マガジンのカバー画像

随想(エッセイ)

66
その時、浮かんだことを書いたもの
運営しているクリエイター

#詩

LaborDay スケッチ&水彩画&詩

アメリカは、今週の月曜日、Labor Dayでした。Labor Dayは、日本で言えば、勤労感謝の日という感じでしょうか。毎年、9月の第一月曜日になります。夏の終わりで、学校も、新学年が本格的に始まります。 わたしは、17年前のLabor Day直前に、アメリカに来たので、これで18年目に突入することに。最初は、半年くらいの感じできたのですが、結局、長く滞在することになりました。 いやー、17年のアメリカ暮らし、大変でした。けど、考えてみれば、ずっとアメリカに住んでみたい

私の好きな 石垣りんの詩

『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』 久しぶりに読んでみた。 いつも、少し泣きたくなる。 家事が女性だけの仕事だった頃。 毎日、愛情だけでもなかっただろう。好きで家事したり、子供の世話をしていたばかりじゃないだろう。男の我儘に、腹が立ったこともたくさんあるだろう。そんな、私の前にいた女性たち、母や祖母たち。 石垣りん、それを言わずに、読者に想像させる。 最後に、女の涙や悔しさまで、ぜんぶ、ひきつれて、肯定してくるので、かなわない。 この詩は、お説教だと思う人がい

『奴隷根性の唄』という詩

時に、思い返す、金子光晴の、『答辞に代えて、奴隷根性の唄』。 読んだことない方には、全文を、検索して読んで欲しいのだけれど、これは、最後の部分。 ここだけ、読めば、金子光晴は、どこか異国ににいる、鎖に繋がれた奴隷について、書いていると思う人がいるかもしれない。 私は、第2次世界大戦直後に発表されたこの詩は、わたしたち、にっぽん人の『奴隷根性』について、問おていると思っている。 鎖は、すでに切られているのに、自由に生きることを、ためらい、自らしない、できない。とくに、周

[詩] 晩御飯の前に、少し横になった

目が覚めると カーテンのすきまから 窓の外にあるはずの 夕焼けの光が さしていた 室内の静けさの さきには 夜に向かう 外の世界があり そのさきに もう一度 からっぽの この部屋が たたずんでいた