見出し画像

辿り着けなかったデッキリスト【ミラダンテcupの振り返り】

こんにちは。チームGlänz所属のiroと申します。

先日まで行われていたミラダンテcupでの取り組みについて、自分の中でまとめようと思い、筆を取ることにしました。
前回、前々回のような構築記事ではなく、個人的な省察が中心となりますが、もしよろしければお付き合いいただければ幸いです。

成果と構築

以下のデッキリストを使用し、ADにて最終9位となりました。最終レートは1705でした。

コダマンマ4枚目はザ・レッドやターボ3と入れ替えつつ使用

このデッキリストはSNSで流れてきたものを、超次元の部分だけ変更して使用したもので、私が組んだものではありません。

他人の褌で大変恐縮ですが、僭越ながらこのデッキの強みを簡単にまとめると、以下のようになると感じました。

《革命の鉄拳》、《アクア・カスケード》による防御性能

《クロック》、《ドンドン吸い込むナウ》だけでなく、革命0トリガーの革命の鉄拳、また《ボルシャック・ホール》から出るカスケードにより、従来のレッドゾーンデッキと比べ、防御力が飛躍的に上昇しています。カスケードは現状ADでしか使用できませんが、パワー4000なのが非常に偉く、特にミラー対面のボルシャックホールで貫通されないため、相手に《轟く侵略レッドゾーン》を要求することができます。《キル》と同時に出せば、手打ちの吸い込むもケアできます。
革命の鉄拳については後ほど詳しく書きますが、主にミラー対面において大変重宝されるカードでした。例えば盾が2枚以上ある場面では、リーサルの場面で殴ってくるのはほとんどが小型になります。このカードを持っていれば、逆リーサルでのノートリ負けを恐れずに相手を詰めにいくことができます。また、盾を割り切られた場合であっても、相手のクロック等が即負けにならないため、盾から加わって増えた手札で戦うといった戦略が生まれます。
即時打点を作りやすく、逆転しやすいレッドゾーンデッキにおいて、防御性能が上がることは勝率の大幅な上昇に繋がりました。

なお、本デッキにおける革命の鉄拳の火力は、以下の表のようになります。

例えば、12000火力で相手のレッドゾーンを破壊できる確率は35%です
同様に、7000火力は77%となります
火力の期待値は右下の8492となります
(確率はすべてゲーム開始時のものです)

手打ちの際や、逆リーサルのリスクを考える際、この数字を見ながらプレイ方針を決めていました。

豊富な小型キャントリップクリーチャー

《コダマンマ》、《グレンニャー》が合わせて8投されており、また《アリス》による質の高いリソースも受け取れます。
これらはレッドゾーンの初動として非常に強力でした。
また、ADではビッグマナやドラゴン系のデッキが多く、コダマンマのデメリットがあまり気にならない対面によく当たりました。同時に、それらのデッキには早いターンからクリーチャーを出して速攻を仕掛けていくプレイが有効であるので、非常にADの環境にマッチした初動カードたちでした。

レッドゾーン8投の破壊力

前期、私はメタカードに枠を割いてしまい、《レッドゾーン》を4枚、《レッドゾーンZ》を3枚で回していましたが、やはりちゃんと8投できるとパワーが違うように感じました。
例えば、2ターン目にコダマンマ、3ターン目にアリスを出して1点、その後4ターン目に下バイクとセットでレッドゾーン2種が揃ってしまうと、相手は焼却以外の3枚の盾から2枚のトリガーを要求されることになります。
この破壊力こそレッドゾーンの最大の武器であり、手札を多く蓄えられるこのリストではそれをしっかりと活かせています。

戦績

7月14日 昼〜夕方
 19勝9敗 1600付近→1621
7月14日 深夜
   9勝3敗 1621→1658
7月15日
 10勝1敗 1658→1705

ラスト2日間の勝率は74.5%でした。

ADでは初めての17&最終一桁順位でした

以上、このデッキリストが如何に素晴らしいかを書かせていただきました。

デッキ制作者の方の多大なる努力に敬意を表したいと思います。また、それを惜しげもなく公開してくださる寛大な心にも、最大限の謝辞を送りたいです。本当にありがとうございました。お陰様で、楽しくデュエプレができました。




ここからが、私が今回、記して残したかったことです。

なぜ私はこのデッキを作ることができなかったのか

前回のnoteで長々と書いた通り、私は前期レッドゾーンデッキで800戦以上ランクマッチに挑み、カードプールを毎日のように眺め、デッキを作っては投げ捨て、作っては投げ捨てを繰り返していました。

レッドゾーンのありとあらゆる可能性を試したつもりで、今期の環境において、新しい形の強力なレッドゾーンデッキが生まれるとは全く思っていませんでした。
レッドゾーンに関して各所で様々な議論が巻き起こっていたかと思いますが、結局は《トップギア》の速度と柔軟性、《ターボ3》の強烈なリソース力に頼らざるを得なくなるだろうと考えていました。

ところがこれです。
安定性と防御力を併せ持ったこのデッキリストは本当に強く、私を初めてのAD1700に導いてくれました。嬉しさも勿論ありましたが、同時に悔しくもありました。

起源主張をするつもりなど1ミリたりともありませんが、《革命の鉄拳》やリソース札を多く搭載した形のレッドゾーンデッキを組んだことはありました。
しかし、私はこれらのデッキに×を付け、別の可能性を探る方向に舵を切ってしまったのです。

5月末に作成 数戦後、デッキリスト削除😇
6月8日に作成 パワー不足を感じ、削除

色々と作ってはスクショだけ残して消し…を繰り返していた時期で、あまり記憶がありませんが、精一杯思い返し、今後のために、なぜ私が今回のリストに辿り着けなかったのかを纏めたいと思います。

特定のカードへの固執

そのカードは《アンタッチャブル》です。
大好きなカードで、本当に強力なカードだと思っています。

ただ、相手が無益なトリガーを使わない場合もあるため、本当にデッキにとって有効に働いているのかどうかを確かめづらいカードでもあります。もしかしたらそれが遠因になっているかもしれません。

私は好きなカードや、強烈な成功体験をくれたカードを盲信してしまう癖があるようで、本当に有益に働いているのか、そしてその頻度は高いのかなど、客観的に評価しなくてはならないと感じました。

なぜ負けたのかの記録を怠ったこと

なんとなくこんな感じ、ではなく明確に負けた理由を記録することです。それを怠っていました。
前回の記事では、勝てなくなった理由を「攻め方がバレて対応されるようになったから」としましたが、正直これも後から考えたことであり、まるっきり嘘というわけではないと思いますが、100%この通りであるとは言い難いです。なぜならば、なぜ負けたのかの記録が無いからです。

デッキ制作において、なぜ勝てたのか、なぜ負けたのかを明確に記録することは何よりも大切だと感じました。

他のデッキの強みを理解し、還元することができなかった

今回、このADのリストを握ってみようと思ったきっかけは、《サソリス》デッキを使用してみた体験からでした。
サソリス自体は前弾環境からたまに使用しており、今弾になってからも、レッドゾーンの試行錯誤で失ったレートを戻すのに重宝していました。

周知の通り、非常に強力なデッキです。サソリスデッキの強みの一つに、《トレジャーマップ》や《未来設計図》、《ジャーベル》によるデッキの「安定性」があると考えています。思ったように展開できないような事故は極端に少なく、平均値の高いデッキです。

今回のリストに入っている《アリス》は、同等とまではいきませんが、事故防止に一役買ってくれるカードで、《ハルカス》ではなし得ない働きをしてくれます。
サソリスの例から、アリスの入ったリストに可能性を感じ、私はこのデッキを握りました。

ハルカス等を入れたタイプのレッドゾーンデッキを使用した際に感じたパワー不足は、アリスに変わり、デッキの安定性が向上したことによって解消されているように思えます。
アリスはNDでは使えないとはいえ、ライバルデッキとの差はなんであるかを考えれば、「ADでのアリス入りレッドゾーンが強力である」ことに辿り着けたはずです。
デッキの新しい・古いに関係なく、なぜこのデッキは強いのか(強かったのか)を明確にし、多方面に活かすことは非常に有用だと感じました。

カードの試し方が良くない

革命の鉄拳について。

このカードによって、守りが安定したことにより、攻め方の広がりが生まれました。逆リーサルのケアを行うことができるからです。体感的ですが、攻めていたのに、こちらノートリであっけなく逆リーサルを取られる場面は、やはり大幅に減ったように思えます。《サソリス》の《ボアロパゴス》下の《オチャッピィ》、《アクアスーパーエメラル》や《ホワイトグリーンホール》や《エメラルーダ》など、確率に頼らない受け札の強さを味わいました(鉄拳は少し運が絡みますが)。

また、序盤の除去を担うこともできた点も優秀でした。従来ならばレッドゾーンに侵略する必要があり、それは相手の盾にTブレイクをすることになるため、盾から与えるリソースにより、コントロール的に除去を行うことはできませんでした。

チームサーバーに残っていた当時の私の評価
なぜ突き詰めていかなかったのか…

特にこのカードの評価が甘かったのが、今回の一番の反省点でした。
低く見積もっていたわけではありませんでしたが、試し方が良くなかったように思えます。カードの強みを理解する前に、デッキを崩してしまっていました。その証拠に、前期は手打ちしてサソリスや白単の展開を妨害するプレイを取ったことがありませんでした。
カードの評価にも、やはり記録が大切なのかなと感じています。

ちなみに、以前Xにも投稿しましたが、このカードの火力について、他の革命0トリガーの確率(4投、その他はフルクリーチャー)は$${\cfrac{36}{40}=90\%}$$であることを踏まえると、同様に90%の確率で除去できる火力ラインは、デッキ内で17番目に大きいクリーチャーのパワーということになります。

$$
1-\frac{ _{23}C_{4}}{ _{40}C_{4}} \fallingdotseq 90\%
$$

となるからです。
私が使用したリストの場合は、コダマンマですらなく、グレンニャーの1000ラインとなります。低い……。こう考えると結構な博打カードですが、7000火力が8割弱確保されており、勿論12000火力の上振れもあるわけで、リスクを受け入れた上で使うべきカードだと感じました。やはり赤は主人公カラーだけあり、ドキドキハラハラを届けてくれます実際には悲鳴か舌打ちです

ちなみに同様の計算で、8割ライン(例えば黒単に《ボーンおどりチャージャー》と《裁門》を4枚ずつ)は13番目のパワーのクリーチャーとなります。
なお、私が最終日に唯一負けた試合は、《ゴーストタッチ》とチャージャーが入った黒単から《裁門》が飛んできて、見事そこから捲られました。台パンしました。

おわりに

以上が私の今期の反省文になります。
またなにか思い浮かんだら加筆しようと思います。

総じて、デッキの調整に関しては、直感やイメージに惑わされないよう、論理的に行わなくてはならないことを再確認しました。記録がとても大事。

もちろん、楽しく気楽にランクマッチに潜ることもとても大切で、モチベーション維持にも一役買います。ただ、それで負けてしまった時、「このカード違うかな…」などとデッキを弄るのは、少し違うのかなと思いました。

偉そうなことをつらつらと書きましたが、これらのことを、私自身どこまで実践できるかは分かりません。

それでも、こうして明文化しておくことで、うまくいかず嫌になった時、どうしたらよいかわからなくなった時、振り返って反省する材料になるかと思い、今回このnoteを書きました。

みんなそうだと思いますが、本当は楽しくデュエプレしたいだけなのですが、そこで勝ちたくなってしまいます…
ガチでやることだけが全てではないと思いますが、勝てるとやっぱり嬉しいんですよね…
ままなりませんね…

それでは、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?