『ワルツ 1•2•3』

今日は、新人研修を受けていたときの、
とある先輩とのエピソードを話そうかと。

配属先はコールセンター業務。
それまでにコール業務自体は経験があったが、
初めての業界ということもあり、覚えるべき課題が山積み。
研修期間は9ヶ月間という長い時間で、勉強三昧の日々でした。

新人研修チームがあって、
数名の先輩と日替わりでロープレを行うスタイル。

その新人研修チームの中にその人はいました。
知識も経験も豊富で、チーフという肩書の彼女。

もうね、兎に角、当たりが強い。表情が怖い。

間違えると、舌打ちやら溜息を繰り返す。
そして捲し立てるような説明で、
グイグイと容赦なく精神を追い込んでくる。
彼女が担当の日は、朝からそりゃーもう憂鬱で憂鬱で。

けれど、
キツい分だけ学びも多く経験値も上がるのだと自分に言い聞かせて、
なんとか食いしばり、 涙をこらえ、
呼吸を整えながら、日々をこなしていたんです。

そんな中、新人の同僚とのランチ中に、
同僚も辛い思いをしているとの涙の告白。
それを知り、私の中でプツリと糸が切れた。

このままではいけない。状況を変えなくては。

でも、何て言おう?

『ちょっと言葉がキツくないですか?』
『もっと他に言い方ありますよね?』
『何でいつも怒ってるんですか?』
『何で不機嫌な態度なんですか?』
『私なんか失礼なことしましたか?』

うーん、違う。これでは火に油。
でも、何かを伝えねば変わらない。

こんな時、
皆さんならどうしますか?
何て言えばいいと思いますか?

私は、これを選びました。

昼休みを終え、意を決してデスクに戻り、
開口一番に切り出した。とびきりの笑顔を添えて。

私『チーフ、聞きたいことがあります』

チ『え、何?どこがわからないの?』

私『すごく難しくて。聞いていいですか』

チ『ん?うん、何?どこ?』

私『チーフ、私のこと、嫌いですか?😊』

チ『え?はっ?えっっ?😦』

私『だから、私のこと嫌いですか?😊』

チ『えー?なんでよ😳』

私『いやー実は、ずっと当たりがキツく感じてて、辛かったんですよ😂』

チ『えー!やだー!嫌いじゃないよー!ごめんねー、アタシ言い方キツイよねー、でもそんなつもりは無いのよー😅』

私『そうなんですねー!良かったー!じゃー午後もよろしくお願いしまーす😊』

この瞬間から、チーフは少しだけ言葉が優しくなりました。少しだけ…(笑)


彼女はいつも、お昼は一人で喫茶店にいた。
彼女はいつも、視線を合わせなかった。
彼女はいつも、距離を必要としていた。

知っていたはずだ。
彼女はとても繊細で、敏感な人間なのだ。

だからこそ、
彼女の仕事ぶりは目を見張るものがある。
言葉の使い方、間のとり方、あらゆる気づきのスピードが半端ない。
声だけの情報で最善の接客を求められるコール業務は、彼女の天職なのかもしれない。

新人には厳しいが、お客様には優しい、、

何が言いたいか、わからなくなってきたが、
まぁ、要するに、
あ!と思ったときに、闇雲に突っ走らずに、
ひと呼吸置いて、最善の言葉で、
彼女の気持ちを確認できた気がするんですよ。
『私のこと嫌いですか?』←これね(笑)

一歩目でも、二歩目でもなく、三歩目で思い遣る、みたいな。

伝えたいことを、心を通してから、行動する、みたいな。

1•2•3です。ワルツです。

まぁ、
彼女とぶつからずに理解し合えたことが、
とても嬉しかった、というお話でした。


では、私でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?