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未知の恐怖

子供の頃、暗闇が怖かった。寝る時ですら暗い部屋で寝たくなかったものだ。今思えば何に恐れてたのだろう?考察すれば僕は暗闇そのものを恐れてたんじゃなくその奥から出てくるかもしれない”未知”を恐れていたんだと思う。暗闇からすっと幽霊が出てきたら?ゾンビが?死体が出てきたら?そんな想像が子供の想像力にかかれば現実に思えてくるものだった。

スティーブンキングという作家がいる。彼によると彼は子供の頃、スタークウェザーという州を渡り大量に人を殺した殺人鬼、彼の邪悪さに興味を持ち新聞のスクラップを集めていたそうだ。しかしキングは恐怖を感じなかったわけではない。彼は人間の邪悪さに対して人一倍恐れを抱いていたという。
その恐怖を小説に落とし込むこそ肝要らしい。

僕も臆病なほうだ。ただし暴力や死に対して恐怖を抱いたりはしない。恐怖を抱く対象はハッキリしている。未知である。
未知がどんな恐怖よりも恐ろしい。僕は何をするべきでどこへ向かっていくのか?そしてどんな結果が待っている?どんな苦痛が?
人生は未知だらけである。思えば暗闇を恐れていたのも未知のせいだった。
今では暗闇には何も恐れるものはないと知っている。経験のせいだ。
だが人生の未知は誰にもわからない。
いつ人は死に。いつ人に出会い。別れるのだろう?
僕はキングのように恐怖を何かに昇華出来るか?
人生の未知は本当に恐ろしい。だから生きるのが苦しいのだと自分でふと思った次第である。

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