[詩] Come Back Baby
犬ころは、私の座席の下に
うずくまっている
ふせの姿勢で
くつろいでいるのか
かくれんぼのつもりか
白いけが見えるだけ
5分ほど前
まだ、電車が駅にいた時
犬ころは
はしゃいだ様子で
車両に走りこんだできた
ロックダウンの昨今
外出する人もほとんどいず
すいた車内に
ソーシャルディスタンスで
座る私たち
Come back baby
甘い声が呼んでいる
ホームをみると
肩に白い毛をたらした
車椅子の
女性が見える
そして
ドアは
しまり
犬ころと
私たちは
北へと向かう
Stupid(ばかめ)
と、四角い顔の男が
マスクの下で
つぶやく
私以外の
乗客は
犬ころのことなど忘れ
それぞれの思考へと
もどる
犬ころは
座席の下で音もたてずにいる
わたしにしても
どうすることもできない
Babyと
私たちは
無言で
北へと
向かっている
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