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女芸人No.1決定戦THE W2020の一味違った良さ

3時間しっかり観てちゃんと感想を抱いたので書きました。総合してつまり面白かったよとしか言ってません。吉住さん優勝おめでとう、ネタめっちゃ良かった!!!

なんだかんだ第1回から欠かさず観てるんですが、今回が正直一番滾りました。自分の女性としての自己肯定感みたいなものすら高まったような気がします。まだやってやれんぞ! 的な。どういうこと??

TEAMBANANA

安定感が終始持続してて、そこにお二人の地力が見えたような気がしました。基盤がしっかりしてるからネタの中身に集中できる感じもある。山田さんの語り口と藤本さんの表情が馴染んでて達者で、噛み合ってて気持ちよかった。こういう女性ならではの着眼点のネタはたくさんありますが、それを自分達のものにして再調理しこなせてる感が凄い。こういうバリバリ喋くりの要素のある漫才はやっぱり良いですね……。トップバッターのこのネタで今回のtheWのレベルがめちゃくちゃ高いことを再認識しました。

オダウエダ

この突拍子のなさすごく好き。これはこういうことで……とか安易な説明はいらん、ただわけ分からんまま笑っとけ!っていうのが突き抜けていく感じ。あとオダさんの声(声質)が、なんというかデカいのにしつこく繰り返されても「うるさい」が「おもろい」を超えないラインを保ってて良かったです。自作の小道具、世界中どこ探しても本当にこのネタでしか活用場所が無さ過ぎで面白かったな。後半のメリッサ掛かりだした件でまんまとハマりました。オチが余裕でトリッキー過ぎる。選曲センスにも脱帽です。

にぼしいわし

いやめっちゃ面白い。うわー面白い!! 去年の決勝進出者としては正直濃い印象を持っていなかったのでさらに衝撃でした。発想の切り口、地味な中に奇抜さが埋め込まれてる感じですごい好みです。ツッコミの基本ロートーンで山場ガツンと決めるところが良いし、にぼしさんがボケだす時の得体の知れなさも面白かった。事前Vでいわしさんが「前はただ立ってるだけだったので、動きを取り入れたネタを」と言っていましたが、確かに観やすくなって緩急ついててプラスに作用してるなー! と素人目に思いました。

紅しょうが

二本通してですが、観た後無性に「大阪の劇場行きたい!!!」ってなった。勢いが素晴らしいな。視聴者をそういう気持ちにさせるパワーが宿ってるわ……。ツカミは今大会で一番もっていってたと思います。ネタも尻上がりに面白が加速していく感じで気持ちよかった。稲田さんのちゃんと動じない落ち着いた口調好きです。それでさらに熊プロさんの馬力あるボケが引き立ってる感。ばっと振り切ったボケしたあとの第一声外さないのも強い。 二本目は一本目に比べてダイナミックで舞台広く使う感じが良かったです。稲田さん担ぎ上げるくだり二回も入れるの身体張り過ぎで面白。主観にはなりますが、いつでも面白いって信頼があるから安心して笑えます。

ターリーターキー

バタバタとした中で決勝進出が決まって、しっかり自分たちの色を出したネタをされたことにまずお疲れさまでしたと言いたいです。ネタ、短い尺でも社長と部下の気の置けない関係性がしっかり見えてて良かった。部下がちゃんと微笑ましいし、社長のやきもき感も面白かったです。プロジェクト失敗の件とか、もう少し長い尺で観たらもっと面白くなるネタなのかな、などと思いました。そんでやっぱりどう考えても二人とも美人が過ぎる。玉さんハスキーボイスのギャップもめっちゃ活きてて惚れちゃうよ。

Aマッソ

新境地やばい。やっぱりAマッソがここに出てくれて良かった。たしかに他の賞レースではできないネタで、theWの存在意義はこういう部分にあるんじゃないかと思います。もちろん優勝できるようなネタをおろすことも重要ですが、このネタがほかのどの大会で審査されることが適切かと言われたら、異色ゆえに中々照準を合わせられないよなと勝手に考えてます。出来るのに今まで誰もやらなかった/やろうとしなかったことを高水準で完成させるところに、ラーメンズ(というかコバケンの作る舞台)に感じたような感動を覚えました。でもニコ動の件とかは個人的に意外だった。Ąマッソの奇天烈ストロング漫才(勝手に俗称つけんな)が好きなので、こういう実験的なネタもしつつまた漫才も色んな所で観たいです。

ゆりやんレトリィバァ

私はゆりやんのカツオがツボらしくて見るたびめちゃめちゃ笑ってしまうのですが、これは過去一腹捩れるほど笑いました。そもそも声真似が全然問題なく似てるのも好き。ほんとに「姉さんは大きな間違いをしてるよ~」一本軸でひとネタやりきる手腕が凄い。次いでサザエさん登場からの提供にも「姉さんは~」がクレジットされたところでもうダメでした。これから本家アニメ見るたびに思い出しそうで怖いです。変なインパクトがあと引いてやばい。ネタ後の平場も抜かりなく面白かったな。全体的に世界を観てきた人間の笑わせ方過ぎるじゃん。

吉住

最初の「女審判」っていうワードで謎にしばらく笑える。女性のピン芸人さんはこういうシチュエーションでネタを展開させることが多いですが、そこに女審判か絡んでくるとこんなに面白くなるのか……と衝撃でした。私自身は野球に明るくないので、中継ぎが、とかホームランをファウルに、とかこのくらいのディテールがちょうど良く笑える感じでした。詳しい人が観たらまた違う感想を抱くかも。ずっと面白かったです。

二本目、歩く時の細かい所作とか語尾の切り方、首の振り方とかがリアルじゃないのにリアリティ出してて凄いなと思いました。あとネタのテンポが軽妙で良い。シチュエーションの殺伐さとアンバランスな感じになってて楽しかったです。一視聴者としてですが、ネタが審査員や会場審査の観客にかちっとハマっている感じがしました。

はなしょー

去年決勝でしていた幼稚園のネタも好きでしたが、今回のは分かりやすく笑えてさらに良かったです。しょーこさんの素とは真逆のキャラ設定も振り切れてて、はなさんの独特なツッコミ方とも合ってて面白かった。設定はベタなのかもしれませんが、分かりやすい温度で笑いどころが伝わるのがはなしょーの持ち味なのかなと思いました。ネタに対しての演技力が高いお二人なので、コントの中でもやや演劇よりのシチュエーション(どんなものかはすっと出てきませんが)が似合いそう。

ぼる塾

事前Vの酒寄さんでちょっと泣きそうになった。そうだよ……カルテットだもんね……! ネタ後半の新しい展開の仕方めちゃ良かった。あんりさんの本音がついに田辺さんへ向いた時の「待ってました」感面白かったです。徐々にこういう方向へシフトしていくのでしょうか。はるちゃんのほのぼのしたトーンとあんりさんの鋭めなツッコミ、田辺さんの「田辺さん」感のバランスはやっぱり無二のものなんだろうな、と思います。四人になったらどんなネタ展開になるんだろう。元のしんぼると猫塾でのネタをあまり詳しく知らないのですが、対酒寄さんとの関係性も面白そうなので色々楽しみです。


М-1に関してはお祭り感強くて色々喋れる機会もあるのですが、theWの話となると、現実世界ではまだこんなに話せる相手がいないので悲しいです。めちゃめちゃしっかりした賞レースだと思うんだけどな……。いやまあそんな価値観は些末事か。全員素敵でした。来年も観ます。