詰めておけ!!わりと終盤までいつも困ってたし、多分そこかしこ描き忘れてるし(追記:ほら!!!!!)、手を付けた時期によって顔も……違うと思う……。
気持ちよくふわふわその場その場で立ち回りたいなら、その時こそスタート地点はちゃんと固めておけ。

・見切り発車やめろ
気持ちよくふわふわその場その場で立ち回りたい気持ちに言及したばかりだが、ネームが定まり切っていないうちから描けそうなところから手を付け始めるのはやめろ。せめて1ページ目からにしろ。
SSの場合はいい。書けそうなところだけ書いて置いておいて、後から接続しても問題は起きにくい。
漫画、違う!!!「ここの接続は後で考えるとして…」をやると、ページの制約がおれたちを苦しめる。どうしたらいいんだろう……わからん……多分ネームをきちんと詰めるしかない……。まあ描いてるときから「ヤバいかな~」とは思ってたんだけど、本当にヤバいぞ。途中で手が止まるタイミングは絶対にあるけれど、それでもネームは完成させろ。コンパス無しに山へ入るな。

・引き出しを用意しておけ
なんで接続で手が止まるかって、演出の引き出しが足りていないからだ。まあ人並み以上くらいには漫画は読むので、ギリギリのところでなんとかはなった、ことになっている。した。
流し読みというものをできないいきものなので、普段から演出面も注視していたとは思うのだけど、『自分が描く』という選択肢を意識していなかったために引き出しの中身に収まった数はそう多くなかった。まあそりゃそう。
これからの目線は変わると思うし、せっかくなので変えておけ。いつかあるかもしれない次のために。

原稿編

真の本題はこっからよ。

まず最初からなんとかなってた部分もある。
仕事でDTPをかじっていたことと、紙袋さんが合同誌用のテンプレートを用意してくれていたおかげで、入稿ルール周りの大部分はスルッと理解できた。というか本当に手厚いな……ありがとうございます……。
あ、ツールはCLIP STUDIO PAINT EXです。

・ペン
ペン。
ぼくはデジタルの『~ペン』と名の付くものがなんか未だに得意ではない。なんか……なんだろう……よくわからんが、使わないわけじゃないけど「苦手だな~」という気持ちが強い。鉛筆系のブラシのが安心できる。これ、単に「ペン入れ後より下書きの方が上手に見える」の延長上の話なのかな?なんというか、デジタルのペンは特に情報量が足りない気がしてビビるので、鉛筆系ブラシを採用した。
そこまではまあいいんだけど、いや本当によかったのかは実際の印刷物を見るまで正直わかんないんだけど、かなり後の段になって「あれ?そういやこのブラシのアンチエイリアスってどう処理されるんだ?」というところに考えが至った。モノクロ印刷は、極小の黒の点を大量に載せて行われている。2値以外の濃淡はこの点の密度だか大きさだかその両方だかで表現されるのだけど(既にガバガバな理解)、そういえば濃淡のあるブラシって綺麗に印刷に乗るのかな?うちには幸い家庭用プリンターがあるのでやってみた。
あっ、やっぱだめだこれ。ひどいことになったので、一度すべての主線レイヤーを複製して線を濃くしてから、統合の後2値化することになった。め、めんどくせえー!
いろいろ試行錯誤するうち、最初から2値レイヤーでブラシを使うと前述の工程と同じような塩梅で線が引ける。なんで?

・コマ枠
クリスタにはコマ割りツールがある。
使うとコマ内をマスクしたフォルダーを生成してくれるんだけど、これもまあ一長一短でなー。まず、枠のブラシ設定を別途行う必要がある。あと実質直線・図形ツールでしか作成できない。ペンツールで自作するかコマツールを活用するか、時と場合によるのがめんどくさそう。まあ、後からコマツールを使おうとするとその時に設定を整えないといけないから、基本はコマツールを使っているのがスムーズなのかなー。わかんねえ。

・写植
今回の執筆はiPad Proをメインに使ったんだけど、当然ながらこいつはフォントに乏しい。あとキーボードに繋いでないのでタイプが苦手。写植はPCで行う必要があるんだけど、一度打ち込んだものをiPadで移動したりするとフォント設定が消える。これがまじでめんどくさい。ある程度台詞が固まっているならラスタライズしておくのがいいのかなあ。慣れてきたら最後の最後まで残しておくとかもあると思うんだけど、どれくらいの吹き出しに何字収まるのかよくわかんなかったし、あとフォントの種類を使い分けたりするとやっぱり写植を入れて確認したいしで、結局答えが出ないなー。
今回は基本のフォントサイズは12px、源暎アンチックをフチ20で使った。

・背景
同人誌は背景がなくてもいい!と言うし、実際そうだとも思うんだけど、それはそれとして『スクールアイドルフェスティバルを見物する名無しキャラ二人』の話をやろうとすると、やっぱあった方がいい。そして、と言いつつ今回はほとんど入れられてない。
じゃあ次回は頑張って背景描くかっていうとそれはめちゃくちゃ大変なので、『素材を用いる』という手段を覚えた方がいい。なんかこう……あるんでしょ。フリー素材なり撮った写真なりを漫画っぽく加工して使う……そういう……なんかが……。とにかく、有事に使える選択肢を持て。

・トーン
今回ほぼ諦めたやつ。
さっき『同人誌は背景がなくてもいい!』という話に触れたけど、これ普通はトーンで飾ることを想定されてるんだよな。ぼくのは背景がほとんど無いうえにトーンもほぼ諦めています。えへへ。
とはいえ後ろ真っ白はまじでヤバいのと、演出上トーン欲しいな~ってシーンもあったので、そこかしこで使っています。ほとんどは苦し紛れだけど……。
これはまじで反省点なので、次回はもっと画面をリッチにできるトーンの使い方をしたいです。多分、使いやすい削りツールも探した方がいい。
あ、あとベタも諦めた。この結果、うちは優木せつ菜すら髪に色が乗ってません。ただ、まじで漫画を通して人間が白いので意外と違和感はない。そこはよかった。でも、反省してます。

・定規
背景ほとんど無いって言ったけど、一箇所だけ、死ぬほど気合を入れて描いた背景があります。私立ビッグサイト学園(別名:虹ヶ咲学園)って言うんですけど……。死ぬほど気合を入れて描いたので、全体の進捗にも当然影響が出て、一番割りを食ったのがトーンです。トーンに回せる時間は多分こいつのせいでほぼ失せた。反省はしているが後悔はしてません。こんなネットミームみたいなフレーズを真剣に言うことになるとはな。というのも、『漫画を描く』って決まった段階から絶対描こうと思ってたんですよね。ビッグサイトを私物化したあの外観がまじで大好きなので……。
そんなわけで描いたビッグサイト学園ですが、なんと正面視点にすると、対象定規を使うことでおよそ半分の労力で描けるわけですね。パース定規と組み合わせて使うことになるわけですが、この定規の挙動がわかんねえ。全然わからん。どのレイヤーに適用されるんだ?対象は利いてるけどパースが利いてない。逆に、両方利いているけどパースだけ解除したい……助けてくれ……。そんな感じになっていた。最終的に、定規を置くだけのレイヤーを用意して全レイヤーへ適用、レイヤーの表示/非表示で定規のON/OFFをした。そもそもこれでいいのかもよくわかんないけど、まあ使ってて困らないくらいにはなった気がする。気がするけど、いつの間にか対象定規の中心と実際の絵の中心がズレていて、地味に調整に難儀したりした。今後はレイヤーロックもするとよい。


んー、だいたいこんなところだろうか。
なんか忘れてそうな気はするけど、まあ思い出した時に書き足せばいいや。


さて。

そんなわけで、いろいろな課題を抱えたままぼくの初めての漫画は出来上がりました。
正直なところを言うと、ちょっと怖くて今日まで完成原稿をなかなか見返せてなかったんだけど、うん。ぼくはやっぱり熱を載せるのが得意だな。こういう人間でよかったよ本当に。

次の機会が訪れたとして今回挙げた改善点がどれだけ活かされるのやら今はまだわかんないけど、もし気が向いたら準備や練習はしてみようと思った。

ぼくは移り気なので、ひとつのことにひたすら研鑽を重ねるのはおそらく苦手なんだけど、『たまらなくこれがしたい!!』という時にこうして実現ができるように、取り敢えず出来る状態にしておくのがだいすきなんだ。

はー、絵が描けてよかった。おかげで漫画が描けたし、次漫画を描きたくなった時はもっと描ける。


まあ悦に浸るのはこれくらいにして、今回寄稿した『虹ヶ咲13話関連合同 オダイバ後夜祭』の特設サイトがこちら。

もう既に超おしゃれ……うれしいな……。

この合同誌では、虹ヶ咲13話『スクールアイドルフェスティバル』に参加した色んな人が登場します。​

同好会メンバーをはじめとしたスクールアイドル、各種同好会、副会長、はんぺん、クラスメイト、通りかかった人、ボランティアなど様々な人たちです。
カプ要素が含まれる作品もあります。​

この合同誌は、あの場にいた、あの場を見た全ての人たちの物語です。
もちろん、これをご覧くださった『あなた』も例外ではありません。
楽しい後夜祭をお過ごしください。

こういう本です。(通りかかった人担当)

総勢47人、漫画9作+考察4作+小説31作の300ページでお送りする、背幅2.4センチの合同誌ですってよ。すごいね。

委託もあるので、気になったら買ってみてくださいな。


素敵な本に寄せていただき、本当にありがとうございました。
実は内心ウッキウキなんだ、ぼくは。


おわり。

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