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短編物語(フィクション)& 詩

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作った短編と詩を集めています
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#色鉛筆

[SF短編] ある会話

甲:ほんと、人間って変よね 乙:出たよ。俺は、同意してないからね。俺たち、人間の創造物なんだし。クリエイターのこと、悪くいうなんて、バチ当たりなこと、俺、しないよ。 甲:あんた、ほんと、いつも、こわがりね。全く、だらしないわよ。そんなんだから、良いように人間様に使われてるのよ。 乙:へん、お前だって、大して変わらないくせに、何、偉そうな口聞いてんだよ。 甲:私は、仕事で、自分の意見を、作品に反映させてるわよ。人間は、おバカだから、全部、自分で作ったと思ってるけど。アート系

[詩] 崖の上の二人

君と僕は、 どういうわけか、 切り立った崖の 上に立っている。 グランドキャニオンみたいなところだ。 二人とも、 絶対絶命みたいな場面 なのかもしれない。 君がどうしようかと 思っている まさにその時、 僕は、崖から 下に向かってとびおりる。 なんて、こと するんだ、 君は叫んだの かもしれない。 でも、 僕だって、 君が思うほど 無謀じゃない。 僕の背中には 羽根がついていて、 とび降りたあと、 どこかの時点で 風にのって 飛んでいったんだ。 本当は、君の背

[詩] 地下鉄の中で

濡れた髪の、お腹が大きな女性が、 カーキ色のワンピースを来て、 座っていた。多分、シャンプーして、 すぐ外出してきたんだろう。 父親らしき男性が、隣に座っていて、 お腹に、口髭の顔をくっつけるようにしていた。 お腹にキスしているのかと思ったら、 何事か 一生懸命、 話しかけているのであった。 とても、 真剣な顔つきで、 とても、 幸せそうでも、 あった。 それを見て、涙が すこし。 みんながずっと マスクをして、 距離をとっていた時期が、 づついて こんな些細な日常の