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中小企業診断士試験において独学という選択が絶対ダメな理由!

「中小企業診断士の資格取得の勉強を始めようと思っているのですが、TACなどのスクールに通うのが良いと思うけど、テキストや通信教育などで独学で進めるのは厳しいですか?」
という質問を受けることが多い。
結論から言うと
独学で進めることのメリットは「費用(目先のキャッシュアウトがないというメリットのみ)」だけであり、基本はデメリットしかない。
僕自身、TACの通信教育で勉強を始めた結果、合格まで7年かかった失敗談を踏まえ記事にするので、参考にして欲しい。

■本記事のテーマ
社会人の国家取得の勉強において独学は非効率であるという理由

■中小企業診断士試験において独学という選択は絶対ダメな理由!

わからないところを理解するのに時間がかかる

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中小企業診断士の勉強の範囲はとても広い。
その為、社会人であれば自身の仕事と関連する試験範囲は必ず存在するだろう。
しかし、逆に関連しない範囲がとても広いというのも事実だ。
僕がそうだったが、財務や会計をやっていない人にとっては財務会計科目は鬼門中の鬼門になるだろう。
他にも経済学は文系の人には苦労するだろうし、法務は専門用語や言葉の言い回しがとにかく難しい。
今まで触れてこなかった知識であるので面白いと思うのと同時、どう理解したら良いのか?
ということに悩む。
しかも社会人は学生と違い勉強できる時間が少ない。
そのため効率的に勉強する事が求められる。
その為重要になってくるのが「理解するための手段」だ。
独学で勉強をしようとしている人は「答えと解説を見ればわかる」と思っているかもしれないが、解説に書いている言葉は専門用語であったり、知識がないと理解できないものもあったりする。
つまり、わからないとなった時には、それを一人で理解するのはとても時間がかかるのだ。

そこで、効率を高めてくれるのが“講師”だ。
講師は効率的な回答方法や、ストーリーや感情を入れたわかりやすい解答を教えてくれたりする。
DVD授業でも質問シートなどでわからないことを聞いて、教えてもらうなどでも良いだろう。僕自身はそう思っていた。
しかし、その選択が間違っていたことにはすぐに気が付いた。
リアルタイム性がないという事がとても効率を悪くするということと合わせ、細かい質問をすることができないということが理由だ。
僕自身がざっくりした理解で記憶することが苦手だったという事もあるが、とにかく回答を理解するのに時間がかかった。
更に理解できなくても「わかったふり」をして理解できていない問題を後回しにしていたようにも思う。
もちろんそういう問題は後程大きなつけが回ってきていた。

とにかく、リアルタイムの質問と、相互コミュニケーションによる解法の説明これが非常に重要だったのだ。

最も効率的な勉強は予習を先に、授業は答え合わせ

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最高の勉強法とは何か?
聞いたことはある人もいると思うが、アクティブラーニングである。
アクティブラーニングとは何かわからない人に簡単に説明する。
それは泳げない人が泳げるようになるためのステップを考えればすぐにわかる。
「水しぶきを上げないようにしながら右腕を回し、水中では水を後ろに押すようにする。
頭は水の抵抗を作らないように、頭を水の上に極力出さないようにする。
足は太ももから蹴るようにバタ足をする。」
という方法論をプールサイドで一生懸命覚えている人と
「泳げないけどとにかくプールに入って、不細工だろうが何だろうがとにかくバタ足でも、犬かきでもいいから泳いでみる。」
という、やってみるという人。
比較するとどっちが速く泳げるようになるのか、感覚で理解できると思う。
後者だ。
それは人は失敗からたくさんのことを学ぶからだ。
泳いで失敗し、なぜ泳げなかったのか?と答え合わせをコーチなどに聞き、自分でそれを咀嚼し考える。
そして次の泳ぎでそれを意識してやってみる。
この繰り返しが人を早く成長させる。

では、勉強においてのアクティブラーニングとは何か?
それは自分で考え、自分で問題点を見つけることだ。
つまりアウトプットが先で、わからないところを理解するためにインプットをするということだ。
授業があるならば、授業を受ける間に予習でテキストを理解しようと勉強し、問題を解いてみ。
もちろん理解は浅い為、問題が解けなかったりする。
その状態で授業に入るとどうなるか?
自身で考えてわからなかったことの答えを、講師が教壇で説明しているのだ。
つまり、アクティブラーニングをした後の答え合わせを授業でするということだ。
しかも授業では丁寧で深い知識で解答を教えてくれるし、それでもわからないところがあれば、授業終わりに質問もできる。
こうすることで、わからないということを持ち越さなくて良くなるのだ。
これで理解することに苦労することはない。

独学だとこのアクティブラーニングのサイクルを回すことが難しくなる。
理由は生徒のレベルに合わせたスピードや説明方法ができないからだ。
これは大きなデメリットである。

強制的に集中できる時間を作らないと効率が悪い

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僕の勉強場所は主にスターバックス、タリーズコーヒーだった。
少し騒がしい空間で、人の目がある場所でノイズキャンセリングヘッドホンをつけて勉強する。
これが僕の昔からの勉強スタイルだった。
しかし、これには大きな落とし穴があった。
それは勉強のリズムが自分次第になるという事だ。
これは悪いことでもないのだが、自分でリズムを決め、守るという事が思いのほか難しい。
例えばスマホの通信学習をスタバで受けていたが、授業は90分あった。
その間トイレに立ったり、のどが乾いたら一時停止をして飲み物を買いに行ったりしていた。
落ち着きがないという事ではないが、これら気になったことを「我慢しよう」というブレーキがかからないのだ。
更に、メールやラインなどスマホが鳴れば少しスマホが気になる。
その度に集中が途切れてしまうのだ。

その点、通学生は強制的に授業時間は集中できる。
さらに、スマホの一方通行の授業ではなく、双方向授業を行っているため、集中力も途切れにくい。
通信機器を触ることもできない。

つまり、同じ時間勉強していても、片方は気が散ることができる環境、片方は集中せざるを得ない環境である。
この差はとても大きかったと思う。
独学スタイルで勉強する7時間はつらいが、授業での7時間は何とか耐えられる。

この差が7年間も勉強をつづけたとてもとても大きな原因の一つだったと自覚している。

仲間の存在

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一人で戦うことほどつらいものはない。
共に競争し、共に励ましあう。
そういう仲間がいることで乗り切れることは多い。
例えば授業終わりに、さらに勉強する為な自習に行くということを誰か一人が口にすれば、一緒に行くというモチベーションが一つできるだろう。
一人で勉強していると、最初に立てた勉強スケジュールを越えて勉強するという意欲は生まれない。
主観的になりがちな勉強において、モチベーションを作り上げてくれる仲間の提案は非常にありがたい。
これも通学生の大きなメリットだ。

更にもっと大事なことがある。
2次試験対策である。
1度2次試験を受けた人ならわかると思うが、2次試験の合格基準は、採点者の主観に左右されることが多い。
理由は記述式だからだ。
もちろん国家資格なので、基準はあると思うが、受験者にはその基準が開示されないのだ。
更に、合格解答と不合格解答の差を採点者が説明することはない。
どういうことかというと、自分が不合格になった理由がわからないという事だ。
つまり、二次対策というのは採点者の主観にどう同調できるかにかかっているという事だ。
その時に重要となるのが勉強仲間である。

二次試験では、企業の課題を把握し、それに対して適正な改善策を記述する必要がある。
その際、自分の解答に記載さ課題設定や改善策に抜け漏れがないかを把握する必要があるのだ。
その時に中も解答を見ることで、自分では持ちえなかった視点が含まれた解答を目にすることができる。
「その視点抜けてたわぁ」
この発見や気づきなどが重要であり、またそれに気づけなかったこと、気づいた仲間の思考。
これらを深く考え、抜け漏れのない解答を作ることこそ2次試験の対策になるのだ。

つまり、自分ひとりで解答を作っているだけでは合格することはできないという事だ。
その対策には仲間がいるという事だ。

費用面のデメリットについて

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通学生のデメリットは最初に記述した通り”費用”だ。
TACであれば役25万円ほどの授業料がかかってくる。
この費用を払うことが本当にデメリットなのか、考えてみる。

結論から述べると2つの視点からデメリットではないと考える。
①心が折れても途中でやめる選択肢をもたなくなるというメリット。
ライザップがコミットできる大きな理由に、高いカリキュラム費があると考える。
ダイエットするのに30万円
これは高い。
これを支払うことで生徒はどう考えるか。
一つである。
「元を取らなければ損をする」
だ。
つまり、高いお金を払うことで、持続せざるを得ない状況を作っているという事だ。
資格の学校の授業料を払うというのもそういう意図があると考える。
無料で始めたものは投資コストがない為、ノーリスクでやめることができる。
しかし、投資をしたからには是が非でも利益を上げなければいけない。
その為に血眼になる。
といった効果だ。
この力はとてつもなく大きい。

ライザップがそれで結果を出している。
また、結果を出したライザップ生が卒業後に起こすリバウンドもそれを表しているだろう。
目標達成した後、お金を払わなくなったことで自身に甘えが出てくる。
そうしてライザップで頑張っていた時の習慣がどんどん崩れリバウンドするのだ。

お金を払うということは、体に傷をつけられるのと同じくらいのストレスを脳は感じるらしい。
それくらい大きなストレスで「やめられない状況」を作ることが、逆に続けられる要因にもなるという事だ。

②25万は安いという費用面のメリット。
僕の体験から結論だけを伝える。
僕は通信を選んだことで勉強効率を落とし最終的に7年という時間をかけてしまった。
対して僕の後輩は1.5年のストレート合格を果たした。
後輩には僕の失敗経験を伝え、仕事が忙しくても通学を選べと伝えた。
結果それが7年と1.5年の差を生んだと思う。
もちろん僕の例は極端な例かもしれないが、例えば効率に3倍程度の差を生んでいるとする。
すると、通学と通信の効率の差の結果は2年だ。
診断士の勉強時間は年1200時間と言われている。
勉強二巡目・三巡目という事を鑑みて、年間700時間とする。
そうすると差は1400時間。
サラリーマンの30歳の平均的年収500万の時給に直したときにどうなるか。
年間260日で8時間労働とすると、時給は2,404円だ。
2,404円×1400時間=3,365,600円だ。
つまり、独学で失う費用は
3,365,600円-250000円=3,115,600円になる。

目先のキャッシュフローだけにとらわれるとこうなる。
経営資源とはヒト・モノ・カネ・情報の4つだ。
役務という形で資産を約300万失うのか、キャッシュで24万失うのか。
どちらを選ぶのが良いかは明確ではないだろうか。


まとめ

中小企業診断士資格取得を目指すのであれば独学は絶対に避けるべきだ。
それはコスト面も含めメリットはないと考えたほうが良い。