人手不足の正体。

世の中で「人手不足」と言われている。

有効求人倍率が云々と政治家の皆さんは胸を張っているが、皆さんご存知の通り、団塊の世代などがドーンと引退したが故にパイが広がっただけで、政策がいい具合にはまった訳ではない。

地方在住の就職氷河期世代である私は、実際の求人数を見て「本当に人手不足なのかな?」と首を傾げることが多い。

確かに以前と比較すると「求人」はある。
あるにはある。
但し、雇用条件を見ると正直なところ「最低限の生きていくに必要な金額」に達するか否かというようなものが多い。所謂ワーキングプア直結。
要は「安くて使い潰せる人間」しか地方の企業は求めていない。単なるコマ、歯車としてしか見ていないということが「雇用条件」を一目見ただけでわかるような企業に我が身を投じる気には到底ならない。

就職氷河期とされた時代も、絶対数は少なかったが、求人自体は稀にあった。あるにはあったのだ。しかし、就職難を逆手に取った“定額使い放題”のオンパレード。
「週休1日、総支給12万円、交通費支給なし、賞与なし」なんて条件のものならある程度あったし、それでも雇用形態が正社員であれば多少なりとも応募があったのだ。どうやら。まさかの。実際に私も応募したことはある。
(しかし、普通自動車免許を保有していないことを理由に不採用となったことが多々……地方あるある。余談)

地方の中小企業は、その頃のうまみが忘れられない…ように見える。

「あの頃はそれでも応募があったのに…そう思うと、簡単に給与なんて増やせないよ」なんてことを思っている経営者は未だにいる。
時代が変わってしまったことにも気づかずに、底辺だけを比較する。

比較対象は過去の雇用条件だけではない。
近隣地域の雇用条件とも比較する。但し、給与等で低い金額を競う。
「あの会社が✳︎✳︎✳︎円で採用できているなら、ウチも同じ金額で」なーんてことを平気で言う。その上で「使える人材」を求める。

「求ム、即戦力! 求ム、経験者!」
……そんなうまい話があるかいな。
まぁ、ひと目で「ブラック」とわかるので、捉えようによっては求職者にとってありがたい話かもしれない。

求職者にとって好条件を提示する企業は、他の企業から頭をひとつ抜け出すための対策として行っているのである。言わば、求人を「投資」として考えている証でもあろう。

そこで、求人する企業に改めて考えて欲しいのは「何のために求人するのか」という目的である。

・これから長く活躍してくれる人を育てたい
・とにかく今、即戦力が欲しい
・急な増産対応のため短期で急募
・猫の手も借りたいほど忙しい
・現在の従業員にゆとりを持たせるため
・業務拡張のため


理由や目的が明確になれば、どういう条件を提示すべきかの方針も定まるし、求人手段の選定にも繋がる。

いくら終身雇用の時代が終わったと言われても、採用する以上は個人の人生に関わるのだということもぜひ念頭に置いて欲しい。


次回以降は、実際の求人手段や採用後の動きについて妄想を継続します。予定。
(とか言いつつ、ふつうに日記を書いたりして)




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